読書の秋でも目が楽に!夜読の照明・距離・休憩のゴールデンルール#932

秋の夜長に読書をするとき

秋の夜長、という言葉もあるように、秋になると夜が長くなり、本を読むのがおすすめな時間にもなります。

と言っても、スマホの時代ですので本を読む方は一時期より少ないと思いますが、スマホも読書も気をつけたいのが、目の疲れです。

いわゆる疲れ目ですが、これを放っておくと、肩こりや頭痛にもつながることがあります。

今回は、秋の夜に快適に過ごすために、目や目の疲れについてお話ししていきたいと思います。

明るさのバランスが目を守る

目の疲れを防ぐために大切なのは、明るさです。

読書やスマホを見るときは、手元の明るさを300ルクス以上に保つことが理想、とされています。

数字で言うと難しく感じますが、これはA4用紙に書かれた小さな文字がくっきり読める程度の明るさとなります。

そして、LEDのデスクライトを、30〜40cmの距離に置くと300〜500ルクス程度の明るさになります。

ただし、夜に明かりを使う際に注意するポイントが、部屋全体を明るくしすぎないことです。

照らすのはあくまでも手元だけで、手元はしっかりと明るくしながらも、部屋の照明はやや暗めで、間接照明程度にとどめるのがベストとされています。

これは、寝る直前に200ルクスを超える光を浴びると、眠りを促すホルモンとなるメラトニンの分泌が抑えられてしまい、寝つきが悪くなるためです。

また、まぶしいほどの明るさがあると、逆に疲れ目になりやすく、頭痛や肩こりといった症状の原因になることもありますので、手元は明るいものの、部屋は少し暗くするのが、夜の読書にちょうど良いバランスとなります。

目のまばたきと環境に注意

そして、目を酷使する作業で注意が必要なのが、まばたきと姿勢です。

長時間の読書や画面を注視するときは、まばたきの回数が普段の半分以下程度まで減るとされ、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイや充血が起きやすくなります。

乾燥を確実に防ぐには、人工涙液の目薬を事前に一滴さしておくと効果的です。

また、エアコンや暖房を使っている場合は、風が直接顔に当たる場所だと目が大幅に乾燥しやすくなりますので、風向きの調整も大切です。

もし万が一、痛みが明らかに強いとか、目の充血が頻繁に起こる場合、視界に虫が飛んでいる感じがして日に日に増えてきたような場合は、単なるドライアイなどではない別の病の可能性がありますので、その場合は眼科のお医者さんに相談してください。

そしてもう一つ、スマホや本をのぞき込むように見る姿勢にも気を付けてください。

いわゆる前傾姿勢のような形になると、首や肩に負担がかかり、目の疲れから頭痛に発展することもあります。

できるだけ目線の高さと同じ程度になるように、デスクや椅子の高さを調整して、自然に前を向く姿勢を保つのがベストです。

目を休ませる時間を意識する

最後に、明るさや姿勢に気をつけても、やはり目を休ませる時間を取らないと自然に疲れていきます。

目安としては、目を使う作業や読書を50分続けたら、10から15分休むのが理想です。

休む時は目を使わないように閉じて、瞬きは3回ほどゆっくりとすると、目の筋肉が自然にほぐれて楽になります。

もし、疲れを感じた際は、ホットアイマスクで目元を温めるのもとてもおすすめで、血流が良くなって目の周りの筋肉の緊張が大幅にやわらぎます。

ちなみに、コンタクトレンズを長時間つけっぱなしにするのも目に負担になるため、帰宅時などに可能であれば早めにメガネに替えると、目の乾燥や疲れを軽減できますので、意識していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属