漢方薬ってちゃんと効くの?!#331

Voicy更新しましたっ!

今回はVoicyでも度々出てくる「漢方薬」のお話。

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漢方薬とは

前回、夏バテに効く代表的な漢方を3つご紹介しました。

またこれまでも、度々「漢方」について触れていると思います。

漢方薬とは、中国、日本で遥か昔から使われてきた、れっきとした医療に使う医薬品です。

いわば伝統医療ですが、これは言い伝えとかおまじない等ではなく、しっかりとしたエビデンスがあります。

ですが「そもそもちゃんと効くのかどうか」という心配はあると思います。

今回はこの漢方薬について、いくつかご紹介していきます。

 

西洋薬と漢方薬

漢方薬に対して、現在ほとんどの方が使っている、広く用いられている薬は「西洋薬」と言います。

西洋薬とは、一つの症状に対してピンポイントに効果があるものです。

例えば咳に対しては咳止め、鼻水なら鼻水止め、熱なら解熱剤という風に、一つの症状を治すために出来ていることがほとんどです。

一方の漢方薬は、一つの薬で全体の症状に効果がある、というものが非常に多いです。

例えば風邪でも節々が痛いとか肩こりがあるとか、風邪特有の変な寒気のような、で軽減されます。

鼻づまりとともに水みたいな鼻水が出るアレルギー性鼻炎のようなときは、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)でスッキリするとかもあります。

ちなみに、漢方薬でよく言われるのが「1か月とか2か月ぐらいかけて飲まないと効かない」というようなことですが、漢方には急性期の薬もいくつかあります

例えば、普通の風邪に効いて、早めにすっきりと治る風邪薬も、漢方薬の中にはあります。

ただ、やはり体質改善のものは、生活習慣も含めて変えていく必要があるため、効くまでの時間は長くなります。

 

漢方は使い方が難しい薬

しかし一方で、漢方薬は使い方が難しい薬でもあります。

漢方薬は自然由来で、安全というイメージが強いですが、正直に言うと薬剤師的にはその逆で、漢方薬の効果と自分の現在の症状が合わないと、効かないどころか逆にひどくなることもあります。

例えば風邪でも、熱が出て汗をたくさんかきながら寝込んでいるような状態で、前述の葛根湯を飲んでしまうと、ますます悪化していきます。

なぜかというと、ただでさえ落ちている体力を、葛根湯の効果で余計に消費してしまうためです。

漢方薬では使い方を間違えると、このような事が起こり得ます。

 

漢方薬には副作用も

さらに、漢方薬には副作用もあります。

どういうことかと言うと、例えばエフェドリン」という成分が入っています。

エフェドリンは風邪の時に気管支を広げる効果があるため、呼吸が楽にしてくれますが、これが持つ副作用として動悸が強くなるというものがあります。

また、甘草の副作用として、むくみが出るということもあり、さらには漢方の持つ成分がそのまま体に合わない、アレルギーのようにじんましんとかかゆみとして出ることもあります。

こうしたことから、漢方薬と言えど、意外と普通の西洋薬とあまり変わらないという部分もあります。

漢方薬はこのような事がある上、種類や組み合わせが非常に豊富なため、使う場合は詳しい人に相談することが一番おすすめです。

 

漢方薬を専門的に扱う病院・薬局へ相談

漢方を専門的に扱っている薬局はもちろんですが、たまに内科とかに漢方が好きなお医者さんがいて、かなり詳しい知識を持っている方もいます。

そう言ったところで相談してみると、ぴったりな漢方を選んでくれますので、おすすめです。

ただし、特に薬局で買うとよく分かりますが、漢方薬は保険が効かなくてコストが非常に高いということがよくあり、1か月分の量で1万とか2万円になることは珍しくありませんので、注意が必要です。

自分で漢方薬を選ぶ方法としては、漢方自己診断チャート」というものを公開しています。

自分がどういう症状なのかを見ながら、選んでいくと、その症状に合った最適な漢方が出るというもので、とっても便利です。

少しだけ、漢方の症状の見方が難しいですが、かなり詳しく書いていて、ホームページ上ですぐ出来るので、興味があれば是非見てみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属