庭仕事の後急にブツブツ!毛虫に触ってなくても、チャドクガ#1014

触っていないのに虫刺されのような症状が

最近、身に覚えがないのに突然虫刺されのような症状が出てきた、という人がいました。

虫刺されというと、蚊やブヨなどであれば刺された瞬間も分かりやすく、場所も限定的ですが、湿疹のような赤いブツブツがまとまって現れる場合は、単なる虫刺されや少し前に取り上げた汗疹、汗かぶれだけではない可能性があります。

そこで特に注意したいのが、チャドクガです。今回はこのチャドクガについて、少し取り上げてみたいと思います。

チャドクガとは

チャドクガとは、ツバキやサザンカ、お茶の葉などにつく蛾の一種で、チャドクガの幼虫はいわゆる毛虫になります。

毛虫というと春先をイメージする人も多いと思いますが、チャドクガは年に2回ほど発生し、4月から6月頃だけでなく、8月の終わり頃から9月頃にかけても幼虫が発生します。

チャドクガの幼虫の最も厄介なところは、毛虫そのものに直接触らなくても皮膚炎を起こすことがある、という点です。

幼虫の体にある「毒針毛(どくしんもう)」と呼ばれる、非常に細かな毛が風で飛ぶため、ツバキやサザンカなどの近くで庭仕事をしたり、毛虫が発生している場所を通ったり、木の近くに干していた洗濯物を取り込んだりすることで、知らないうちに皮膚へ付着することがあるのです。

そこから、湿疹などの炎症が起こるため、毛虫に触っていないのにかゆみを感じることがあるのです。

チャドクガの毒針毛による症状

症状としては、強い痒みと赤く小さなブツブツがたくさん出てくることです。

場所は腕や首などにまとまって現れることが多く、普通の虫刺されのように一か所だけが腫れるよりも、ある程度の範囲に沿って湿疹が広がるように見えることが多いです。

また、起きた症状の見た目だけで、チャドクガによるものと判断するのも非常に難しく、ほかの虫刺されや皮膚炎、汗疹などでも似たような症状が出るため、症状が出るまでの状況も重要になります。

例えば、ツバキやサザンカの近くで庭仕事をした後や、畑仕事や公園の散歩をした後、庭木のそばに干していた洗濯物を取り込んだ後などに、首や腕に強い痒みと赤いブツブツが出てきた場合はチャドクガの可能性があります。

決してかかないこと

もしかしたらチャドクガかもしれないと思ったときは、痒くても決していたり強くこすったりしないでください。

かいてしまうと、皮膚の表面についている毒針毛を奥にすり込んでしまったり、別の場所へ広げたりする可能性がありますので、決してかかずに、セロハンテープなどの粘着テープを患部に軽く当てて剥がして、針をとりのぞいてください。

その後、石けんなどを十分に泡立てて、シャワーや流水で洗い流します。

このときもゴシゴシとこすらず、泡で優しく洗い流します。

そして、そのとき着ていた服にも毒針毛が付着している可能性がありますので、服をむやみに振ったり、素手で何度も触ったりすると別の場所へ広がる可能性もあるため、着替えた後は衣類やタオルなども早めに洗濯するのがベストです。

虫刺され用のお薬で治療を

痒みや皮膚炎が軽く、範囲も狭い場合は、市販の虫刺され用のステロイド外用薬で対処可能です。

ステロイド配合の塗り薬で有名なフルコートfはもちろん、かき壊して傷になっている場合には、抗菌薬も配合されたドルマイコーチ軟膏などが選択肢になります。

ただし、水ぶくれができているとか、かなり広い範囲に湿疹が出ている、痒みが非常に強い、市販薬を使っても改善しないといった場合は、皮膚科を受診してください。

また、毒針毛が目に入った可能性がある場合で、目の赤み、痒み、異物感、ゴロゴロする感じなどがあるときは、目をこすらずに水で十分に洗い流して、眼科に相談してください。

外にある植物に注意

最後に予防についてですが、まずチャドクガがどんな植物につくのかを知るのが大切です。

ツバキやサザンカといった、ツバキ科の植物は公園などにも植えられているため、チャドクガがいるリスクがあります。

8月の終わり頃から9月頃に庭仕事をする場合は、すぐに木へ近づくのではなく、出来れば葉の裏側などを確認して、葉が食べられていないか、毛虫が集まっていないかを確認するのが安全です。

もし大量に発生している場合は、近づかないことが最も安全です。

特に注意したいのは、チャドクガの毒針毛は、その毛虫が生きている間だけ危険ということではなく、死んだ幼虫にも毒針毛が残ることがあるうえ、脱皮した抜け殻、卵の表面、成虫の体の一部にも付着していることがあるのです。

そのため、動いていないから大丈夫、死んでいるから触っても問題ないとは限らないということです。

見つけても決して直接触らずに、できるだけ近づかないでください。

庭などの外で作業をする際には、長袖、長ズボン、手袋を出来るだけ使って、皮膚の露出を減らすことも予防になります。

真夏に長袖は暑くて大変ですが、肌を守るための基本的な対策として、不安があれば試してみていただければと思います。

さらに、毒針毛は風で飛ぶため、毛虫がいる木の近くでは、外干しの洗濯物への付着にも注意が必要です。

庭木や生垣にツバキ、サザンカなどがある場合は、この時期だけでも葉の状態を確認しておくと、なお安心ですので意識してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属