この時期必見!正しく早い怪我の治し方#226

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今回は、傷の早い治し方について。

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怪我をしてしまったら

一般的に言われる「怪我」ですが、皆さんはどういう処置をしていますか?

例えば指を切ったりしたら、患部を洗って消毒して、絆創膏。とかがあると思います。

するとかさぶたになって、かさぶたもいつのまにかとれて治ってる、というのが大まかな流れになりますが、ポイントはいくつかあります。

お子さんがいる方は特に、怪我に注意してください。

乾かすのはNG

まず最初が「乾かさない」という点です。

たまに乾かしてから絆創膏を貼る、という方がいますが、実は乾かすと治りが遅くなるという点があります。

傷口からは、血とは違う透明な液体が出てきます。これで出血を防ぎ、新しい皮膚を作っていきますが、乾かすということはこの液体を使えなくさせる、ということにつながります。

なので治りが遅くなるため、乾かさずにそのままにしてください。

ちなみに、のちにできるかさぶたをはがしてしまうとまた最初から、というのはその通りなので、触らずに安静にしておきましょう。

消毒して化膿を防ぐのは間違い

そして、傷と言えば「消毒」があると思いますが、実は消毒液を使ってしまうと、前述の透明な液体の持つ効果も一緒に殺菌してしまい、治りが遅くなるのです。

昔は化膿した傷によって命を落とす、ということもありました。

何はなくともまずは消毒を最初にして、それから処置、と言う流れが一般的でしたが、最近では消毒液を使っても早く治ることは無く、むしろ遅くなるということが分かってきました。

なので消毒液を使うのも、避けてください。後述しますが、洗うのは水道水が一番良いです。

圧迫止血で出血を止める

ではどうしたら良いかというと、止血においては「圧迫止血」をしてください。

圧迫止血とは、文字通り傷口を圧迫して、血を止めるというものです。

方法はガーゼかきれいな布を何枚も重ねて、上から思いっきり抑える、これだけです。これでしばらくしたら止まります。

注意してほしいのが、傷口の上の方を止血する、という方がたまにあります。指先だと指の付け根、手のひら、甲だと手首付近を思い切り締め付ける、ということがありますが、これは傷のところ以外も含めてぐっと血の流れを止めるので、おすすめできません。

大きな事故など、大きい出血の場合は必要な場合もありますが、よほど大きくない限り、まずは圧迫止血をしてください。強く抑えているだけで、自然と止まりますので便利です。

消毒液ではなく「水道水」で洗う

傷口を洗うのは必要ですが、その時使うのは「水道水」を使ってください。

実は水道水は、消毒液よりはしみない、という特徴があります。

もちろん、外での怪我で砂や泥などが傷口に入っていたら、それも手やガーゼでしっかりと洗い流してください。

消毒液はおすすめできませんが傷口を洗うことで化膿を防ぐことはその通りなので、必ず充分に洗ってください

一通り洗って、血が止まったら絆創膏を使いますが、市販のものだとキズパワーパッドのような種類のがおすすめです。

キズパワーパッドは先程の傷口から出てくる水分をとどめて、傷の部分に集中させる造りになっているため、単にガーゼがついただけのような絆創膏よりも若干早く治る、という特徴があります。

また、しばらく経つとその液体が染み出てくるので、そのタイミングが絆創膏の貼り換え時期、とわかるのもメリットです。

病院に行かなければならない場合の怪我

ただし、少し指先を切ってしまった、転んですりむいてしまった、というレベルの怪我でなければ、すぐに病院に行ってください。

例えば刃物が深く刺さってしまった場合、ザクっといってしまった場合などもすぐに行ってください。

大きなけがは、簡単には治らないというのはもちろんですが、化膿のリスクが非常に高いためです。

例えば傷の中の方に異物が残ってしまう、刃先に有害物質がついていてそれが奥深くに入ってしまう、と言うような時は、体にとって非常に毒になります。

例えば古い釘なんかは破傷風菌など、厄介な菌がついていることがあるので、さび付いた釘を踏み抜いた、というようなことがあれば、病院で適切な処置をしてもらってください。

自分ではどうしようもない怪我などは、迷わずに病院へ連絡してください。

大きなやけど、低温やけども病院へ

また、怪我と言えば「やけど」もあると思います。

軽いやけどは大丈夫ですが、水膨れには注意してください。

水膨れのあるやけどは、段階で言うと第2度になるので、少し赤くなる程度、ヒリヒリする程度のやけどよりも重度です。

もし大きな水膨れや、いくつも水膨れが出来てしまったようなやけどであれば、病院で処置してもらいましょう。

そしてもう一点、低温やけどには特に注意が必要です。

低温やけどとは電気カーペットや湯たんぽなどと言ったものに長時間当たることで、気づかないうちにやけどになる、というような状態です。

例えると、低温でずっと火にかけていて、中まで火が通ってしまったような感じなので、表面だけを水で洗って処置しても治らないということがあるのです。

なので低温やけどの症状が見られたらすぐに病院にいってください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属