氷が食べたくなるのは鉄不足の可能性が
8月も中盤を過ぎましたが、依然として暑い日が続いています。
冷たい氷や氷菓、アイスを食べたくなるのは、決して珍しいことではなく、例えば冷たい飲み物に入っている氷を食べることも多いと思います。
ただし、暑さとは関係なく、毎日のように氷を食べたいと感じて、食べてもまた欲しくなる状態が続いている場合は、氷食症という病の恐れがあり、鉄欠乏性貧血の可能性があります。
氷を食べたくなる人が全員鉄不足というわけではなく、暑さに関係なく氷を毎日のように食べているとか、以前より明らかに氷を欲するようになった、というようなときは、一度血液検査をして確認してみてもよいかと思います。
また併せて、疲れやすいとか立ちくらみがする、階段を上ると息切れする、動悸がするなどの症状もある場合は、鉄不足の可能性が高いですので注意してください。
今回はこの氷と貧血について、ご紹介していきます。
鉄分不足で氷を食べたくなる理由
氷食症と鉄欠乏の関係は一昔前から言われていいますが、なぜ鉄が不足すると氷を食べたくなるのかの仕組みについては、現在も完全には解明されていません。
ですが、鉄不足の傾向がある人が氷を欲する傾向にあるのと、鉄不足が解消されると氷が欲しくなくなる、ということは実際に証明されているのです。
ひとつポイントとなるのが、健康診断で貧血ではありませんと言われた場合でも、必ずしも体内の鉄が十分とは限らないということです。
血液検査の数値で代表的なヘモグロビン(Hb)は、赤血球の中にあるタンパク質で、全身に酸素を運ぶ役割があります。
鉄不足が進んで貧血になるとヘモグロビン値が低下しますが、その前段階として、体内に蓄えている鉄が先に減っていることがあります。
つまり、ヘモグロビンの数値が正常でも、すでに体内での鉄の貯蔵量が少ない場合があるのです。
貧血を調べる血液検査を
氷食症の疑いがあるときは、血液検査でフェリチンという数値を調べてみてください。
フェリチンとは、簡単に言えば体内に蓄えられている鉄の貯金で、ヘモグロビンの数値が問題無くてもフェリチンの数値が低いと、鉄分不足の可能性が高いです。
ただし、フェリチンは体内で起こっている炎症によって数値が変化することもありますので、他の検査数値と合わせて判断します。
そして血液検査の結果、鉄不足が分かった場合は、なぜ鉄が不足したのかという原因を確認することも大切です。
例えば女性は月経により、定期的に鉄が失われるため、男性よりも鉄不足になりやすい傾向があります。
ですので、月経量が多いと思われる月には婦人科を受診することも一つの予防になります。
バランスの良い食事を
最後に予防と対策についてですが、まずすでに鉄欠乏性貧血になっていると診断された場合は、食事などだけで改善しようとせずに、処方された鉄剤などを使用して治療を始めます。
ヘモグロビンの値が改善したからといって、体内の鉄の貯蔵量も十分になったとは限らないため、自己判断で治療を中止せずに、お医者さんの指示に従っていただければと思います。
以上を踏まえて普段からできることで言うと、まず日々の食事では、赤身のお肉や魚、レバー、大豆製品、小松菜といった、鉄を含む食品を意識して取り入れるのが最善です。
特に、肉や魚などに含まれるヘム鉄は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄より吸収されやすいとされています。
食事については、毎日考えすぎる必要はなく、偏らずにお肉や魚、卵、納豆、葉物系の野菜などを一品加えるだけでも充分効果があります。
ちなみに、鉄は多ければ多いほど健康にいい、というわけではなく、鉄分のサプリメントや市販の鉄剤を自己判断で取りすぎると、便秘や吐き気などの副作用が起こることがありますので、使用の際は充分注意してください。
鉄分補給の市販薬としては、マスチゲンというものもありますが、自己判断で長期間使用せずに、必要に応じてお医者さんや薬剤師に相談していただければと思います。
もし、鉄不足の治療を始めたあとに、氷を欲しくなくなったのであれば、氷食症が鉄不足と関係していた可能性があります。氷を食べること自体が必ず病気を意味するわけではありませんが、暑さとは関係なく氷を繰り返し食べたくなる状態が続いているなら、体から届いている小さなサインとして、一度血液検査などで確認してみるのもよいでしょう。
