質問よりっ!季節の変わり目体調を崩さないためには?#364

Voicy更新しましたっ!

今回も頂いたコメントから、この時期に知っておきたい「季節の変わり目」に大切なこと

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寒暖差による「疲労」がある

よく「季節の変わり目は体調を崩しがち」と言われると思います。

特に夏から秋、秋から冬になって、寒さが日に日に増していく中、インフルエンザも徐々に存在感が出てきています。

実は寒暖差によって疲労がたまるということは実際にあり、「寒暖差疲労」と呼ばれています。

 

寒暖差によって自律神経のバランスが崩れるのが原因

自律神経は様々なことで影響を受けますが、この寒暖差疲労も、やはり自律神経の乱れによって起きます。

Voicyでも度々触れているように、活動するときに活発になる交感神経と寝る時などリラックスするときに活発になる副交感神経があり、体温や汗の調節も自律神経がしています。

気温の寒暖差が大きくなると、自然とその働きの回数が増えるとか、必要なことが大きくなり、結果的に自律神経の疲れとなって動きが悪くなってしまい、体の不調につながる、ということです。

また例えば、この働きによって疲れがどっと溜まってストレスになり、うつのような状態になって余計治りにくくなる、ということもあり得ます。

ちなみに、単に気温の差ではなく台風や秋雨前線のような、低気圧の天気が身近に居座ることでも起きることがあります。

これは「気象病」といい、詳しくは以前309回の放送でお話しておりますので、併せて聞いてみてください。

 

寒暖差疲労をとるために

この寒暖差による疲労をとるためには、やはり体を暖めることが必要です。

より確実なのは、激しい寒暖差にさらされないようにすることです。

例えば夜寝る時、お風呂上りなどですぐ寝るのであれば、寝始めは割と暖かいので毛布1枚で充分、と思われそうですが、熱が逃げて朝は一気に冷えてしまい、体に充分悪影響です。

なので寝始めから熱が逃げないようにしっかり布団をかけるとか、足元だけでも朝まで冷えないようにしておく、と言ったことがおすすめです。

一番良いのは、朝まで部屋の温度をある程度、一定にしておくことです。これだと寒暖差が無くなるため、非常に安全です。

お風呂にしっかり浸かるのも一つで、38度〜40度ほどのぬるめのお湯に、時間をかけて浸かると、芯から温まるのでおすすめです。

お風呂は副交感神経が充分刺激されて非常にリラックスでき、良いリセット法になるので、時間があれば長めにお風呂に入ってみてください。

運動ももちろん有効ですが、自律神経を整えるための運動は軽めの有酸素運動で充分です。ハードな負担のかかる運動だと、逆に交感神経を刺激する原因となるので、軽く汗をかく程度がベストです。

そして食べ物についてですが、冷たいものを食べると内臓が一気に冷えるので、食べ過ぎは厳禁です。

どうしても冷たいものを食べたいときは、一緒に温かい飲みものを飲むなど、内臓が冷えたままにならないような工夫をして、食べるようにしましょう。

 

睡眠の質も非常に重要

そして、こちらも自律神経に関連して、度々お伝えしておりますが、睡眠は非常に重要な意味を持つため、質を高めることをしてください。

例えば有名ですが、スマホやパソコン、テレビから出るブルーライトは、覚醒を促してしまって深い睡眠に入るのが難しくなります。

出来れば寝る1時間か2時間前から、それらの画面を見ないで、刺激を受けないようにしてください。

またこちらも以前お伝えしたように、寝る前にお酒を飲む「寝酒」は、アルコールの分解のために肝臓が働くため、自然と眠りが浅くなってしまい、結局睡眠の質は悪くなります。

 

グリシン・酸棗仁湯・抑肝散加陳皮半夏が便利

もし眠れない場合、サプリメントでは「グリシン」漢方では「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」というものがおすすめです。

以前睡眠の回で触れましたが、グリシンは食品添加物の一つで、アマゾンで粉末のものが販売されています。これをスプーン1杯か2杯分とると、充分効果は得られます。

食品添加物ですが、特に毒性や中毒性があるものではなく、安全なものですので、大丈夫です。

漢方では「酸棗仁湯」を使います。

もしストレスが強くて眠れないとか、不安なことがあって眠れないことが多い、という時は抑肝散加陳皮半夏がおすすめです。

いわゆる、単に寝付きが悪いというような時はグリシンや酸棗仁湯で、明確なストレス、不安なことがあって眠るのが難しい時は抑肝散加陳皮半夏、という風に使い分けるのがベストです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属