夏のあせもに注意!治療と予防のポイントは?#816

夏に気を付けたい、汗による皮膚トラブル

先日コメントにて、暑い時期は皮膚がかゆくなりやすく、特に首回りに髪の毛があたってかゆみが出る、といったものを頂きました。

これはいわゆる、あせもという症状になります。

あせもとは、汗が原因として起こる皮膚トラブルの総称になります。

今回はこのあせもについて少しご紹介していきます。

正式名称は汗疹(かんしん)

あせもとは、医学的な正式名では汗疹と言います。

汗が出てくる、汗腺(かんせん)という場所が詰まり、汗が表面に出れなくなることで炎症が起こり、かゆみを伴う細かなぶつぶつとした湿疹、赤みが現れます。

これがあせもです。

場所は汗腺がある部分ですので、わきの下や首、膝裏など、一般的に汗が出てくる部位に発生しやすいです。

詰まったままだと重症化して、膿が出てくることもありますので、意外と注意が必要な症状になります。

あせもの種類は、紅色汗疹、水疱性汗疹、深部汗疹の3つ分けられます。

最も多く、代表的なものが紅色汗疹で、前述のような炎症が起こっているあせもで、水疱性汗疹が水ぶくれの湿疹を伴うあせもです。

深部性汗疹は、水疱性汗疹が重症化したもので、汗腺が詰まったことで皮膚の深い部分で炎症が起こったタイプのあせもです。

皮膚を清潔に保つことが大切

あせもは、汗を大量にかいてしまう環境で長時間過ごすとなりやすいです。

汗がたくさん出るということは、その分詰まりやすくなるため、例えば通気性の良い服を着るなどで、体温調節をしっかりして、汗の量をコントロールすることがあせもの予防になります。

あせもが出来てしまった場合は、基本的には皮膚をきれいにして、炎症を抑えていくことが先決です。

きれいにした上で、亜鉛華単軟膏という、ステロイドが入っていない炎症を抑える軟膏を使うのがおすすめです。

ローションで言うとカラミンローションが便利です。

こうしたものを使って、炎症を抑えてかゆみを和らげて行きます。

ですが、先述のコメントに、薬を使うと薬が吸着してしまいより悪化している、ともいただきました。

確かに、べたつくものだと通気性が悪く、治りが遅くなることもありますので、症状に合わせて、サラサラとした軟膏やローションにするのがベストです。

水疱性汗疹の場合も同様で、きれいに保って、あせもの箇所をしっかりと乾燥させることが大切です。

通気性の良い服を着る以外にも、汗をかいたらすぐ拭き取る、着替えるといったことをして、乾燥させてください。

もしあればベビーパウダーのような粉状の薬があると便利です。

最後の深部汗疹は、皮膚の深いところで起こっている炎症ですので、皮膚科のお医者さんに診てもらうのが確実です。

患部をきれいにして、市販のあせも用のお薬を使っても治らないとか、逆に悪化してしまって膿が出てくるような場合は病院に行ってください。

保湿して皮膚をきれいにしておくのも予防の一つ

最後に、あせもの予防についてですが、汗をすぐに拭くとか、すぐに着替えるのが望ましいですが、難しいこともあると思います。

ですので、出来るだけこまめに高温多湿の環境から離れるとか、空調服を活用するなどで、汗の量をコントロールするように意識するのが、予防になります。

また、皮膚を普段から保湿してバリア機能を保つことも、皮膚の健康につながり、あせもの予防になります。

特に体質的に乾燥肌になりやすい方は、夏場に汗をかく環境であっても、皮膚の水分が不足していて、ダメージを受けやすいということがあります。

皮膚を健康にすることで、あせもを予防するというのも意識してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属