足指先などに、皮膚が盛り上がったようなできものや、硬くなったものが出来たことはないでしょうか。
いわゆる「イボ」や「タコ」「ウオノメ」のことです。
今回はこれまでとうってかわって、「イボ」や「タコ」「ウオノメ」と言った症状について触れて行きます。
イボとは
まず最初にイボについてですが、イボは医学的には何らかのウイルスに感染したことで出来るもののことで、最初は平たいものの、徐々に大きくなっていくというものです。
特に水イボと呼ばれるものは、何らかで出来た小さい傷からウイルスが入り込んだことで出来たイボのことを指します。
次に、首やお腹など、皮膚の柔らかいところに出来たイボは中年イボと言われるもので、硬さはなく、脂肪の塊のように柔らかいのが特徴です。
大きめのものだと垂れ下がることもあり、原因は服の摩擦や紫外線による刺激が強くなると出来ることがあります。
そしてもう一つ、さらに加齢とともに増えやすいのが、およそ1センチから3センチほどで、表面がざらざらとした、老人イボです。
これも紫外線の影響や遺伝的な要素で出来ることがあるタイプですが、若い方でも起こり得るイボで、ウイルス性の老人イボが出来る場合もあります。
タコ・ウオノメとは
次に「タコ」は、何らかの刺激で皮膚が盛り上がり、硬くなったもののことを指します。
イボは脂肪の塊のような、あまり硬くはないできもののことで、タコは皮膚の一部がしっかりと硬くなってしまった状態のことです。
例えばわかりやすいのが、ペンをずっと握り、当たっている場所にできる「ペンだこ」はご存知の方も多いと思います。
最後の「ウオノメ」は、タコと似ていますが皮膚の下の組織が硬くなっていく、という症状です。
皮膚の下に向かって、くさび型のような、逆三角の形で硬くなっていき、下の一番硬くなった部分を「芯」と呼びます。
その芯が、指先などの神経に当たって痛みが出ることもあり、イボやタコに比べるとかなり厄介なタイプになります。
症状に合わせた対処を
イボ、タコ、ウオノメの対処ですが、これはそれぞれで治療法が違う上に、自分でイボだと思っても悪性の腫瘍や皮膚のがんの可能性があります。
ですので、出来れば早めに皮膚科のお医者さんに診てもらうのが確実で安全です。
これを踏まえて、各種の治療についてですが、まずイボは液体窒素で急激に凍らせて取り除きます。治療から一週間ぐらいで、その部分がかさぶたのようにポロポロと取れて、きれいになります。
凍らせるので、正直に言うと痛みはそれなりにありますが、きれいに元に戻ります。
ウイルス性の水イボの場合は、市販薬でヨクイニンという漢方のお薬があり、それで治すこともあります。
次にタコですが、盛り上がっている部分を切除するのが主な治療になり、お薬もありません。
そして何より、今までと同じようにその部分だけを酷使していれば再発するので、再発しないように対策するのも重要です。
最後のウオノメですが、液体窒素を使ったり、切除したりといった治療をしていきます。
芯が残るとそこから再発する、と言われますが、実は必ずしもそうではなく、芯をきちんととったとしても再発することがあります。
ちなみに「イボコロリ」というお薬が有名ですが、実はあれはイボにはほぼ効果がありません。
皮膚を柔らかくするというお薬なので、元から柔らかいイボに対しては不向きなのです。
しかし、硬いウオノメに対して使うと、芯の部分が柔らかくなり、切りやすくなるため便利に使えます。
イボ、タコ、ウオノメの予防
最後に、これらを作らないようにするために大切なことですが、まずイボは皮膚に出来た些細な傷にウイルスが入ることが一因なので、全くかからないようにすることは正直ほぼ不可能です。
普段から免疫力を高めておくとか、皮膚のスキンケアを普段からしっかりとしておくといったことが予防につながります。
例えばアトピー性皮膚炎など、皮膚が敏感なタイプの方は感染しやすく、こういった症状が起きやすいため、普段からアトピーの治療をきちんと続けることも予防になります。
また前述のように、中年イボなどは紫外線も一因になるため、首や顔に日焼け止めを使うとか、日傘や帽子を活用することもイボを防ぐことに役立ちます。
次にタコとウオノメですが、これは同じ場所に刺激が加わり続けることで、その部分の皮膚が硬くなるということですので、同じ生活習慣をしていれば必ず再発します。
ペン以外だと、例えば合わない靴を履き続けてタコができたというような場合には、靴を変える、靴下を工夫するといったことで対処してください。
最近ではシューフィッターという、靴を専門にしたプロの方がいる靴屋さんなどもあり、相談が出来るので、もし足指にタコやウオノメができやすいという方は相談してみてください。