冬場便秘しやすい?!腸活でスッキリ。習慣作り#960

腸閉塞で入院となった患者さんが

先日、腸閉塞を起こして入院された患者さんとお話しました。

以前担当していた別の患者さんも、冬場に腸閉塞になって入院となったことがありました。

たまたまのことと思いますが、冬になりやすい便秘、そして腸閉塞について、まとめてみたいと思います。

便秘の定義

便秘というと、簡単に言えば便が出ない状態で、多く場合だと何日出ていないかが気にされがちですが、実際には毎日排便があっても、出にくい気がするとか、残っている感じがする、便が硬いといった状態が続き、それによって日常生活に影響があれば、それは便秘状態となります。

国際的な基準でも、週に三回未満の回数で、強くいきまなければ出ないとか、コロコロとした便が続く場合には便秘、と定義されています。

便秘は大きく分けて、腸の動きが全体的に遅くなるタイプと、便意はあるのに出口で詰まって出せないタイプに分けられ、それぞれで原因や対策も異なります。

便秘が進行することで腸閉塞に

そして今回のもう一つの本題の腸閉塞は、簡単に言うと便秘が悪化した状態のことです。

腸の中で、便やガスが完全に止まってしまい、腸が動かなくなるという状態で、放置すると腸そのものが壊死してしまう危険もあり、入院による治療が必要になります。

腸閉塞の症状としては、便秘が長く続くことに加えて、お腹がチクチクと痛む、おならやガスが全く出なくなるといった変化があるのが特徴です。

さらに進行すると、食べた食べ物が先に進めなくなり、体が受け付けずに嘔吐することもあります。

便秘が続いていて、おならが全くでないなどの症状が重なってきた場合は、市販薬で様子を見るのではなく、早めに内科などの医療機関を受診してください。

冬に便秘や腸閉塞が起こりやすい理由

そして、実は冬は便秘が悪化しやすい季節になります。

その理由の一つが水分不足で、夏のように喉の渇きを感じにくい上に、暖房が効いて乾燥した室内では知らず知らずのうちに水分が失われます。

体内の水分が不足すると、腸は便から水分を多く吸収するため、便が硬くなるのです。

その上、寒さによって体を動かす機会が減って運動不足となると、腹筋の動きによる腸への刺激が少なくなり、結果として腸の動きが鈍くなります。

さらに年末年始特有の生活リズムの乱れ、食事内容の変化や食べ過ぎが重なると、より便秘を悪化させることになり、結果として腸閉塞のリスクも上がるのです。

ちなみに女性では、女性ホルモンやダイエット、筋肉量の影響で便秘が起こりやすいですが、男性も加齢とともに筋肉量が減ったり生活習慣病のリスクなどによって便秘が増えますので、高齢になるにつれて男女差が少なくなっていきます。

便秘の対処と受診の目安を知る

以上を踏まえて便秘対策についてまとめると、基本となるのは水分と食物繊維の補給、腸内環境の改善、そして適度な運動になります。

まず水分は冬でも意識して摂ることが大切で、ヨーグルトや味噌汁、もち麦などを取り入れた腸活もとてもおすすめです。ただ、食物繊維も摂りすぎては逆効果ですので、注意してください。

運動はウォーキングなどの有酸素運動が理想ですが、室内でのかかとの上げ下げ、昇降運動のような軽い動きでも腸への刺激になります。

便秘の市販薬を使う際は、便を柔らかくする酸化マグネシウムが使われることが多く、腸を無理に動かす薬はくせになりやすく使うのが難しいですので、連用しないように気を付けていただければと思います。

酸化マグネシウムのお薬も、用法用量を守って使えばあまり問題ありませんが、腎臓が弱っている場合には適さないこともありますので、不安があればやはりお医者さんに相談してみてください。

受診の目安としては、前述したようにおならが出ないとか、便に血便や黒色便がある、強い腹痛や発熱を伴う場合や不自然に食べ物が受け付けなくなり嘔吐するようなときは、緊急の事態の可能性がありますのですぐに病院に行ってください。

およそ3日ほど便秘が続いた場合は、水分を意識して取ってお薬を使ってみるとか、生活習慣を見直して様子を見て、それでも治らない場合にはお医者さんにかかるのが安全かと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属