部屋の乾燥対策でインフルエンザ予防#276

Voicy更新しましたっ!

今回は、冬場の部屋乾燥対策について。

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部屋を加湿して、乾燥対策を

今回はお部屋の乾燥について、そしてその対策となる「加湿」についてお伝えしていきます。

実は薬剤師は環境衛生の勉強が必要で、いわば専門家なのです。

薬剤師であれば必ず環境衛生について学ぶので、お部屋の加湿や乾燥などはかなり詳しく勉強しています。

冬の時期に是非、参考にしていただければ幸いです。

 

空気が乾燥していると風邪になりやすい理由

冬など、空気が乾燥しているとインフルエンザや風邪が流行ると思います。

これはなぜかというと、そのウイルスの持つ水分が無くなり、飛びやすくなるためです。

通常、大半の生き物であれば水分が無くなると死んでしまい、活動をしません。しかし、風邪やインフルエンザのウイルスは水分を持っていますが、別に水分が無くなっても死ぬことはありません。

死なない上に強さは変わらないので、ただ活動範囲、行動範囲が広がっただけになるのです。

そしてもう一点が、乾燥するとのどの粘膜が荒れてしまう、というのも大きな理由になります。喉にウイルスがつきやすくなり、結果として発症しやすくなります。

 

加湿のし過ぎはカビ、結露の原因に

そういったことを防ぐために、加湿器などで部屋を加湿していきますが、あまり加湿しすぎると部屋に結露が生まれたり、カビが生えてきます

カビはカビで、体に悪影響を与える菌になるので、風邪とはまた違う注意が必要になります。

カビや結露を出さないベストな湿度は50%ほどで、60%を超えると結露しやすくなります。なので加湿器の設定ができれば50%ほどの数値に設定してください。

ただし、注意して欲しいのが、湿度は温度によって変わる、という点です。

平たく言うと、温度が上がると湿度は下がります。なのでストーブなどで温度が上がったら、加湿をしてください。

また、インフルエンザのウイルスの場合は、温度が22度で湿度が50%の環境が一番活動力が落ちる、とされています。

必要以上に温度を上げ過ぎないことも、風邪予防につながるので、意識してみてください。

 

加湿器の置き場所・使い方

もう一点、加湿器を使う場合で重要になるのが、加湿器を置く場所です。

一番効果があるのは、部屋のど真ん中で高い位置です。部屋の中心に置くことで、ミストが全体に広がるので、くまなく加湿できます。

部屋の中心で、高い位置に置くのが良いですが、かなり難しいと思います。なのでそこでサーキュレーターとか扇風機で、空気を混ぜることで、部屋の中の湿度を底上げしていくのがおすすめです。

また、使い方は「つけっぱなしにしておく」ことです。人がいるときだけつけるというのは、あまり意味がありませんので、出来るだけ24時間つけておいてください。

ただ温度が下がると湿度が上がるので、冬場の外出などで暖房を消す場合は、加湿器も消す方がカビや結露の防止になるので、おすすめです。

 

加湿機能付き空気清浄機の場合はそのままでOK

ただし、加湿機能がある空気清浄機は、普通の使い方で大丈夫です。

空気清浄機は空気をきれいにするために、空気を集める働きがあるので、部屋の隅において普通に使うだけで、自然と空気が循環していきます。

逆に部屋の真ん中に置いてしまうと、空気がただ上に行くだけで循環にならないため、効果が落ちていきます

単なるミスト発生器、加湿器であれば部屋の真ん中か扇風機などを使う、加湿機能付き空気清浄機であればそのまま加湿機能を使う、という風に使い分けてください。

 

濡れタオルを干して加湿する

最後に、加湿器などが無い場合ですが、濡れタオルを干しておく、という方法があると思います。これは確かに加湿効果がありますが、フェイスタオルとかぞうきんぐらいの大きさだとあまり意味がありません。

これ単純に部屋の大きさによってすぐ乾いてしまう、空気の量と比べると加湿にならないということなので、部屋の大きさに合わせて、タオルの大きさを変えてください。

普通のリビングであればバスタオルサイズであれば良いかと思います。

また、わざわざタオルを濡らして絞らずとも、カーテンにスプレーで水を吹きかけるのでも充分良いです。

さらには、お部屋を加湿するのではなく、部屋でマスクをつけて寝て、喉を保湿する、というのもおすすめです。

寝る時用の、鼻を出して呼吸できる専用のマスクがあります。慣れるまではかなり違和感がありますが、場合によってはこうしたものも検討してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属