PCR?抗体検査?どれくらい信用できる?#434

Voicy更新しましたっ!

今回はcovid-19で非常に重要なPCR検査、抗体検査の7月時点でのお話

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PCR検査・抗体検査とは

今回もcovid-19についてのお話です。

今まであまり詳しく触れてこなかった、covid-19の検査について、ご紹介していきたいと思います。

まず簡単に言うと、PCR検査は人の粘膜やだ液を採取して行う検査、抗体検査は血液を採取して、その血液の中にcovid-19の抗体があるかを確かめる検査、となります。

 

PCR検査とは

PCR検査は人の鼻や、喉の奥の粘膜を綿棒でこそいでとったり、だ液を採取して、covid-19に感染しているかどうか、を確かめるための検査になります。

もし感染していれば、それらの中に、covid-19の遺伝子が含まれており、感染していなければ含まれていません。

PCR検査の最大の短所が、時間をかけて処理する必要がある、という点です。

もともと、採取した検体の中に入っているウイルスの量は非常に少ないので、あえてcovid-19の遺伝子を増やして行き、ウイルスを見つけやすくします。

そのために、処理をする時間が必要になります。

当初は、鼻の奥の粘膜だと一番確実とされていましたが、この採り方は非常に痛く、患者さんがくしゃみや咳をして、お医者さんやその場の感染リスクが極めて高まる、という点がありました。

現在ではだ液でも同様に検査できるようになったうえ、粘膜よりもだ液の方が確認しやすい、という事も言われ始めているので、今以上に受けやすくなる可能性はあります。

 

PCR検査の精度

ただし肝心な、陽性か陰性の精度は、一概には言えないところがあります。

まず難関になるのが、採取した検体にどれくらいcovid-19が含まれているかという点です。

以前の感染の回にも重なりますが、感染初期の段階、感染から4日目ぐらいであれば33%、5日目で62%、8日目で80%ぐらいの精度で検出できます。

感染していたとしても、体内に入ってすぐの段階で検査をしても、検出出来るほど体内で増えていないため陽性とは判断されない、という事です。

この精度の数字はあくまでも、質の良い検体がきちんととれていた場合でのことで、検体を取る人の技術によるところもあります。

 

抗体検査とは

もう一つの抗体検査ですが、血液の中にあるcovid-19の抗体を見つけるというものです。

大きな特徴になるのが、検査キットごとに精度が高いものから低いものがあり、かかる時間も変わってくるという点です。

各社からキットが出ていますが、例えば血液数滴落として15分ほどで結果が出て、その上で精度が95%ほどとか、それよりも少し多く2㏄の血液を使って、結果が出るのに2日間かかるものの、精度が99%以上というものなど、様々あります。

抗体とは文字通り、一度感染したことで血中に出来るものです。

中国のある実験で、症状がある感染者も無症状の感染者も、どちらも感染していれば抗体ができる、ということは分かりましたが、その後、2か月経つと9割の方が抗体が減り、3か月後にはほぼ全員から、抗体が無くなった、という結果が出ました。

つまり、一度感染して抗体ができたらもう大丈夫という事はなく、インフルエンザのワクチンのように、毎年打つことになる可能性がある、ことが分かりました。

ただ、2回目にかかった場合にはそれほど重症化しづらい、とかと言ったことはまだ研究段階で、まだ何とも言えません。

 

感染症対策を

covid-19においては何度も重ねてお伝えしていますが、とにかく密を避けて、部屋は換気をこまめにして、手洗いを欠かさずしてください。

もし万が一、風邪のような症状があって、匂いや味覚が感じないとか、重い頭痛がするようになった時は、PCR検査を検討してください。

PCR検査の受け方は、まず保健所か、地域の受け入れの病院に連絡をして、予約を取ってください。現在では検査能力も非常に高くなっていますので、地域にもよりますがおそらく問題なくとれるかと思います。

万が一感染となった場合は、自宅での自主隔離か、ホテル等の施設での入院になあります。

感染したら治るのか、ということですが、現在は2割の方が無症状、6割の方が軽症とされていますので、感染者のうち8割はほぼ問題なく治ることが分かっています。

2割の方が重症化して入院となっていて、死亡率では日本では0.04%となっています。

単純計算で1万人感染者がいた場合、4人が亡くなることになります。

検査数から見ると相当少なくみられますが、PCR検査を受けていない無自覚、無症状の感染者の方を考えると、本当の意味で、covid-19に感染している人の数は今以上に多いと考えられます。

なので必然的に、重症者の方も多くなりますが、そこで役立つ可能性が高いのが、前回お伝えしたレムデシビルやデカドロンというお薬です。

必要以上に恐れず、きちんと意識を持って、感染症対策をして行ってください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属