お薬の副作用とは
先日コメントにて、関節リウマチのお薬を飲んで、副作用がとても心配で不安になり、自律神経の乱れなどの症状が出ている、と頂きました。
リウマチの治療では長期服薬ということもあり、不安に思うことが多いと思います。
また、お薬の処方の際に話すことには、患者さんの不安を和らげるメンタルケアの一面もあり、こうしたお薬に関しては特に重要になります。
今回はこのコメントから、お薬の副作用と心構えを中心に取り上げてみたいと思います。
副作用の種類と特徴
まずお薬には、効能効果、と副作用、が存在します。
効能効果とは、例えば痛み止めであれば痛みを和らげるといった、そのお薬の目的を達成する作用です。
副作用は、お薬を服用することによって発生する好ましくない作用全般のことを指します。
例えば痛み止めでは、そのお薬の強さによって胃が荒れたり、痛みが出ることがありますが、これも副作用の一つです。
また他には、アレルギーのお薬の眠気も副作用ですが、睡眠導入のために利用される場合があり、状況によってはその副作用が好ましいという場合もあります。
副作用の種類としては大きく分けて3種類あり、一つ目が「効きすぎによる副作用」です。
効きすぎによる副作用とは、少し語弊がある言い方にはなりますが非常に平たく言うと、薬の作用が過剰に出ることで発生する副作用のことです。
例えば、血圧を下げる薬が効きすぎると、血圧が下がり過ぎ、立ちくらみが生じるといったことが起こります。
次に、薬が合わないことで起こるアレルギー的な副作用です。
いわゆる、お薬が合わないというようなもので、蕁麻疹や湿疹が起こるとか、アナフィラキシーショックという命に関わる症状も、副作用の一種です。
最後が、お薬の毒性による副作用です。長期間お薬を服用すると、お薬を分解吸収するために腎臓や肝臓に強い負担がかかり続けることになり、機能が低下するというものです。
アレルギーによる副作用は飲み始めから数週間〜半年以内に現れることが多く、毒性による副作用は長期間の服用で徐々に症状が出ることが多いです。
ただ、アレルギー的な副作用が肝臓や腎臓にダメージを与えるとか、長期間飲み続けることで徐々にアレルギーの副作用が起こる、ということもあり、見分けるのが難しい点もあります。
これらのような副作用が出た場合は、それについて対処するのではなく、お薬の種類を変えたり、違う治療の手法を検討してください。
副作用かもと思ったらすぐに薬局へ相談を
もし副作用かもと思ったら、すぐに処方された薬局に相談してください。
ネットで検索することももちろん可能ですが、調べて分かるのはそのお薬の症状と起こる頻度だけで、実際に副作用かどうかは分かりません。
例えば頭痛が起こるという副作用があり、実際に頭痛が起こったとしても、それがお薬の副作用なのか、他の原因で起こったのかは分からないということです。
そしてこうしたことは、強い副作用であればなおさらのことです。
今回コメントで頂いた、リウマチのお薬のメトトレキサートというお薬では、様々な副作用があるのが特徴で、免疫に関連する副作用も起こり得ます。
その副作用が起きた場合、まず喉の痛みと発熱が起き、いわゆる風邪やインフルエンザの症状が起こるという特徴があります。
しかし、それらは風邪によるものではなく、汎血球減少症や無顆粒球症と言った、全く別の症状によって起きているということもあり、その場合は素早い対処が必要になります。
この場合だと、飲み始めてからおよそ3か月以内か半年以内に出ることが多いので、もし1年以上経ってから高熱や喉の痛みが出た場合は、副作用以外の別の可能性が高い、という風にある程度は判断できます。
ネガティブに考えすぎない
最後に心構えとして、副作用について過度に恐れることは、かえって症状を引き起こしやすくする要因になります。
実際に、副作用が起きるかもしれないと思いながらお薬を飲むと、副作用が起こることもあります。
いわゆるプラセボ効果の逆で、副作用を恐れすぎるのは体にとって悪影響になります。
とはいえ、怖いものは怖いと感じるのは当然だと思います。
飲みたくないという気持ちも充分あると思いますので、その場合は原点に戻って、その副作用を踏まえてもそのお薬を飲むべきなのかどうかを考えてみてください。
副作用そのものについて、充分に薬剤師やお医者さんと話して、対処について把握したり、よくある副作用について知って、それからそのお薬を飲むかどうかを決める、というのも一つの手です。
薬剤師はお薬に関するあらゆる情報を提供するために存在していると言っても過言ではありません。
不安なことがある場合は、自己判断だけで解決しようとせずに、是非相談していただければと思います。