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防災の日に関連して、災害とお薬のお話。
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9月9日は防災の日
昨日で、北海道で震度7があった日から1年になり、明後日9日は「防災の日」です。
今回はこの災害に関連して、定期的に行っている、災害とお薬のお話をしていきます。
日本全国、いつどこで大きな災害が起きるか分かりませんので、是非、意識していきましょう。
1週間分のお薬は持ち歩くのがベスト
まず、非常に重要な、慢性疾患のお薬を服用中の方ですが、1週間分ほどのお薬は持ち歩くようにしてください。
慢性疾患とは高血圧のような、定期的にお薬を飲む必要がある病のことで、もし災害で一命をとりとめたとしても、その次に持病のお薬が飲めないとなると非常に苦しくなり、命の危険があります。
出来れば1週間分は、常に持っているのが理想です。
家の救急箱や持ち出し袋に常備しておくのはもちろん有効ですが、外出中に何かが起こって帰宅できないとか、家が全壊してしまい取りに行けない、という事が起こり得ますので、できるだけ常に手元に置いておくのがベストです。
また、災害時も病院は稼働していますが、最優先されるのは、その災害での怪我人や重態な患者さんの治療ですので、慢性疾患の患者さんへお薬を渡すのはどうしても後回しにされてしまいます。
災害が落ち着いて、お薬の支援も行き届き始めるまで、1週間前後は手持ちのお薬でしのげるようにするのが、一番安全です。
おくすり手帳も持ち歩く・自分の薬をしっかり把握する
また、度々お伝えしていますが、おくすり手帳も持ち歩くのがおすすめです。
避難所などで、現在持っているお薬を見せるのも良いですが、おくすり手帳があると、その方に必要なお薬がより正確に見せられるので、非常に便利です。
とはいえ、外出時は手ぶらに近い状態で行きたいとか、手荷物を増やしたくない、という事もあると思います。
その場合は、どういう薬を飲んでいるかきちんと把握するというだけでも、大切です。
例えば自分が飲んでる薬は命にかかわるのか、3日ぐらい飲めなくなると危険なのかとか、そう言ったことを、充分に覚えておきましょう。
災害時には、長くても1週間以内にはおそらくお医者さんや薬剤師に診てもらえるので、大抵のお薬はいきわたると思います。この時間をしのぐために、1週間分は手元にあるのが理想です。
もし、万が一の場合、災害時に薬が無くて困って急を要する場合は、避難所の方に相談するのももちろんですが「災害拠点連絡病院」というところに行ってみてください。
これらは、災害時でもすぐに稼働する病院という意味ですので、被災の程度にもよりますが、何らかの処置ができると思います。
薬剤師は、薬の提案ができる
被災時はどうしても、避難所に薬が限定的にしか届かないことがあります。
主要なものや便利なものなど一部の薬のみが届きますが、この時に、その患者さんに適したものを選べるのは、お薬の情報を熟知した薬剤師ならではの利点、と言えます。
お医者さんは自分が使っている物、自分の病院でよく使う物は詳しいですが、使用頻度が低いものはどうしても苦手で、良い提案ができないことがあります。
そこで薬剤師が患者さんと話して、今の症状と飲んでる薬の名前、様子を聞いて、似たような成分のものが出せるか、を判断できます。
医療チームとしてお医者さん、看護師さん、薬剤師となるのは、こうして役割分担ができるためです。
避難所での過ごし方
お薬、健康状態の事が一先ず落ち着いたら、被災の程度にもよりますがしばらくの間避難所生活になります。
避難所で注意することは、まず夏場はやはり熱中症に気を付けてください。
避難所として指定されやすい、学校の体育館ですが、冷房をつけても全体にいきわたるのが難しく、また人も密集するため温度、湿度がかなり高くなりやすい場所です。
さらに、家と違って水を一口飲むのも大変な状況ですので、水分補給も難しくなるという点があります。
体温を上げ過ぎないように、そして難しくてもできるだけこまめに水分を取ってください。
また、避難所近くに車を停めて、車内でゆっくり過ごすという方も多いですが、車内でエアコンをかけていても、熱中症のリスクはあるので、充分注意が必要です。
そして車の中と言えば、エコノミークラス症候群のリスクがあります。
なので、車にいる場合は何時間かに一回は外を歩いて屈伸運動をしたりして、防いでください。
次回、防災の日が終わった後の回で、冬場の災害、避難生活についてお話していきたいと思います。