えっ?来年から花粉症は保険がきかないの?#355

Voicy更新しましたっ!

今回は最近話題になった花粉症のお薬に保険が効かなくなる噂&点鼻薬にまつわるお話

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花粉症の薬に保険が適用されなくなる?

「社会保障費」は年々高まり、現在抱える大きな問題となっています。

医療、福祉、介護、教育と言ったことに使うお金の事で、いわゆる年金や医療費が、財政を多大に圧迫していることは、既にご存知かと思います。

その議論の中で「保険適用される薬」についてのお話があり、この一つに、風邪薬や花粉症の薬を外す、という議論がされたのです。

現時点では単に、議題に上がったというだけで、まだ結果は出ておらず、現状ではそのまま保険が適用されますので、ひとまずは安心していただければと思います。

 

市販の花粉症に効く薬

花粉症の薬に限らずあるケースが、病院で処方されるものでも、ほぼ同じものが市販されている、ということがあると思います。

花粉症の薬で言うとこれらは病院で保険が効いて処方されますが、ドラッグストアでも普通に買う事が出来ます。

こうしたものの扱いをどうするか、という議論をされているのが現状です。

実際に購入する値段も、病院で処方される場合とお店で買う場合とで、ほぼ変わらないとかお店で買う方が安い、というケースも出てきています。

一方で病院の方は、患者さんの数が減ることに繋がり、単純に減収することになり、デメリットである、という風に言われています。

 

病院でしか処方されない、花粉症の薬もある

ちなみに花粉症の薬でも、市販されておらず、病院でしか使われていないお薬はあり、それはしっかりと保険が効きます。

ですので、例えば市販のものを一つ使っても、あまり良くならなかったため病院に行ってお医者さんに説明して、医療用の良いものを保険適用で処方してもらう、という事は今後も充分可能と思われます。

 

点鼻薬のお話

花粉症の薬に関連して、「点鼻薬」という薬について少し触れていきます。

以前、花粉症対策とか花粉症を飲み薬で治す、というお話をしましたが、今回はいわば正攻法となる、鼻に直接使う「点鼻」の薬です。

病院で使われている点鼻薬は4種類ありますが、現在使われている薬はほとんど2種類です。

まずステロイドが含まれる点鼻薬です。

主にかゆみ止めに入っているようなイメージですが、花粉症も炎症ですので、ステロイドを使う花粉症のお薬もあります。

ステロイドと言えば、副作用が心配されますが、ステロイドによって出る副作用の大半は飲み薬や注射で、大量に摂取し続けた場合ですので、お医者さんの管理、処方で使用する分には問題ありません。

もちろん、お医者さんもステロイドのリスクと副作用は充分承知の上で使用しますので、それほど心配する必要はありません。

ステロイドの薬は24時間以内に徐々に効果が出始めますが、毎日使うと効果が増していくので、花粉のピークを迎える数日前ぐらいから使っておくと、一番花粉の量が舞うタイミングで、効果が大きく高まりますので、おすすめです。

花粉症は、花粉が鼻に入ることで出る炎症の一つですので、症状が出ないようにあらかじめ抑えておくという、予防をするのが重要です。

 

鼻詰まりの点鼻薬は即効性がある

花粉症になってしまった時、非常につらいのが「鼻詰まり」だと思います。

鼻詰まりは鼻の粘膜が腫れてしまい、それで詰まるという仕組みですが、そこで鼻の粘膜の細かい血管をキュッと締めることで、一時的に通りを良くする、というのが鼻詰まりの点鼻薬です。

血管を締めるため、血圧をあげることに繋がるので、使い過ぎると危険ですので注意してください。

使いすぎると効いている時間が短くなり、効果が薄くなっていくので、多くても1日2回程度にしてください。

市販されている点鼻薬は、鼻詰まりの薬はもちろんですがステロイドの薬も売っています。

例えば同じようなタイプでステロイドが含まれており、充分効果があります。

薬の強さよりも、シーズンに入る前に予防としてこまめに使っておくのが大切です。

ただ、市販の点鼻薬だと、ステロイドと血管を収縮させる成分の両方が含まれているものがあります。

例えば代表的なのだと、武田製薬さんのコールタイジン点鼻薬Aは両方入っていて、花粉症のアレルギーに効きながら鼻詰まりも治るというお薬ですが、前述したように血管を収縮させてしまい、また効き目も薄くなるので、これを毎日こまめに使うのは避けてください。

ステロイドだけで構成されている薬を使うのがベストで、それで予防出来ず症状が出てしまった場合に、そのコールタイジンのような薬を使って症状を緩和していくのが、丁度よい使い方と言えます。

もし市販の薬でも症状が引かない場合は、病院でしか処方されないお薬もあるので、お医者さんに診てもらいましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属