Voicy更新しましたっ!
今回は前回にも少し関連する、子どもさんに特に気をつけたい、冬の病のお話
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RSウイルスに注意
前回、水ぼうそうについてのお話で、水ぼうそうも冬に多く流行するので、お子さんに是非予防接種を、ということでしたが、今回はその他の3つの、冬に流行するウイルスについて触れていきたいと思います。
二つはインフルエンザとノロウイルスで、こちらは283回と284回にて、ノロウイルスは266回でお話していますが、もう一つ「RSウイルス」に注意してください。
今回は今まで触れていない、このRSウイルスを中心にお伝えしていきます。
鼻から始まる風邪
インフルエンザは高熱や節々の痛み、ノロウイルスは激しい下痢、嘔吐が主な症状としたら、RSウイルスはいわゆる鼻風邪のような症状が特徴です。
華みづ、鼻づまりの症状から咳、熱が出るというもので、前者二つと比べると一般的な風邪と言えます。
実際、1才のお子さんの半数がかかり、2才になるまでには全員のお子さんがかかります。ですので大人の方でも一生のうちに1回以上はかかります。
当然成人してからもかかる可能性はあります。
さらに成人になるにつれて免疫力も高まるため、年齢が高いほど軽症で済むというのも特徴です。ただし、免疫力が低い時や、高齢者の場合だと、咳から気管支炎、肺炎になって重大な事態になることもあります。
こう言われると、ごく普通の風邪と同じように思われますが、厄介なのが感染力が非常に強いのと、乳児にかかる可能性がある、という点です。
乳児でも発症する危険があり、感染力が非常に強力
RSウイルスは、例えば手指や体からの接触感染では、咳やくしゃみを抑えた手でドアノブを触ると、そのドアノブには30分以上感染力を保ったまま、ウイルスが付着します。
そして、そんな強力な感染力を持つ上に、RSウイルスは乳児でもかかり、発症する可能性ががあります。
およそ生後6か月未満のお子さんにかかることがあり、小さいお子さんがいるご家庭では強い脅威となる病なのです。
感染すると最大で40%の確率で、気管支炎や肺炎の兆候が表れ、ひどいと生後数か月の段階で入院が必要になる可能性もあります。
さらに、RSウイルスの検査は保険適用外なうえ、そもそも10代から成人の方にとってはちょっとした鼻風邪程度なため、検査を行っている病院はあまりありません。
ただ一部の小児科さんでは、念のために早めに対処できるように、検査をしているところはあります。
乳児にかかりやすい理由
乳児でも生後1、2か月ほどにかかる風邪は、あまり熱が出ず、症状が分からないことが多いです。
これは大体生後3か月まではお母さんの胎内にいたときの免疫が残っているためで、それが徐々に切れて行き、それから自分の体で免疫を作り始めるまでにまた3か月ほど必要になります。
つまり、生後3か月から6か月の間が一番免疫力が低く、風邪にかかりやすいということです。
生後6か月未満のお子さんに、というのはこうしたことがあるのです。
このRSウイルスにおいては、生後1か月2か月の時でも熱が出ることがあり、症状が強く出る可能性があるので、万が一その時期に熱が出て風邪を引いたと思われるときは、RSウイルスを疑う目安になりますので、すぐ小児科さんに行ってください。
RSウイルスにはワクチンが無い
前述したのと似ていますが、RSウイルスによる風邪は普通の鼻風邪と似ていて、感染力こそ強いですが、普通の免疫力の大人であればすぐ治るため、インフルエンザのようなワクチン、予防接種が存在しません。
もっと言うと、RSウイルスに最適な治療法もありません。
普通の鼻水止めや咳止めを使って症状を止めて、体力と免疫力を回復して、自然と治していくという方法しかありません。
その上で感染力が強く、いろいろなところにいるため、根本的な予防もほぼ不可能です。
例えば感染していて症状が出ていない人は、およそ3週間ほどはウイルスを出しており、くしゃみや鼻水にRSウイルスが含まれることになります。
これを考えたら、お子さんが通う幼稚園や保育園でもらって、風邪を引いてしまうということは全く珍しくないということです。
鼻風邪を引いている時はできるだけ乳児に近づかない・消毒を徹底する
もはや気をつけようがないとも言えますが、それでも6か月未満の乳児がいるご家庭の場合は、鼻風邪を引いたときはうつらないようにできるだけ近づかないとか、何かお世話をするときは必ず手指を消毒する、マスクをつけると言ったことをしてみてください。
例えば、1歳や2歳離れた兄弟がいたとしたら、むやみに乳児に触らせないで、手洗いうがいを徹底させてからお世話をさせる、というような対策も有効です。
小さいお子さんがいると何かと大変ですが、出来るだけ注意して、接していきましょう。