連休こそ歩く旅!歩き方の使い分けで、体を1番喜ばせる方法!#931

歩く旅で運動を

秋というと行楽シーズンでもあり、旅行に関する話題も出てくると思います。

少し前にエコノミークラス症候群について取り上げましたが、今回はその正反対とも言えるような、歩くという運動について掘り下げてみたいと思います。

「歩く」という動きは、正式な定義としては、安静よりも多くエネルギーを使う活動、とされています。

また、歩くと言っても種類があり、単なる移動だけではなく、日本語で速歩と呼ばれるウォーキングや、腕振りや歩幅を大きくして速めに歩く、パワーウォークと言われるものまで様々あります。

今回はこの歩く運動について、いくつかまとめて行きます。

ウォーキングという運動

一般的な歩行は、およそ1日60分以上続けることで、運動レベルのエネルギー消費に達することが多いとされています。

スピードとしては他人との会話が問題無く可能で、少し呼吸が早くなる程度の強さ、とされています。

数字にするとおよそ1分あたり100歩前後となり、これを少し早めて1分あたり130から135歩くらいになると、よりトレーニング効果が高まるパワーウォークとなり、さらに心肺や筋肉に負荷がかかる運動になります。

さらに早くなるとジョギング、ランニングとなって行きます。

ちなみに余談ですが、陸上競技となっている競歩は独特のフォームで歩行していると思いますが、それはきちんとしたルールになっており、通常の歩行とは全く別の技術が必要になっています。

そして、走るという運動は歩くよりも負担がかかりますが、それは歩きの場合だと片足が必ず地面についていますが、走っている場合は飛ぶような動作があり、両足が地面から離れる瞬間があります。

これにより、膝をはじめとした下半身全体に負荷がかかるため、疲れやすく、また怪我のリスクも高まります。

有酸素運動としてとてもおすすめ

ウォーキング、歩くという運動は、有酸素運動として非常におすすめな方法です。

当然、生活習慣病の予防にも大きく役立ち、血圧の改善や血糖値の安定、脂質異常症の改善なども期待でき、心臓の不整脈リスクも下げることがわかっています。

しっかりとしたダイエットが目的の場合は、週に3時間から5時間ほどの速歩きが効果的とされており、継続すると体脂肪の減少や筋力維持にもつながります。その際は、ただ歩くだけではなく、きちんと意識して、前述のパワーウォークの歩き方を目安にして、1分あたり130から135歩くらいのペースで歩くのがベストとされています。

ただし、無理にスピードを上げると怪我や関節のトラブルを招きやすく、特にリハビリ中だと回復を思いのほか実感して気持ちが先行してしまい、逆に悪化する危険もあります。

その日の体調、コンディションに合わせて無理なく続けることが、長く健康を保つコツですので、意識していただければと思います。

時間帯としては、これまでも度々お伝えしているように朝日を浴びながらウォーキングをするのは、自律神経にとても良い影響があり、ストレスの軽減も期待できますので、是非朝に歩いていただければと思います。

旅行中に歩きを楽しむためのコツとケア

最後に、今回取り上げたきっかけとなった、旅行や観光などで長時間歩くという場合ですが、ポイントとしては疲れをためない工夫です。

まずはペース配分を意識してみてください。

出発直後はゆっくりと歩き始めて、中盤ごろで少しスピードを上げて、帰り道ではまたペースを落とす、という風にリズムをつけると、足への負担を分散できます。

使う靴はかかとがしっかり固定されるもので、出来るだけ厚手の靴下を履くと、マメが出来るのを防げて、疲労が軽減されます。

そして、秋は夏よりも涼しいですが、運動をすると水分が失われることには変わらないため、水分補給も忘れずに必ず行ってください。目安としては1〜2時間に1回は、コップ一杯程度の水を飲んで、汗をかいた場合は電解質を含むスポーツドリンクで塩分やミネラル分も補えるとなお良いです。

また、山歩きなどでおよそ2時間以上、屋外を歩く場合は、バナナや羊羹、チョコレート、おにぎりなどのような、素早くエネルギーを補給できる軽食を持って行くのもとてもおすすめです。

歩いて帰ってきた後は、普通の筋トレの後のように筋肉がダメージを受けていますので、回復のためにタンパク質をしっかり摂取するのが最善です。

終了直後のストレッチとしては、屈伸などで足を強く伸ばすようなものよりも、ラジオ体操のような軽い動きを主に行う動的のストレッチの方が、翌日の疲れを軽減しやすいとされています。

反対に、お風呂上がりのストレッチは、体をほぐすようにしっかりと体を伸ばす、静的なストレッチをするのが良いとされていますので、しっかりとお風呂に浸かって、体をほぐしてから休むのがベストかと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属