外遊びで気を付けたい、虫・クラゲ対策
最近、夏のレジャーで虫刺されやクラゲによる怪我で来られる患者さんが少しずつ増えてきました。
外での虫やクラゲへの対策は、特にお子さんがいる方などは、熱中症と併せて気を付けたいことの一つです。
ハチなどは命の危険がある場合もありますので、是非対策していってください。
虫刺されでかゆくなる理由
虫刺されというと、基本的には「かゆみ」の症状が出ることがほとんどだと思います。
蚊を筆頭に、ハチ、ダニ、毛虫など、刺されることでかゆみが出る虫はたくさんいますが、基本的には刺されることで虫の体液や毒が体の中に入り込みます。
それを排出しようとする働き、アレルギー反応がによってかゆみが出てきます。
ちなみに内臓がかゆいと思ったことは無いと思いますが、それはかゆみを感じる神経が体の皮膚や頭皮のような外に触れる場所にしかないためです。
また刺されることで皮膚が焼けたりして傷になったり、炎症を起こすことでかゆみとして出たり、毒そのものの作用によってかゆくなることももちろんあります。
虫除けにはディートが最適
海以外での山、川での遊びでは、やはり虫除けが一番の対策になります。
以前、239回で触れておりますのでそちらも併せてご覧いただければと思いますが、一番おすすめなのが、ディートという成分が含まれた虫除け製品です。
虫除け製品というと、蚊用やハチ用など、効果がある虫が限定されたものも販売されていますが、ディートはいずれの虫に対しても効く万能なもので、ダニにも効果があるため、ダニが寄って来るのを防ぐことができます。
海ではクラゲの針に刺されることがありますが、クラゲ用のコールドスプレーというものがありますので、これを使うのが安全だと思います。
刺されてしまったら
最後に、虫やクラゲに刺されたしまった場合の対処について、前項の記事と重なる部分もありますが簡単におさらいすると、まずミツバチに刺された場合は、ピンセットではなく、カードのような固いプラスチック板のようなものでこそげとるようにしてください。
針の根元に毒袋があるため、毒袋が残ったままピンセットを使うと袋を自分で破くことになるため、さらに悪化することになります。
ですので毒袋を刺激しないように、固いもので皮膚に刺さったとげをこそぎ取るイメージで取ってください。
針を抜いたらその箇所をつまんで、すぐに水で洗い流してください。
クラゲの場合は、刺胞というトゲが体内に残っている可能性があるため、真水であらうと刺胞が破れてトゲが体内で刺さる恐れがあります。
ですので海の近くで、海水でやさしく洗うようにしてください。もし刺さっててなかなか取れない場合は、ピンセットで抜いてください。
ちなみに、ポイズンリムーバーと言う、刺された箇所に使って毒液を抜く器具がありますが、ハチなどに刺された場合はそれを使うのも効果的です。
その器具のように、口で吸って吐き出すということもできそうですが、それをすると毒液が口の中に入ったり、逆に口の唾液の雑菌が刺された傷口から入ることがあるため、避けてください。
針の処置が終わった後、刺された傷口には塗り薬を使うのが一番です。
かゆみがあればムヒやウナコーワ、腫れなど炎症がありそうならリンデロンVGのようなステロイドが入っているお薬が最適です。
ダニに刺された場合は皮膚科へ
虫刺されで病院に行くのは少し気が引ける方も居るかもしれませんが、もしダニに刺されたと思われる場合はすぐに皮膚科さんに診てもらってください。
ダニは様々な病気を媒介するため、単に刺されてかゆいだけでは終わらない危険があります。
それどころか、刺されたときは何の症状が無くても、後々になってダニによる病が起こることもあるほどです。
さらに、ダニが体にくっついた場合で無理にはがしてしまうと、ダニの頭部だけが食い込むように体に残り、こうなるとその箇所の皮膚を切ってダニをとるという処置が必要になります。
ですのでダニが体についてしまった場合は、ついたまま皮膚科に行って処置してもらってください。
他には、スズメバチに刺された場合も、アナフィラキシーショックという強いアレルギー反応を起こすことがあるため、スズメバチに刺された場合も皮膚科に行くのがベストです。
虫刺されによるアナフィラキシーショックはスズメバチ以外でも起こることがあり、基本的には刺されてから5分から10分ほど経って、喉の痛みや全身の蕁麻疹と言った症状が出た場合はアナフィラキシーショックの可能性があります。
もし、けいれんのような大きな症状が出た場合は、遠慮せずにすぐに救急車を呼ぶようにしてください