潮干狩りシーズンは貝毒に注意!#215

Voicy更新しましたっ!

今回は今がシーズンの潮干狩り。

その時に注意すべき貝毒について。

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貝が持つ「貝毒」とは

潮干狩りで主にとれる「あさり」「はまぐり」と言ったものは、二枚貝と言う種類です。こうした二枚貝は毒を持っている可能性が高いです。ご家族などで潮干狩りをして、貝を直接触る、食べるという方は注意してください。

 

餌となるプランクトンに原因が

なぜ、貝に毒があるのかというと、貝の一番の餌となる「プランクトン」が毒を持つことがあるためです。海水の赤潮などによって、有害なプランクトンが生まれてしまい、それを貝が食べることで、毒を持った貝となるのです。

ただし、貝も生きるためにプランクトンを食べ続けるため、無毒のプランクトンを食べ続けたら、毒は自然と抜けていきます。

ちなみに、この仕組みはホタテ、カキでも同じ事が起こります。

 

貝毒の症状は「麻痺性」「神経性」のものが多い

貝毒は、麻痺性か神経性の症状が多く現れます。

まず麻痺性は食べてから30分ほどで、唇や舌、手足と言った部分に「しびれ」が起きます。これはフグ毒で有名な「テトロドトキシン」と同じような仕組みで、軽いものだと丸1日、2日ほどで回復しますが、フグの内臓を食べたレベルの重度な場合は、呼吸に必要な筋肉まで麻痺するため、最悪命を落とす可能性もあります。

そして、食べてから数時間後に、しびれではなくヒリヒリとした感じがした場合は、神経性の貝毒です。全身に広がっていき、同時にお酒に酔ったような感覚があれば神経性貝毒と言えます。

こちらも2日か3日ほどで回復しますが、重い場合は命の危険もあるので、注意が必要です。

 

「あさり毒」という種類も

そして、実は「あさり毒」と言う種類の毒もあります。

あさりなどいくつかの種類の貝に見られるタイプのもので、食後から丸1日経過後に寒気がきたり、食欲不振になるといった場合は、あさり毒の可能性があります。さらに経過すると、歯茎などと言った粘膜から出血が見られたり、重度になると神経障害を引き起こし、死に至ることもあります。

 

貝毒は加熱しても消えない

フグの内臓は基本的には食べられませんが、これと同じように、毒のある貝も食べることはできません。加熱をしても、湯せんをしても消えません。

これは言い換えると、貝毒を治す方法はほぼ無い、ということでもあります。

たとえ貝毒の症状がある、と感じて病院に行っても、実は病院でできることはそんなにありません。

気分がとても悪くてご飯が食べられない、おなかの調子がすこぶる悪い、というのであれば、点滴で栄養補給をする、経口補水液を使う、ということしかできない、という非常につらい毒なのです。

 

潮干狩りに行く前は必ず「貝毒情報」を見る

ですので、潮干狩りに行く前には必ず「貝毒情報」と言うのを見てから行ってください。

貝毒情報は、潮干狩りを実施している自治体であれば必ず出しており、もし出ているのであれば「2,3週間は潮干狩りは控えてください」という風に情報を発信しています。

しかし、潮干狩りの場所ではない、普通の砂浜においては、出されていないこともあるので、充分注意してください。安全に楽しむためには、きちんと定められている場所でやるのが、一番安全なのでおすすめです。

 

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属