covid-19の感染について分かってきたこと#405

Voicy更新しましたっ!

今回は4月頭時点でのcovid-19のまとめ

健康情報を声で聞ける!

医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

 

感染力が強いcovid-19

今回は、covid-19の、4月頭の現在分かっていることについてまとめて行きます。

まず一番最初に、今まで分かっていることで、これまでも何度もお話しているのが、「飛沫感染」と「接触感染」の二つが感染経路になっている、という点です。

エチケットのためにマスクをするように、そして普段からこまめに手指を消毒しておいて、予防をして行きましょう、と伝えて参りましたが、からも、感染することが分かってきました。

 

今まで気にされなかった飛沫から感染する可能性が

今までは飛沫と言われていなかったタイプの飛沫から、感染する可能性があります。

例えば、近い距離での会話、食事はリスクが高いのでお互いにマスクをしたり、距離をとったりと言った対策を、と言われています。

これは咳やくしゃみをしていなくても、通常の範囲で飛散する唾から感染することがわかっているためです。

普通の会話で飛ぶ唾は、最大で1メートルぐらいですので、出来るだけ密接せず、顔や体に付着しないように1メートル以上は離れるように、とされているのです。

ただ、大声を出したり、激しく歌ったりすると勢いがついてより大きく、遠くまで飛沫が飛びます。

さらに加えて、通常よりも呼吸の回数が多く、息が激しくなるスポーツクラブやダンススタジオも、運動して吸い込む空気の量が増える分、吐き出る空気も増え、唾が飛散しやすい環境になります。

こうした感染が、無症状の人からも発生する可能性があるのが、covid-19の大きな特徴なのです。

普段は、飛沫としてそれほど意識しなかった小さいものでも、感染するリスクがあるので、普段から出来るだけ意識して、気を付けていければと思います。

 

急激に感染拡大している原因

あまり触れておりませんでしたが、海外の状況としては、先月ごろからイタリアやアメリカと言った国々、そして最近では東京でも、急激に感染が拡大していると思います。

あえて緩やかに感染を広めて、集団免疫を獲得すると発表したイギリスのように、各国政府で方針、姿勢は異なりますが、現状ではほぼすべての主要国で感染拡大、感染爆発が起きています。

なぜそうなったかと言うと、ニュースなどでもしばしば出てくる「PCR検査」があります。

日本も含めて、PCR検査を積極的に、たくさんの人に行うかどうかが、一番最初の対策となっていました。

もし最初にたくさんの人に行うとした場合、確かにかなりの割合で感染者を見つけることが出来ますが、検査精度は100%ではないため、無症状感染であれば検出されず、陰性となる人も相当数が出てきます。

すると、検査が陰性だったことによって意識が少し薄まり、普通の生活を送る方が増えることになり、検出されなかった無症状感染者による感染拡大が生まれるのです。

そこでさらに、検査量も同時に増えていきます。

PCR検査にはキャパシティがあり、医療機関に収容できる人数にも限りがある上に、以前お伝えした「3密」の状態になってしまい結果的に、集団感染のリスクが飛躍的に高まる、ということです。

言うまでもなく、日本でも検査数や、医療機関、医療資源に限りがありますので、同様の事が起こる可能性は十二分に考えられます。

こういった状況で、出来るだけ集まらないように、安静にしているために「自粛を」と呼びかけられていますが、実際どういう効果があるのかは、どうしても見えてこないと思います。

 

自粛の効果とは

先日五輪が1年延期となり、プロ野球やサッカー、各種イベントが無観客で開催されたり、中止されるなど、「自粛」という言葉が飛び交っていますが、自粛をする効果は、実は日本でも海外でもはっきりと出ています。

まず感染には4つの要素があり、ウイルスにかかった感染者、そしてその接触者、その接触者と接触した人が感染連鎖、さらにその連鎖が大規模になったのがクラスターでいわゆる大規模感染、この4つです。

これをいかに把握して、コントロールできるかが、大規模な地域流行を起こさない重要なポイントとなります。

例えば感染者の行動履歴を確認するとか、接触者は14日間逐一健康を確認する、そしてどんな風に連鎖しているかを詳しく聞いて、クラスターはどこにあるのかを把握する、という事です。

2月後半ごろの北海道の例が分かりやすい例で、雪まつりの後北海道内の各地で感染が確認され、一時期は感染者数が急増しました。

そこで、緊急事態宣言を発表して自粛を促しながら、どうにか感染者の足取りを把握して、今ではある程度落ち着いています。

日本で大幅な感染爆発が起きないのは、素早くお医者さんに診てもらえるということも大きいですが、こうしたクラスターの把握もきちんとできるのが強いと思います。

もし、特に行動を変えず、自粛をせずに数万人を収容するイベントを、全国各地で例年通りに行ったとしたら、接触者と接触者の連鎖を把握するのはほぼ不可能になり、数万人規模のクラスターとなって起こる可能性も充分あります。

これを防ぐべく、政府や各自治体から、自粛をと呼びかけられているのです。

 

一人一人が当事者意識を持つこと

感染拡大を防ぐためには、何よりも全員が「当事者意識」を持つことが大切です。

たとえば、普段からこまめに手指を消毒する事を心掛けるとか、発熱や体調不良があればすぐ休んで自宅で様子を見る、そして3密を避ける、自分も含めて一人一人がこうしたことを、普段からしっかりと徹底していくことが、感染爆発を防ぐために、必要なのだと思います。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属