Voicy更新しましたっ!
今回は、ノーベル賞を受賞された免疫療法について。
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「がん」という病
先日、がんの免疫療法に関して、日本の本庶さんがノーベル賞を受賞されました。
今回はこの「がん」という病について少しお話していきます。
がんとは
「異常な細胞」のことです。「がん細胞」とも言うと思います。
まず人間の細胞とは、常に新しいものが作られており、古いものは何らかの形で排出するなどで生まれ変わっています。この働きがいわゆる新陳代謝です。
通常であれば、新しい細胞は問題なく作られますが、ごくまれにそうではないことがあり、異常な細胞が生まれることがあります。この段階ではまだがん細胞の素、という感じです。
がん細胞の素なので、体の中のものを壊す働きがあります。そこで免疫が働き、がん細胞を壊して、すぐに回復させていきます。
言い換えると、がん細胞はどんな方であっても生まれるもので、生まれるたびに体の免疫によって、速やかに壊されているものです。
しかし、がん細胞の中に、免疫が反応しないものがあり、結果としてがん細胞がどんどん増えていく、ということがあります。
これが一般的な病気としての「がん」です。
ちなみに、たばこやお酒は代謝の中で正常に細胞を作れないことが増えることが分かっているため、がんのリスクが高い、と言われています。
がんが「転移」する
がん細胞が増え続けると痛みが出て、その部分は正常な働きが出来なくなります。
ただその段階であっても、上手く切除したり、摘出できれば、がん細胞は無くなるのでセーフ、ということはよくあります。
がんの最大の問題は、がんの転移」ということです。
起きた箇所は切除できるところでも、進行してしまって肝臓や腎臓、肺、さらにリンパ節へと転移してしまうと治療は困難を極めます。
ノーベル賞を取った「オプジーボ」というお薬
今回がんを取り上げる理由に挙げた、ノーベル賞生理学賞を受賞した本庶さんが携わった「オプジーボ」という薬についてです。
オプジーボとは免疫を利用したお薬ですが、正確には免疫チェックポイント阻害薬と言います。
免疫ががんに反応しないため、増えていくとご紹介しましたが、これは厳密には、がん細胞が「自分は味方だ」と信号を送っているため反応しません。
つまり、免疫はその細胞を認識はしていますが、攻撃はしないため、徐々に増えて行ていきます。オプジーボはこの信号をシャットアウトし、通常のがん細胞と認識、攻撃して壊していきます。
がん細胞を壊すのに使うのは、自身が持つ体の免疫だということです。これが「免疫療法」と言われているゆえんなのです。ですがこれまででも、免疫療法でがんを治す、ということは存在していました。
免疫を強化してがんをやっつける
これまでも免疫療法はありましたが、それは体の免疫を強化する、ことが主でした。
しかし、がん細胞が味方だと信号を送っている以上、どれだけ免疫を強化しても意味がなく、結局がん細胞そのものを外部から攻撃してやっつける、という治療しかありませんでした。
この研究、そしてオプジーボというお薬は本当に凄いことで、理論上はどんながんにも効果がある、と考えられています。
ただ、どうやって効かせていくのか、どういう人であれば効くか、効かないかということはまだまだ研究段階で、また副作用の問題も若干ですが残っています。
ですが現在は流通しており、場合によってはオプジーボを使って治療していくということもあります。その場合は充分注意が必要です。
今、オプジーボを使うのは充分注意して
今もオプジーボを使ってがんを治すことは可能です、保険が効くがんもあります。
効果があって保険が効くがんであればまだ大丈夫ですが、効果があるか分からず保険が効かないがんは、病院から自由診療でオプジーボを使うように提案される、ということがあります。
この場合だと、とんでもなく高額な治療になる上、平たく言えば効くかどうか確かめられていないのをイチかバチかで使ってみる、ことでもあります。
副作用の事もあるので、充分注意が必要です。
個人的にはやっぱり、今はまだ標準治療でやっていく方が良いと思います。
自分ががんになった、と思ったら凄くパニックになると思います。病院にも相談しづらいとかがあれば、薬局、薬剤師も医療の知識があるので、頼って見て頂ければと思います。