あせもだと思ったら違う?汗かぶれとの見分け方#1012

あせものように見えて、あせもじゃない

2026年もお盆を迎え、全国的に毎日暑い日が続いています。

自分も最近は出勤するだけで汗だくですが、夏場はこの服で一日過ごして大丈夫かな、と思うほど汗をかくこともあると思います。

汗をたくさんかく時期になると、時計のベルトや下着のゴム、ウエスト部分など、締め付けや摩擦がある場所がかゆくなることがあり、自分も腕時計のベルトの部分がかゆくなるため、日中には時計を外すこともあります。

首、胸、背中、脇、肘の裏、膝の裏などでは、汗による肌トラブルが起こりやすく、赤みや痒み、ヒリヒリした感じに悩む人も多いはずです。

こうした症状は全てあせも(汗疹)、と思われそうですが、実は汗をかいた後の肌荒れがすべてあせもとは限らないのです。

今回はあせもと、汗かぶれについて少しご紹介していきます。

あせもと汗かぶれ

あせもとは、汗を排出する汗管という通り道が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こります。

赤く小さなブツブツがまとまって現れ、チクチクする、ムズムズする、痒いといった症状が出るのが特徴です。

特に首、胸、背中、脇、肘や膝の裏など、汗がたまりやすい場所にできやすく、赤ちゃんや子どもだけではなく、大人にも起こります。

今回のもう一つの本題となる、汗かぶれとは正式な医学用語ではありませんが、簡単に言うと汗や衣類などによる摩擦や刺激によって皮膚表面が荒れ、赤み、痒み、ヒリヒリ感などが出る状態を指します。

汗疹のような細かなブツブツとは違い、皮膚がぼんやりと赤くなったり、乾燥してカサつく感じになるとか、進行すると皮膚がむけたりすることがあります。

これもあせものように、下着のゴム、ベルト、ウエスト部分はもちろんですが、衣服がこすれやすい太ももの内側、女性の胸の下、顔のマスクやタオルが擦れる部分といった、摩擦が起きる場所に沿って症状が出ている場合は、汗かぶれの可能性が高いです。

汗を洗い流して清潔に

あせもも汗かぶれも、まずは汗を優しく洗い流して清潔にすることが大切です。

洗う際は皮膚を決してこすらずに洗って、上がった後は症状が出ている部分を涼しくさせてください。

具体的には、ぬるめのシャワーで汗を洗い流して、柔らかいタオルやハンカチで汗や水分を押さえるように拭き取ります。

かゆいとつい強くこすりたくなりますが、皮膚は摩擦による刺激で傷つきやすく、かえって痒みや炎症が悪化します。

あせもの場合は、汗の出口が詰まっているため、汗をかいている部分を涼しくして、蒸れにくく乾きやすい環境を作ります。

エアコンの効いた部屋で過ごすとか、服を着替える、皮膚に汗がたまり続けないようにする、といったことを意識すると、軽い汗疹なら自然と改善していきます。

ただし、赤みや痒みが強い場合には炎症が起きている可能性が高いですので、ステロイド外用薬などの炎症を抑える塗り薬を使うこともあります。

一方、汗かぶれの場合は、汗や摩擦によって皮膚表面そのものが傷んでいるため、汗や刺激を取り除くだけでなく、傷んだ皮膚を保護することが大切です。

シャワーの後はタオルで優しく押さえるように水分を取って、カサつきやヒリヒリ感が多い場合は、刺激の少ない保湿剤やワセリンを塗って保湿していきます。

赤みや痒みがはっきりしている場合には、汗疹と同様にステロイド外用薬が使われることがありますが、症状によって変わりますので、不安があれば皮膚科のお医者さんに相談していただければと思います。

赤い部分が熱を持ったり、化膿するようにジュクジュクとした感じがしている場合は、感染症の可能性もありますので、すぐにお医者さんにかかってください。

通気性の良い服・締め付けが強すぎない下着類を選ぶ

最後に予防についてですが、汗が皮膚にたまり続ける環境を減らす、ことが最大のポイントになります。

汗を完全に止めることはできないうえ、そもそも汗には体温を下げるという重要な役割がありますので、まずは通気性のよい衣類を選んで、締め付けが強すぎない服や下着を使って、不必要に汗をたまらせないことを意識します。

例えば、汗で服が濡れてしまった場合にはできるだけ早めに着替えて、外にいる時間が長く、今日はかなり汗をかきそうな場合には、着替えを一枚用意して持って行くのも当然有効です。

また、脇や首、肘や膝の裏の汗がたまりやすく、身体を動かすことで衣類との摩擦も起こりやすい場所は、汗脇パッドなどを利用するなどで、汗が皮膚にたまり続けないようにするのも手です。

また、汗かぶれを防ぐという意味では、汗を拭くときにこすらないこともとても重要です。

市販の汗拭きシートは、アルコールやメントールなどが含まれているものがあり、使用したときにヒヤッとして気持ちよく感じますが、万が一すでに皮膚が荒れている部分に使うと非常に強い刺激となり、ヒリヒリ感を強める恐れがあります。

ですので、すでに荒れていて刺激を感じる場合は、低刺激タイプを選んだり、乾いたタオルではなく濡らした柔らかいタオルで、押さえるように汗を取るのがベストです。

汗かぶれが起こりやすい場所では、衣類やアクセサリーの締め付けを見直すことももちろん大切で、腕時計やズボンのベルトを一段緩めるだけでも、汗や摩擦による刺激を減らせる場合があります。

もし、数日たっても改善しないとか、症状が広がってくる、痒みが強くて眠れない、同じ場所で何度も繰り返すといった場合には、別の皮膚疾患が隠れている可能性もあるため、皮膚科を受診していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属