おならについて詳しく話してみた#301

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今回はおならについて。

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「おなら」という生理現象

この前知り合いと、「おならって何だろう」って言う話になりました。ここでも特に触れたことのない生理現象の一つだと思います。

今回はこの「おなら」にまつわるお話です。

 

おならの成分のうち9割は「空気」

おならと言えば腸にたまったガスで、排便の時などに肛門から出るもの、というイメージだと思いますが、実は成分のうち9割は、口や鼻から呼吸の時に入った空気で、残りの1割が腸の中で出たガスになります。

さらにそのうち99%が、においの無い成分で構成されています。

においとなる成分は硫化水素で、1%の硫化水素によってにおいを生み出しています。これはお肉や卵に含まれる成分を、悪玉菌が分解することで生まれています。

そもそも、腸内に悪玉菌と善玉菌が存在しますが、なぜ悪玉菌と言われているかと言うと、人間にとって都合の悪いものを作るから、悪玉菌と名付けられました。

便秘の方もおならのにおいが強いことが多いですが、これは便の成分が悪玉菌を余分に増やしてしまい、悪玉菌の働きが強くなっているためにおいも強まります。

 

おならがたくさん出てしまう病もある

よく便は体のバロメーターとか、病のサインが分かるなどと言われていますが、おならではそういったことはわかりませんおならで重い病気が分かるとか、こうしたおならが出ると何らかの危険がある、ということはありません。

ただし、おならがたくさん出るという「呑気症」という病や、過敏性腸症候群によっておならがたくさん出る、ということはあります。

呑気症とは吸った空気をそのまま体内に飲み込んでしまって、おならがたくさん出てしまうというもので、体のどこかが悪いとかは無く、食事の食べ方など、生活習慣ですぐ改善できます

過敏性腸症候群は、以前何度かお伝えしたもので、腸の動きが過敏になってしまい、下痢や便秘を繰り返すもので、この時におならがたくさん出ることはあります。

例えばおなかがいたくなるなども症状の一つで、市販されているストッパは特におすすめです。

 

おならが出ない方が危険

おならが出ることは、基本的には腸が動いている表れなので、健康な証になります。

手術の後にお医者さんから、おならが出たか聞かれることがあると思いますが、それはこのためです。

逆に言うとおならが出ないという事は、腸の動きが悪いことにつながり、例えば腸閉塞で腸が詰まっている可能性がある、とも考えられます。腸閉塞はしばらくそのままにすると、激しい腹痛、吐き気になるので、その場合はすぐに救急車を呼んでください。もし腸閉塞の腹痛であれば、想像以上に激しい痛みなので、おそらくすぐわかると思います。

また、大腸がんでも腸の働きが弱くなるため、日を追うごとに徐々におならが弱くなるということがあります。これはポリープによって腸をふさぎ、中が狭くなるということで、おならが出なくなるとか便が細くなる、として表れてきます。

もし、おならの回数が少ない場合は、それこそが何らかのサインとなるので一度大腸検査を受けてみるのもおすすめです。

 

食事に気を付けて、おならの回数を減らす

おならは9割が外から取り込む空気なので、少し意識するだけですぐに回数を減らせられます。

まず試してみてほしいのが、ご飯をゆっくり食べる、ことです。ゆっくりと噛んで飲み込むと入る空気の量が減るので、自然とおならも少なく済みます。

また飲み物は、可能であればコップについで飲んで、ペットボトルから直接飲む回数を減らしてみてください。これだけでもある程度は改善されるはずです。

あと重要になるのが、ストレスは腸に取って非常に大きな負担になりますので、ストレスをため込まないようにするのも対策になります。

においは、善玉菌を増やすような食生活にすると、ある程度改善します。おすすめなのがヨーグルトやチーズ、漬物や納豆と言った発酵食品類です。

さらに以前少しご紹介したプチ断食も、腸内環境のリセットになるので、おなら対策に便利です。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属