カラダを夏にする!?今から出来る夏バテ対策とは?#720

体を夏に慣れさせる

暑さが全国的に本格化してきましたが、夏バテの対策は是非今からしておくことをおすすめします。

voicyでも、夏になると食中毒や前回取り上げた夏風邪、熱中症などと合わせて何度も触れていますが、夏バテ対策は本格的に夏に入る前からできます。

それは、今から夏に体を慣れさせる、という対策です。

まだ寒暖差がある日もありますが、今のうちから夏の暑さに慣れておきましょう。

暑さによって体力を大幅に消耗してしまう

まず、いわゆる「夏バテ」という状態についてですが、一言で言うと夏の暑さによって体力を消耗してしまったという状態です。

暑いという環境の中で、体力が自然と失われてしまって集中力が無くなったりイライラするとか、食事をする体力が無くなるため食欲も湧かない、といったように症状が出てきます。

暑さも一因ですが、外の暑さと室内の涼しさの寒暖差によって自律神経が乱れるのも夏バテの原因の一つで、自律神経が乱れることで睡眠がとれないとかストレスが余計に溜まるなどが起こり、さらに悪化していきます。

食欲が湧かないということは当然ながら、たんぱく質やミネラル、ビタミンといった栄養も不足していき、一層体力が回復しなくなっていきます。

暑さや室内との寒暖差など、こうした夏特有の環境の影響により、体力が無くなってしまったのが夏バテです。

ですので考え方を変えれば、暑さや寒暖差に今のうちから慣れていき、暑さによって体力を失われないように身構えておくと、夏バテの大きな対策になるのです。

温度差を少なくなるように調節する

今からできる一番の対策が、外と中の温度差を減らすことです。

具体的に言うと、エアコンをお使いであれば、設定温度を少し上げてみてください。

目安で言うと外の気温差が5℃以内程度が望ましいですが、例えば熱帯夜で夜でも30℃後半から40℃近い場合で、エアコンを30℃以上にするのは話が変わってくるため、避けてください。

今の時期に冷やしすぎない、ということを意識して設定してください。

なのでこれに併せて、数時間後にタイマーを設定して眠りについたらエアコンが消えるようにしておくと、朝に気温が低い環境になっても、必要以上に寒くならないためおすすめです。

もしエアコンが無い場合や、家族などがいて自分で調節できないような場合は、服や寝具を使ったり、窓や扉の開け閉めで調節するようにしてください。

次に大切なのが水分補給です。

夏本番はまだですが、初夏の今でも水分は失われており、喉が渇いていない感じでも水分が不足しているということがよくあります。

ですので可能であれば時間を決めて水分をとるようにするのも一つの手です。

夏野菜をしっかりとる

次に食事ですが、暑くなってきてすでに料理が面倒になってきている方も多いと思いますが、今こそしっかりと栄養を取っていくことが重要です。

特にたんぱく質やビタミンB1、B2などは大切で、お肉で言うと豚肉は疲労回復にとても便利ですが、是非食べて欲しいのが夏野菜です。

トマトやきゅうりといった野菜は、夏の時期に必要な栄養分を豊富に含んでおり、体を冷やす効果もあるため、夏にぴったりな野菜と言えます。

そしてやはり、睡眠は体力の維持、向上には欠かせません。

以前も取り上げたように、早起きをして朝日を浴びて、体内時計をリセットしてから早めに寝るようにするのがおすすめです。

汗を普段からかいておく

最後に、人間の体温調節機能の一つとなる、汗についてですが、例えば普段デスクワークで室内にいると、汗をかく機会がすくなく、いざ夏になった時に汗をかくのが難しく、また負担にもなるため、夏バテの一因となることがよくあります。

特にその状態のまま真夏を迎えると、汗によって暑さを処理することができず、一気に熱中症となることもあります。

ですので、可能な範囲で大丈夫ですので、軽い運動をしたり、シャワーではなく湯船に浸かって、今のうちから汗をかく習慣をつけておいて、暑い環境になったら汗がかけるように体を慣らしておくのも、夏バテ対策の一つになります。

お風呂の場合は、41℃ほどのお湯に10分程度浸かるだけでも充分汗はかけるため、是非普段から汗をかけるように習慣づけてみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属