質問よりっ!エアコンでcovid-19は感染するの?#417

Voicy更新しましたっ!

今回は頂いたコメントから、これからの季節に欠かせないエアコンとcovid-19のお話

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エアコンでウイルスが拡散?

先日、コメントにて「暑さとウイルスの拡散の対策は?」と言ったものを頂きました。

毎年必ずやって来て、とても大変な「」という季節ですが、そこで大活躍するのがエアコンです。

今回は現時点で分かっている、エアコンとcovid-19の関連について、少しご紹介していきます。

 

WHO発表ではエアコンによる感染拡大のリスクは薄い

まず最初に、WHOの発表では、エアコンをかけることで感染が広がるのは考えられない、としています。

ただし一方で、中国で報道されたある一説では、エアコンを使ったことで近くの人にうつった可能性がある、というものがあります。

この報道はある飲食店のお話で、エアコンから一直線上に3つのテーブルがあり、真ん中のテーブルで座って食事していた人が感染していて、後にその両隣の人の感染が確認された、ということです。

そして、その両隣の人から離れた所で食べていたお客さんには、感染は見られなかったのです。

これは1月のお話で、真冬でお店を締め切った状態なため密室状態でもあり、また強い気流でエアコン暖房をかけていたという事が分かっています。

本当にその飲食店で感染したのか、疑問に残る点も多いことではありますが、強すぎる風圧、気流には、もしかしたら注意が必要かもしれません。

 

密閉を避けなければならない状態で、エアコンを使う

前述の例にもあったように、密室状態と言うのはやはり一つのリスクとしてとらえられます。

これは当然、これからも意識して注意し続けなければならない要素となりますが、そこで夏のエアコンの使い方を考えてみると、エアコンは部屋を閉め切って使うのが吉とされています。

部屋を閉め切らないと、冷気や暖気が逃げてしまって、電気代がかさんで機器の寿命も消耗します。

また、エアコンは室外機で空気をやり取りしているわけではなく、室内の空気を循環させるものですので、換気はできません。

夏場であっても一定の換気は必要になりますが、具体的にどうすれば良いのかというと、換気システムと、換気の時間に注意してください。

 

24時間換気システムを使う・無い場合は空気の通り道を作る

最近建てられた住宅やオフィスでは、必ず「24時間換気システム」というものがついています。

これは窓を閉めていても、2時間ごとに部屋の空気が必ず入れ替わるシステムで、これを稼働させていれば、閉め切っていてもエアコンをかけても大丈夫です。ただし当然、エアコンの効率はその分下がります。

もしこのシステムが無い場合では、窓を少しだけあけて、空気の通り道を作るだけでも充分効果があります。

部屋の対角線上の、通りところの窓や、ドアを開けて空気が通るところを作ると、自然と空気が流れて換気されていきます。

近いところの窓だと、その一部分しか空気が通らず、全体的には入れ替わらないので、効果は薄いです。

出来るだけ対角線上に、部屋の端から端まで空気がいきわたりそうな、遠いところの窓やドアを開けるようにしてください。

換気システムを使わずに、自分で窓を開ける場合の時間の目安ですが、1時間に5分程度で大丈夫ですが、2時間置きに10分開ける、と言うのは効果が大きく薄まりますので避けてください。

空気が滞留するので、1時間に5分程度で、こまめに開けると効果的です。

 

ワンルームなど、自力で換気するのが難しい場合

場合によっては、ワンルームのような、部屋の作り的に窓やドアを開けても良い換気にならないとか、マンション1階部分のような、防犯上少し不安がある部屋もあると思います。

その場合は一か所窓を少し開けて、反対側はお風呂場やキッチンの換気扇を回して換気をする、というのも効果があります。

特にキッチンの換気扇はお風呂場よりも強力で、リビングに近いので、とても便利です。

 

強い風量ではエアコンをかけない・空気清浄機は過信しない

その他、気を付けることとしては、前述の例にもあったように、強い風量でかけない、のが安全と言えます。

具体的に確認されていることではありませんが、目に見えない大きさの飛沫からでも感染するリスクがあることは確かなので、それが遠くに飛ばないようにするためにも、強い気流を発生させないようにするのは、一つの対策になると思います。

最後に、換気とウイルス対策で登場してくる、空気清浄機ですが、あれは個人的にはおすすめしません。

本当にウイルスを無くす作用があるかどうかは確認されておらず、認可も出ていません。当然、covid-19が不活化できたかの確認もされていません。

また万が一、確認されたとしても、それは非常に限定された条件で、様々な生活様式がある大半の一般家庭でウイルスが無くなるかは、分かっていません。

空気清浄機ではなく、次亜塩素酸水を噴霧して空気を洗う、というような製品も同じです。

個人的には、そういった製品を使うよりも、1時間に1回5分ほど、窓を開けて換気をした方が効率が良く、確実にきれいな空気になると思います。

 

ちなみに、エアコンについてですが、本格的に使う前に一度、冷房最低温度にして10分ほど回して、試運転してみてください。それをしてみると、きちんと空気が出るかどうかとか、冷えた風が出るかが分かります。

もし何かあれば異常を示すランプがついたり、おかしいことに気付くので、本格的に夏が来る前に対処できます。今の時期は一番混んでない、空いているタイミングで、万が一買い替えるという時も素早く工事が出来るので非常に便利です。

エアコンを使う予定であれば、出来るだけ早めに試運転して、動くか確かめると良いと思います。

エアコンの掃除ですが、アルコール消毒は絶対にしないでください。

エアコン内部にアルコールをかけると、内部で揮発せずにとどまってしまい、スイッチを入れて回すと発火する恐れがあります。

もししばらく掃除していなくて不安という時や、一気にきれいにしたいときは業者さんに頼むのが確実です。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属