りんご病って子供の病気だけじゃない?大人と妊婦さんも注意#982

りんご病の流行に注意

新学期が始まって少し経ちましたが、今流行り始めている病がりんご病です。

りんご病とは、正式には伝染性紅斑と呼ばれるウイルス感染症で、原因はヒトパルボウイルスB19というウイルスです。

主に子どもに多い病気ですが、大人も感染する可能性があり、症状としては軽い発熱や風邪のような症状の後に、頬が赤くなる特徴的な発疹が現れ、これがりんご病と呼ばれる所以となっています。

そこから、腕や足、体にレース状の発疹が広がります。

多くの場合は自然に回復する比較的軽い病気ですが、まれに長引いたり、治っても再度症状が出て繰り返すこともあります。

そして、幅広い年齢層で見られる身近な感染症でもあります。

今回はこのりんご病について、まとめてみたいと思います。

感染経路と流行時期、注意すべきポイント

りんご病は一般的な風邪などと同じく、咳やくしゃみによる飛沫感染や、手指を介した接触感染で広がります。

空気感染のような強い感染力はありませんが、家庭や学校など集団生活の中で広がりやすい特徴があります。

りんご病で最も感染力が強い時期が、発疹が出る前、風邪症状の段階です。

言い換えれば、発疹が出た頃には感染力はほぼなくなっているため、見た目で判断したときにはすでに感染が広がっている可能性があるのです。

時期としては春から初夏にかけて増えやすく、人の移動が増える時期にはさらに一層の注意が必要です。

現時点で言うと、全国の小児科さんではすでにところどころ報告が出ておりますので、お子さんがいる方は気を付けていただければと思います。

大人と妊婦における症状とリスク

大人が感染した場合は、子どもとは異なり頬の赤みが目立たないことも多く、関節痛や頭痛、倦怠感といった症状が出ることがあります。

一般的な成人であれば、ほとんどのケースで自然に回復しますが、特に注意が必要なのが妊婦さんです。

妊娠中に感染すると、胎児にも感染する可能性があり、胎児水腫になるなど、流産のリスクが高まることが知られています。

もし症状がある場合は、すぐ婦人科さんに相談してください。

さらに言うと、症状が少ないため感染していても無症状な場合もありますので、周囲で流行している場合や接触の可能性がある場合は、症状の有無にかかわらず、早めに婦人科へ相談するのがベストです。

とはいえ、怖がり過ぎてストレスになっては悪影響ですので、気にしすぎることはせずに、周りの流行具合を知っておいて、もしものことがあれば相談する、という風にするのが良いかと思います。

治療と予防、日常でできる対策

りんご病と普通の風邪の見分けは非常に難しく、お医者さんでも一度の診察で見抜くことはほぼできません。

湿疹と頬の赤みで分かりますが、前述のようにその症状が出た時にはすでに感染力が薄れている状態ですので、やはり学校や保育園など、身近な場所での流行情報を把握することが有効です。

治療についてですが、りんご病には特効薬やワクチンはなく、治療は基本的に対症療法となります。

発熱があれば解熱剤、関節痛があれば鎮痛薬を使用しながら、安静に過ごすことが回復への近道です。

予防としては、一般的な風邪や新型コロナと同じく、手洗いやアルコール消毒、咳エチケット、マスクといった基本的な感染対策が重要になります。

重ねてになりますが妊婦さんにとっては注意が必要な感染症ですので、ストレスにならない程度に充分注意していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属