早食いは太る?それ以外のデメリットは?#595

デメリットばかりの「早食い」

今回は久々にこれまでと打って変わって、早食いについてのお話です。

実は、自分は早食いするほうで、今でもついつい早くご飯を食べてしまうタイプです。

早食いは問題の方が多く、出来るだけ避けた方が良い食べ方の一つです。

単純に太る原因になる以外にも、様々な弊害がありますので、今回はこの早食いについて少しお伝えしていきたいと思います。

一般的な食事を20分以下で食べ終わるのが早食い

まず始めに、早食いと言っても何をもって「早食い」とするのかですが、実は定義があります。

それは一般的な食事を、20分以下で完食するというものです。

例えば、朝食にパン1枚牛乳1杯程度で済ませるということもあると思いますが、そうではなく一般的な一食の量を20分以下で食べるという事が、早食いとされています。

早食いの最大のデメリットが「太りやすくなる」事です。

簡単に言うと、同じ物、同じカロリー量のものだとしても、食べ方一つで血糖値が変わるため、肥満のリスクが変わってくるのです。

体への吸収が最も早いのが「糖質」で、一気にご飯を食べたらその分、一気に糖質が吸収されて血糖値が急上昇します。

すると、インスリンというホルモンが急激に分泌されます。

インスリンは血中の糖質を脂肪に変え、血糖値を下げるという働きを持ちます。

つまり、一気に早く食べれば、インスリンの量が急激に増えて脂肪がその分増えますが、ゆっくり食べればインスリンの量が抑えられるため、血中の脂肪量が上がらないのです。

たとえ同じものを食べても、早く食べるかゆっくり食べるかで、体内に増える脂肪量が変わってくるという事です。

早食いの様々なデメリット

もう一つ、早食いで太る原因が、満腹感を感じにくいことです。

満腹中枢が刺激されて満腹感を感じるのは、食事をし始めてからおよそ20分から30分ほどかかります。

最初に早食いの定義について触れましたが、20分以下で食事を終えるという事は、食べ終えた時に満腹だというサインが送られていない状態で止めているという状態です。

これでは、自分はまだ必要な分のカロリーを得ていない、と認識してしまい、結果的に食べる量が不必要に増えることにつながります。

その他のデメリットは、例えば噛む回数が少ないのも早食いの特徴ですが、噛む回数が少ないという事は当然消化不良のリスクが上がり、胃腸に悪影響になります。

関連して、噛む回数が少ないということは分泌される唾液の量が少なくなる事にもつながり、口の中の悪い雑菌が増えてしまって虫歯のリスクが上がるのも弊害の一つです。

さらには口の周りの機能、筋肉の衰えにもつながります。

これは若い方だと大したデメリットではないように思われますが、日常で習慣化してしまうと年齢を経るごとに弊害が大きくなっていき、食べこぼしが少しずつ増えてくるとか、発声が不明瞭になるとか、顔のお肉のたるみの原因にもなります。

早食いの習慣を止めるのは難しい

早食いは出来るだけ改善した方が良いですが、自分もそうですが習慣づいていることを止めるのはやはりかなり難しいです。

少しずつ、日数をかけて改善していくほかありません。

例えば前項の定義をもとに、一食食べ終わるのに20分以上かけるようにする、という目標を立てても、生活リズム的にそういう環境になれない、という事があると思います。

1日や2日ほど、無理やり時間を作って食べてみても、無理やり時間を作ったため結局早食いに戻ってしまう、という事が起こり得ます。

20分以上かけて食べることを意識するよりも、食事の時間を考慮したスケジューリング、時間割りが非常に重要になります。

20分以上かけてご飯を食べられる環境を作る、ことを最初に意識してみてください。

それ以外で出来ることは様々ありますが、まず一口の量を減らしてみるとか、噛む回数を増やしてみるのもおすすめです。
一口の量を少なくすることで、口に運ぶ回数が増えるため必然的に時間がかかるようになります。

例えば、意識して利き手と逆の手をよく使ってみるとか、スプーンを小さいものに変えるとか、わずかな工夫で充分効果はあります。

噛む回数を増やすのは、こちらも意識することが大切ですが、ポイントは回数を数えて、そこから増やしてみることです。
目安としては30回ほど増やすのが理想ですが、いきなり30回数えながら食べるというのは難しいです。

そこで、普段飲み込む回数よりも、5回ほど多く噛んで飲み込む、と言う風に意識してみてください。

もちろん、難しくなければ30回でも大丈夫です。一番無理なく続けやすい方法を選んで、工夫して時間をかけて行くことが何よりも大切です。

次に食事の仕方ではなく、食材についてですが、やはり最も重要なのは、バランスの良い食事です。

食物繊維が豊富なものや、噛み応えのあるものを増やす、また逆に食材を大きめに切ることで、噛む回数を増やすという手もあります。

工夫と同時に、時間を確保することも必要なので、総合的に考えて早食いを改善していってください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属