サプリメントやトクホって何が違うの?#320

Voicy更新しましたっ!

今回はサプリメントとか特定保健用食品、いわゆるトクホなどについてのお話。

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「サプリメント」「トクホ」って何?

今回はサプリメントとかトクホについてのお話ですが、まずこれらは「食品」という分類になります。

さらにその中で、「保健機能食品」と、その他普通のご飯類が該当する「一般食品」に分けられます。今回はこの保健機能食品のあれこれについて、触れていきたいと思います。

 

保健機能食品は3種類

保健機能食品は、さらに3種類に分類され、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品になります。

このうちトクホは特定保健用食品の略称で、消費者庁が特定保健用食品と定めたものにマークを付けて、販売をして行きます。

ちなみに、口の中に入れるものとして、医薬品、医薬部外品もあります。

医薬品は病の治療が一番の目的で、薬の成分と容量も含めて厚労省の認可を受けたものです。

医薬部外品も厚労省が定めますが、これは病の予防、衛生管理のためのものが主で、例えば栄養ドリンクやノロウイルス対策の特殊な消毒液などは医薬部外品となります。

その製品がうたう効果を、しっかりと得られる成分が、一定量入っていることを示しているのが、医薬部外品です。

 

一般食品と保健機能食品の違い

保健機能食品に戻りますが、一般食品と保健機能食品の違いはいくつかあります。

例えば酵素ドリンクとかGABAが含まれたチョコレートなどは一般食品になります。これらは効能や効果についてはっきりと記載してしまうと、景品表示法に触れ、違法となる可能性があります

サプリについては後述しますが、あくまでもその製品にその成分が含まれているだけで、ビタミンサプリであればビタミンが、GABAチョコレートであればGABAが含まれる、という風になります。

ニュースなどでも頻繁にあると思いますが、いわゆる「健康食品広告の誇大表示」と言うようなことです。

分かりやすくアウトなのが「これを食べるとがんが治る」のような一文です。

ここまではっきりと書くことは減りましたが、かなり匂わせるような、ギリギリを狙うような文章は現在でも見かけることはあります。

特にインターネット上では、指導、取り締まりがまだまだ不十分な印象は強いです。

 

保健用食品は、得られる効果や効能を宣伝してもOK

続いて前述の特定保健用食品ですが、トクホは保健用食品ですので、効果や効能をしっかりと宣伝することができます。

例えばお茶の「からだすこやか茶W」は、テレビCMやチラシなどでも、「血糖値の上昇を抑える」と言い切っていると思います。

なぜこれが出来るかというと、お薬のように臨床試験をして、効果があることを正式に確かめているからです。結果として、こうした大きな宣伝をしても大丈夫、というお墨付きになるのです。

国がしっかりと確かめているため、事業者がその製品の情報を公開する必要もありません。

最後の機能性表示食品ですが、CMでやっている目のピント調節をサポートする「イチョウ葉」と言った商品が販売されています。

これらは正式に、消費者庁へ「届け出」をしているため、販売が認められているものです。

機能性表示食品は前述のトクホのように臨床試験をすることもできますが、企業によってはそこまでコストをかけられない、ということがあります。

トクホの基準は中小企業にとってはかなりハードルが高く、厳しいものなため、ある程度幅を広げようと考慮して作られたのが、機能性表示食品です。

研究をしたレポートを消費者庁に提出して、それをもとに認可するか決めて行くという流れです。この場合はトクホとは違い、事業者は情報公開をする必要があります。

最後の栄養機能食品は、かなり昔からあるもので、これがいわゆる「サプリメント」になるものです。

ビタミンであればビタミンが、ミネラルであればミネラルが得られて、それに基づいた効能がありますが、あくまでも栄養を補給するものです。

あまり大きな効果は期待しない前提で、飲むのがベストです。普段の食生活で足りていないと思ったら飲む、という使い方で問題ありません。

 

トクホ・機能性表示食品も、気になったら飲むのが一番

トクホや機能性表示食品でも、ほぼ同じです。

例えば特に病院に行っておらず、薬も何も飲んでいないが、何となく脂肪が気になってきた、血糖値が高いかも、という時に使うという程度で大丈夫です。

トクホは効果があるのは確かですが、医薬品ほどの効果はありません。

しかもその上、トータルコストとしては、医薬品を使うのよりもトクホの食品を頻繁にとる方が高くなると思います。

じゃあどういう時に使うのが良いのかというと、薬をもらうほどではないけど確実に気になる、というようなときがベストです。

例えば、血圧130ぐらいでちょうどボーダー上か、近辺あたりの数値が出たなどです。

またHbA1cという血液検査で出る糖尿病の数値で、6.2を超えてしまうと糖尿病ですが、6とか6.1ぐらいの、限りなく糖尿病に近いぐらいの時、食生活を見直すのと同時にトクホのお茶を飲む、というような使い方はとても良いと思います。

他にも、目の調子が悪いと感じてきたとか、気になってきたタイミングで機能性表示食品を使うのはおすすめです。

ただ、いずれにしても、大体1か月ぐらい試してみて効果が体感できなかったら、飲むのをやめましょう。

続けても意味がない場合はどうしてもあります。他の原因があるとか、合う合わないの問題はやはりありますが、1か月を目安に飲んでみて、確かめてください。

最後に、すでに何らかのお薬を飲んでいるときに、これらのような食品を取るのは、基本的にはほとんど問題はありません

ただし、糖尿病の薬を飲んでいる方、特にボクリボースとか、ミグリトールという糖の吸収を遅くするお薬を飲んでいるときに、同じような効果がある「難消化デキストリン」や、グァバ葉ポリフェノールが含まれるトクホのお茶を飲むと、血糖値が一気に下がりすぎてしまうことがあります。

糖尿病の薬を飲んで治療している時に、トクホの飲料などを飲む場合は、薬剤師に、この薬を飲んでいるけどトクホのお茶、コーラを飲んでも大丈夫かを必ず確認してください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属