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今回はついに行政指導が入った、空間除菌、次亜塩素酸水に関するお話
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空間除菌・次亜塩素酸水のおさらい
以前から度々、covid-19に関連して空間除菌や次亜塩素酸水について触れてきましたが、先日ついに行政指導という形で、各メーカーに通達が行きました。
今回は様々あって分かりにくい、空間除菌や次亜塩素酸水というものについて、詳しくおさらいしていきたいと思います。
空間除菌でcovid-19を殺菌することはほぼ不可能
まず初めに、今回行政指導が入ったのが「携帯型空間除菌用品」というものです。
社員証などのように、首から下げるネームホルダーのようなものに、薬剤を発生させる装置をぶら下げて、それによって付けている方の周りにあるウイルスを殺菌する、というものです。
これは基本的には効果はありません。
除菌されるかのようにうたわれていますが、結論としては効果は無いことが明記されています。
なぜこうなるかというと、この例では「二酸化塩素」というものを使用しています。二酸化塩素を少しずつ分解して塩素を出して、その塩素でウイルスを殺していくという流れです。
このことが可能な条件で、実際に確認されたデータは、非常に密閉された、狭い空間でのことです。
その中で、非常に濃い、とても日常で歯作り出せないほどの濃度の塩素を、その装置によって充満させてのデータなのです。
万が一、そんな空間が出来たとしても、人間にも確実に何らかの影響が起きます。
こうした製品は今年5月に5社ほど、行政指導が入っていましたが、1社だけ続けていたところがあり、今回ようやく、その会社へ指導が入り、再発防止命令が出たということになります。
クレベリンという製品
空間除菌といえば、voicyでも度々名前だけ登場していた、クレベリンという製品があります。
これも出始めのころ、これと同じような仕組みで、空間除菌効果があるように宣伝されていましたが、2014年に今回のように消費者庁から再発防止命令が出ました。
現在ではホームページ上に除菌できた条件、実験データが明記され、必ずしも空間が除菌できる、という風には書いていないのでセーフ、とみなされ現在も販売を続けています。
次亜塩素酸水を加湿器に入れて空間除菌をする
次に、次亜塩素酸水を加湿器に入れて、その空間を除菌するという方法をとっているお店が実際ありますが、これも前項のような理由で、全く意味が無いこといえます。
そもそも次亜塩素酸水は、食品添加物の一つで、食品そのものの消毒に使われている、というものになります。
食品工場や、大人数の料理を作る調理場などで実際に使われることがあり、体内に入ってもある程度は安全と思われがちですが、実は体内に入ることは想定されていません。
調理や食品に携わっていて、扱ったことのある方ならご存知かもしれませんが、次亜塩素酸水を扱って消毒した場合、その後必ず水で洗い流して、完全に取り除くように定められています。
これは言うまでも無く、人体にある程度影響があるためです。
また、次亜塩素酸水はアルコールのように濃度が非常に重要で、分解されやすいため、すぐに薄まり効果が無くなるものです。
もし万が一、作られてからしばらく経過した次亜塩素酸水を購入したとしたとしたら、何の意味も無い液体を購入した、ということになりかねません。
「薬で空間除菌する」という概念を捨てる
最初の二酸化塩素の空間除菌、次亜塩素酸水の加湿器による噴霧、どちらも同じようなタイプで空間除菌にまつわることでしたが、これらは単純に言ってしまえば、消毒剤を空気中にまいて除菌・消毒が出来るか、という話になります。
この考えは正直に言えば、とても安易、安直すぎる考えだと思います。
covid-19にはアルコールが有効で、手指にアルコールをすり込ませて消毒できますが、このことを考えたとき、アルコールを空中に散布してその空間を除菌する、という事になるでしょうか。アルコール以外の様々な抗菌薬、除菌薬でも同じです。
空気中にまくことで、確実にその空間のウイルスが除菌できる、というお薬はありません。
考え方を変えれば、換気するだけでその空間の菌は流れていきますので、換気をすることが一番の空間除菌になります。
以前お伝えしたように、対角線の窓、もしくはドア、キッチンやお風呂の換気扇、玄関でも良いので、空気の通り道を作って、空気が滞留しないようにすることが、その空間をきれいにするために一番重要なことになります。
そして、触れるところをきちんと拭いて消毒をする、食べる前には手指をしっかりと洗う、と言ったことを一番にして、対策していきましょう。