乾燥肌の原因と対策は?#487

Voicy更新しましたっ!

今回は春一番も吹いたことから、改めて気を付けたい乾燥肌について

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乾燥肌・ドライスキン・乾皮症

今回は久々にcovid-19や病気に関することから離れて、お肌について、まとめて行きます。

2月も中盤に差し掛かり、春一番が吹いた今、改めて気を付けてください。

乾燥肌とかドライスキン、乾皮症と言うのはいずれも「お肌が乾燥する」という状態です。

なぜ肌の水分、油分が不足するのか、基本的なことから触れていきたいと思います。

皮膚の一番外側、空気に触れる部分が「角質層」

まずは有名ですが、「角質層」とは皮膚の一番外側にある部分のことを指します。

角質層が、隙間なくきれいに、皮膚全体を覆っていれば、外にある菌やウイルス、また強い紫外線と言った刺激物質が、体内に入らないように守ることが出来ます。

さらに反対に、皮膚の中にある水分や油分が必要以上に出て行かないようにするのも角質層の働きです。

これがいわゆる「角質層のバリア機能」になります。

その角質層に何らかの影響で、隙間が出来てしまうと、そこが穴のようになり、刺激物質が入り込んだり水分や油分が大きく抜けて行きます。

これがお肌で起こる「乾燥」や「かゆみ」と言った症状の主な原因です。

例えばかゆみは、隙間が空いた皮膚から何らかの刺激物質が入って、そこで起きた炎症によって起きている症状です。

それに対して敏感に、過剰に反応してしまうと、アトピー性皮膚炎のような重大な事態になります。

乾燥の原因

今回は乾燥についてですので、アトピー性皮膚炎については割愛します。

なぜ乾燥するのか、水分が抜けて行くのかということですが、一番なりやすい原因は、外の空気が乾燥していると皮膚も乾燥しやすく、水分が多く失われやすいからです。

冬場はもちろんですが、夏でも室内でエアコンを充分に効かせると空気が乾き、同じように角質層にダメージになり、隙間が出来て水分が出すぎてしまって乾燥肌になる、という事です。

これ以外だと、紫外線からのダメージとか、お風呂の際にお肌をこすり過ぎるといったことでも角質層が傷ついてしまい、同じように水分が抜けて行きます。

特にお風呂の場面は意外にも、乾燥肌の原因になることが多く、必要以上に洗いすぎる、こすり過ぎるとか、42℃以上の熱いお湯や、刺激の強いタオルも、角質層のダメージに繋がります。

もう一つ、栄養面で言えば、ビタミンB群不足が乾燥肌の原因になりやすいです。

お肌にはターンオーバーと言い、およそ4週間から6週間で、完全に細胞が入れ替わるようになっています。

この働きを助けるためにビタミンB群が必要になりますが、量が不足するとターンオーバーの働きが落ち、お肌が弱まります。

そしてやはり、加齢も当然、保持できる油分や水分量が減るため、乾燥肌になりやすい一因です。

原因ごとに対策をする

様々な原因がありますが、いずれも直接的なものですので、原因を一つずつ解決していくことが一番大切です。

例えば紫外線では日焼け止めアイテムをしっかりと使うとか、室内の乾燥であれば加湿をきちんとする、お風呂では刺激の少ない石鹸やボディタオルで体を洗う、栄養が偏っているのであれば食生活を改善してビタミンをきちんと摂取する、といったように対策してください。

何が原因で乾燥しているのか、お肌の調子が悪いのかを見極めて、それに応じた対応で充分解決できます。

前述でも取り上げましたが、お風呂で肌をこすり過ぎるのは乾燥肌の意外な原因で、石鹸を直接体に当ててこするとお肌にダメージになります。

なので、泡をしっかりと作って、その泡を肌に乗せてボディタオルで伸ばしていく、というだけで充分皮脂汚れは取れます。

少し前ですが、タモリ式入浴法と言い、38度ぐらいのお湯で10分ほど湯船に浸かって上がったあと、石鹸すらつけずに本当に軽く、体をこするだけで8割ほどの汚れがとれるのです。

これは実際に、名前の通りタレントのタモリさんがやっている方法で、実は自分もずっとこの方法で体を洗っています。

体質的に若干ボディソープに弱く、何回かかゆみが出ることがありましたが、この方式を知って以来、ボディソープを使わずにこの通りにしています。

保湿も大切

そしてお風呂上りはもちろん、お手入れという面でも、保湿はとても大切です。

実は、お風呂上りに何もしないでいると、水分は結構な量が抜けて行きます。

ですので、何らかの保湿剤を使うようにするのがおすすめです。

冬場は湿度が特に低いですので、どちらかと言うと保湿力が非常に高いクリーム状のものが便利です。逆に夏場は寝苦しさに繋がるため、さっぱりしたローションタイプで充分です。

また、乾燥と同時にかゆみが出た場合は、炎症が起きているのできちんとしたお薬を使うのが確実です。

保湿剤を全体的に塗った後、ステロイドのかゆみ止めをかゆい部分にだけ塗る、という形で、かゆみ止めは商品名で言うとフルコートFなどが便利です。

乾燥はお肌に大敵ですので、普段から意識して、対策していくようにしましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属