PM2.5?黄砂?春は花粉以外にも要注意!#497

Voicy更新しましたっ!

今回は花粉と同じぐらい気を付けたい、PM2.5や黄砂についてのお話

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春に飛ぶ「PM2.5」「黄砂」

春と言えば花粉の季節ですが、花粉と同じぐらい危険で、注意したいのがPM2.5や黄砂です。

後述しますが、PM2.5は細かい粒子全般のこと、黄砂は文字通り「砂」のことです。

日本では特に春ごろ、これらが多く飛来してきますので、是非今こそ気を付けて行きましょう。

 

直径2.5μm以下の粒子

初めにPM2.5ですが、これは直径2.5μm以下の粒子の事を指します。花粉は直径30μmですので、花粉よりもおよそ10倍近く小さい粒子になります。

PM2.5は何かが燃えた時に発生する粒子です。例えばストーブで灯油を燃やしたときの排煙や、車のガソリンを燃やして走る車の排気ガス、火力発電所や工場からの排煙と言った場所から発生します。

現在の日本では、車の排気ガス規制をしたり、工場の排煙規定を厳格に定めたりと言った対策がとられていますが、中国をはじめとしたアジア諸外国では、急激な高度成長期にあり、少し前からPM2.5大気汚染の問題が深刻でした。

そしてその偏西風が特に強まる時期こそ、3月から5月なのです。

地域としては日本全域に飛びますが、やはり西日本の方が大陸に近いため、影響を強く受けやすいです。

PM2.5を吸い込んでしまうと、粒子が細かいため肺の奥の方にまで入り込んでしまい、喘息や気管支炎の原因になり得ます。

 

ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、黄土高原からの砂

もう一つの黄砂ですが、これは大陸にある砂漠からの砂の事です。

日本にはゴビ砂漠やタクラマカン砂漠からの砂が、同じく偏西風に乗って飛来してきます。

砂漠の砂もとても細かく、PM2.5よりは若干大きいですが、およそ4μm程の大きさです。

黄砂はPM2.5と違い、年中来るものではなく、2月から5月の偏西風が強い時期を過ぎると、夏ごろには日本ではほとんど見られなくなると言う特徴があります。

ただ例外的に、十何年かに1回ほどは、秋口にも黄砂が多く来ることがありますが、通常は2月から5月にかけてが多く、ピークが4月に来ることが大半です。

黄砂は砂ですので、色が付いていることで見通しが悪く、視界不良になるとか、車や洗濯物に付着して汚れるという問題があります。

また、砂そのものは無害ですが、一粒一粒にM2.5が付着するため、結果としてPM2.5も同時に飛来することになります。

 

予防のコツは「鼻呼吸」

黄砂もPM2.5も、通常の花粉よりも遥かに大きさが小さいため、吸い込まないように完全にするためにはN95マスクという、高価なマスクが必要になります。N95マスクは、医療現場において必要に応じて使うもので、非常に息苦しいマスクですので普段の生活で使うことは出来ません。

PM2.5も黄砂も、この時期に特に多めに漂っている、という事ですので、よほど大量に吸い込まない限りは健康被害は出ません。

ですので、今ではすっかりおなじみになった不織布マスクをきちんとつける、という対策で充分です。

一点だけ、ポイントと言うかコツがあるとしたら、口ではなく、鼻で呼吸をするようにしてください。

大きさが特に小さい上に、口から吸いこむことで肺に直接入ってしまうと、喘息や気管支炎のリスクが高まりますが、鼻呼吸では鼻がフィルターの役割をするため、そのリスクを大きく下げられます。

その他だと、例えば洗濯物を外干ししている場合は、今の時期だけ室内干しにするとか、外から帰って来たら軽く払い落としてから上着を脱ぐ、すぐ洗濯物に入れる、と言った対策をすると、室内に持ち込まずに済みます。

 

PM2.5や黄砂の量を事前にチェックする

最後に、もし元々喘息や慢性的な気管支炎があって、この時期不安があるという場合には、「大気汚染物質広域監視システム」を活用してみてください。

インターネットで「そらまめくん」で検索するとすぐ出てきます。

これを見ると、現在の地域ごとのPM2.5や黄砂の量が確認できるため、外出の予定がある程度立てやすくなります。

多い場合はしっかりとマスクをつける、薬を切らさないようにするとか、場合によっては外出を取りやめるという風に対策が出来ますので、もし不安でしたら是非見てみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属