食欲の秋!胸焼けだけじゃない?逆流性食道炎の意外なサイン#1024

食欲の秋に気を付けたい逆流性食道炎

最近TikTokライブで、胃もたれが多いとか逆流性食道炎がひどい、といった話をしました。

食後に胸のあたりがすっきりしないとか酸っぱいものが喉まで上がってくる、食べた後に横になると気持ち悪い、といったものですが、こうした症状は正式には胃食道逆流症と言い、英名でGERD、ガードと言います

このうち、胃カメラなどで食道の粘膜に炎症やただれが確認される場合が、逆流性食道炎となります。

そろそろ10月を迎える現在、今年も食欲の秋となる季節ですので、是非今一度気を付けていただければと思います。

GERDとは

GERDは珍しい病気ではなく、成人の10~20%程度にみられると推測されており、およそ5人に1人程度という計算になります。

まず、胃には食べ物を消化するための胃酸があります。胃酸は食べ物を消化するだけではなく、さまざまな細菌や雑菌を殺し、体内に吸収されるまでの間に病原体から体を守る働きもあります。

そして食べ物が通る道となる食道は、基本的に胃酸に触れる場所ではないため、胃酸に対してはそれほど強くありません。

つまり、一度胃へと行った内容物が食道へ逆流してしまうと、酸で焼けることになり、胸焼けなどの症状が出ることがあります。

これがいわゆる逆流性食道炎のメカニズムとなります。

逆流を起こしやすくする最大の要因が食べ過ぎと、食後の姿勢です。

脂の多い料理をたくさん食べるとか、夜遅くに食事をしてそのまま横になったりすると、胃の中に食べ物が残っている状態ですので食道へと逆流しやすくなります。

代表的な症状としては胸焼けと呑酸があります。胸の中央あたりがジリジリする、焼けるような感じがする、しみるような感じがするといった症状が胸焼けで、酸っぱいものや苦いものが口のほうまで上がってくる感じが、胃酸が上がる呑酸です。

他には喉になにか引っかかっているような違和感があるとか、声帯に傷がついて声がかすれる、不自然に咳が出るといったときも、胃酸が逆流しているサインかもしれません。

もし、横になると咳が出やすいという場合、胃酸の逆流が関係している可能性がありますので注意してください。

特にこの時期は季節の変わり目で風邪をひきやすく、インフルエンザや新型コロナなどもあるため分かりにくいこともありますが、もし不自然に咳が続く場合はGERDでも咳が出ることがある、と疑ってみてください。

胃酸の分泌を抑えて治療する

逆流性食道炎の治療についてですが、胃カメラなどで正式に診断された場合で、まずは胃酸の分泌を抑える薬などを使って治療します。

胃酸が過剰に分泌されたり、胃酸を含む内容物が食道へ逆流したりしているために、食道の粘膜が刺激されて炎症となっているため、症状や程度に合わせて胃酸を抑える薬を使っていきます。

一般的な治療期間はおよそ2か月とされていますが、薬をやめると症状が再発してしまう場合には、薬による治療だけでなく生活習慣も見直していくことが大切です。

食べすぎに要注意

最後に逆流性食道炎の予防についてですが、やはり食べ過ぎないようにするのが重要です。

たくさん食べるとその分、胃の中に内容物が増え、胃酸も分泌されるため、逆流が起こりやすくなります。

食べ放題などではついつい食べ過ぎてしまいますが、普段から腹八分目を意識することが大切です。

次に注意したいのが、食べた後すぐに横になることです。

昼食後でも夕食後でも、食べてすぐ横になると胃の内容物が食道へ逆流しやすくなるため、食後は少なくとも30分程度は横にならないようにするのがベストです。

食品については、油っこい料理やアルコール、チョコレートなど脂質の多い食品、炭酸飲料などは逆流を起こしやすい食品になりますので注意しておくと良いかと思います。

適量を確かめること

もし、胸焼けや呑酸などの症状が出て、逆流性食道炎の疑いがあるときは、前の日に何を食べたのかとか、どのくらいの量を食べたのか、アルコールや炭酸飲料を飲んだのか、といったことを振り返ってみると、自分にとっての引き金が見つかることがあります。

アルコールで症状が出やすい人もいれば、特定の食べ物をある程度以上食べると症状が出やすい人もいますので、ある程度把握できれば、自分に合った調整ができるようになります。

一般的に、肥満の人は逆流性食道炎になりやすいとされていますが、これは腹部の脂肪によってお腹の内側に圧力がかかることが一因と考えられています。

ですので、食事量や運動などを見直した結果として体重が徐々に減り、それに伴って逆流性食道炎の症状が改善するというケースもあります。

ただしこれは、無理なダイエットや運動をするということではなく、食べ過ぎを見直すなど、無理なく続けられる方法で、体重を適正にしていくことで、逆流性食道炎の改善の可能性もあるということです。

ちなみに意外と見落としやすいのが、普段からの姿勢です。

例えば食後に長時間前かがみになるとか、重いものを持ったり、お腹を強く締めるような服装をしたりすることでも、胃の中の圧力が高まり、逆流しやすくなることがあります。

ベルトをきつく締めた状態で前かがみになって作業するような場合も、症状のきっかけになることがありますので、もし心当たりがある場合は見直して見ていただければ良いかと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属