質問よりっ!風邪などの予防のポイントは何?#386

Voicy更新しましたっ!

今回は今まさに大変な話題になっている新型ウイルスや、風邪予防のお話

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風邪・ウイルスを「しっかりと」防ぐために

今回は、今世界中で話題になっている新型コロナウイルスにも関連して、「風邪予防」ということについて、今一度まとめて行きたいと思います。

まずはコロナウイルスからお話して行きます。

 

連日報道される「新型コロナウイルス」「新型肺炎」

今話題になっている、肺炎のウイルスとなる「新型コロナウイルス」があります。

10年以上前に、SARS(サーズ)という、同じような肺炎が流行ったことがあります。

今と同じく、中国から日本も含めた世界中で発症が見られた、強い肺炎のウイルスで、実はSARSもコロナウイルスの一つとなります。

今回流行っている新型コロナウイルスによる肺炎は、どれほど危険なのか、正直に言うと現段階では情報が少なく、一概に言えることはありません。

ただ、SARSの仲間で、以前と同じような流行になっている、ということは確かです。

一つ言うとしたら、必要以上に怖がり過ぎない、と言えます。

なぜかと言うと、新型コロナウイルスの感染力、強さはインフルエンザと同程度で、主な感染経路もインフルエンザと似ているためです。

これが万が一、麻疹レベルの強さであれば、空気感染することになり、すれ違うなど軽い接触でも感染の恐れが生まれるので、単純にインフルエンザの10倍ほどの感染力になります。

観光客が入ってきて、多くの保菌者が来たとしても、普段通りの風邪対策、インフルエンザ対策で充分予防できます。

必要以上に怖がらないことが大切とは言え、普段よりも一層入念な対策をするのはもちろんおすすめです。

なぜかと言うと、この新型コロナウイルスは、インフルエンザのタミフル、リレンザのように、特効薬が無いためです。

 

新しいウイルスには対抗手段がない

今回に限らず、新型のウイルスとは、人間の対抗手段がありません。

タミフルもリレンザも、研究を重ねて開発した結果ですので、急激に登場して流行ったウイルスには、効果的なお薬は無い、ということがほとんどです。

そしてもちろん、人間にとっても初めてのウイルスですので免疫がなく、今回で言うと肺炎を引き起こす、ということが充分考えられます。

まだ情報が足りていないこともあり、一概には言えませんが、ひとまずインフルエンザの予防を入念にする、と言ったことを行ってください。

 

徹底して、基本的な予防を

風邪、インフルエンザ予防ですが、まずはやはり基本的なことを「徹底して」行うことが第一です。

例えば手洗いですが、石鹸をつけて30秒以上入念に水で洗うのが有効ですが、消毒という意味では、消毒用アルコールをシュッとかけて、両手にすりこませると、これを5秒か10秒もやればほぼ完全に消毒出来ます。

もし少量のアルコールでも手荒れしてしまう場合は、有機酸が入っているアルコールや、保湿剤で代用できますので、おすすめです。

これは自分も、今時期のインフルエンザのピークのころに、1日40人とか50人ほどの患者さんに対応するときは、手荒れしないアルコールをこまめに使っています。

手洗いと並ぶ予防として、出かける時のマスクですが、これは以前、381回などでも度々お伝えしていますが、マスクは拡散させないために効果的なもので、体内にウイルスが入らないようにする効果は、実はあまりありません。

それよりも、ふとした時に鼻や口を直接触らずに済むという点で、体内に入らないようにできる、という意味はありますので、念のため何枚かは、家にあると便利かと思います。

そして、こちらも度々触れていますが、お茶をこまめに飲む、飲みうがいにしてください。

カテキンが含まれているお茶をこまめに飲むことで、カテキン補給にもなり、また喉についている粘膜をきれいに洗い流せるので、感染、発症のリスクを大きく抑えられます。

 

お子さんと触れ合うとき

これらの基本的な予防は、大体小学生から、大人の方であればできることですが、非常に難しいのがお子さんと触れる時です。

先日コメントに、「保育園に通っている1歳の双子が頻繁に風邪を引く為、その看病をしている私もよく風邪をもらってしまいます。毎日くしゃみや咳を至近距離で浴びてます。
マスクをつけてもすぐに子供たちに取られちゃいます。
手洗いうがい、栄養のある食事、7時間睡眠、サプリメントなどしてますが効果なしです。

と頂きました。風邪を引いているのであればその看病をする必要があり、ご飯を食べさせたり、お風呂に入れたりと言ったことは毎日必ずしなくてはなりません。

なので、ここからの感染を予防するのは、どうしても難しい、と言うのはあります。くしゃみや鼻水には、病気の菌がそのまま入っているため、それを直接扱う以上は、感染のリスクは大きく存在します。

一つだけ、マスクに慣れてもらうと、ある程度はそのリスクを減らせられる可能性があります。

1歳だと難しいかもしれませんが、キャラクターもののマスクがあり、アンパンマンだとかプリキュア、仮面ライダー、戦隊ものなど柄が入ったマスクがあり、これをつけてもらうと、気に入ってくれてしばらくの間付けてくれて、飛沫が飛ぶのを防げる可能性があります。

また逆にお母さんの側も、かわいい絵柄の入ったマスクをすると、お子さんがそれに見入って集中して、マスクを外そうとしなくなる、と言ったこともあるようです。さらには、少し怖い絵を書いて、触らせないようにするという例もあります。

あとはきちんと言って伝えるのも手です。「風邪ひいたら大変でご飯作れなくなるよ!」とかを言って、教えるのも一つですが、これもやはり1歳だと難しいかもしれません。

あとは飲みうがいやアルコール消毒で、こまめに消毒することと、部屋の加湿に尽きます。

ちょっとでも、何かくしゃみや鼻水に触れたと思ったら、すぐ洗うとか、お茶を飲んで飲みうがいを、とにかくこまめにしてください。

例えば食べ終わった後の食器をすぐ洗うとか、お風呂は自分の後で最後に入れる、と言ったことも予防につながります。

あと湿度が高めの部屋はウイルスが弱まりやすく、活動が難しくなるので、加湿器を使ったり、濡らして絞った布を干すなどで、湿度を維持してください。

どうにか、出来る範囲で、これらの事を組み合わせて、実施してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属