根強い人気がある「痩せる注射」
最近、個人的にTikTokライブをしており、生配信で雑談をしていますが、やはり根強い人気があって質問も多いのが、痩せる注射についてです。
最も代表的なものでいうとマンジャロがあり、続いてゼップバウンド、ウゴービ、スルリムなどがありますが、名前が違うだけでほとんど同じ薬だとお思いの方も多いと思います。
今回はこれらの痩せる注射について、まとめてみたいと思います。
中身が同じでも適応症が違う
これ等の注射は、有効成分が同じでも適応症が異なるものがあります。
例えば、マンジャロとゼップバウンドはいずれもチルゼパチドを有効成分としますが、マンジャロは主に2型糖尿病、ゼップバウンドは肥満症や体重管理を目的として使用されます。
そしてウゴービはセマグルチドを有効成分とする肥満症治療薬で、平たく言うと食欲や満腹感、消化管の働きなどに作用して、食事量や体重の管理を支援する治療薬です。
最後にスルリムが、脂肪のある部分に注射して直接脂肪を溶かすというものになります。
マンジャロとゼップバウンドの臨床試験
マンジャロとゼップバウンドの主成分となる、チルゼパチドやセマグルチドを用いた臨床試験の結果では、生活習慣への支援と組み合わせることで、一定期間後に大きな体重減少が確認されています。
様々な研究がありますが一例を挙げると、チルゼパチドでは平均で体重の約20%、セマグルチドで平均して10%を超える減量が示されたという試験があります。
もう少し具体的に言うと、2025年に発表されたもので、2型糖尿病の患者さんではない肥満の人751人を対象に比較したもので、週に1回の注射を72週間続け、その間は生活習慣への支援も受けながら、肥満の治療をしたというものです。
この結果の体重減少率が、マンジャロとゼップバウンドのグループのほうで20.2%、ウゴービのグループで13.7%となったのです。
これをもとに、1年使用で20%減少、と言われることがありますが、この数字は研究参加者全体の平均値であり、注射をすれば誰でも今の体重から20%痩せられる、という意味ではありません。
個人差も当然大きく、副作用もあるうえ、生活習慣の改善支援もあっての数字ですので、注射だけというものでは決してありませんので注意してください。
さらに、これは肥満の人を対象にした試験であり、BMIで言うと単純に25以上の方のみに使用して20%減ということですので、もともとの体重やBMIが低い場合はその分減少しにくくなります。
副作用にも要注意
これらの注射で特に注意したいのが副作用で、GLP-1関連薬やGIP/GLP-1受容体作動薬では吐き気や嘔吐、下痢、便秘、腹痛、食欲低下などの消化器症状が比較的よく起こります。
そのため、通常は少ない用量から開始し、体の状態を確認しながら段階的に増量します。
また、頻度は高くないものの、急性膵炎、胆石症や胆のうのトラブル、腸閉塞といった深刻な副作用もあります。
強い腹痛が続く、お腹が異常に張る、激しい嘔吐があるなどの場合は、薬が効いているのだと自己判断せずに、速やかにお医者さんに相談することが大切です。
スルリムについて
最後に、スルリムについてですが、これはGLP-1ダイエットやマンジャロ、ゼップバウンド、ウゴービとは目的も作用も異なります。
日本では未承認薬で、アメリカのFDAでは承認されており、二重あごの治療のための脂肪を溶解する、というエビデンスはあります。
ただし、二の腕や足、おなか、内臓の皮下脂肪といった部分の死亡についてはエビデンスがありません。
マンジャロやウゴービに関しては国内で承認済みですので、適正使用をしている限りでは補償がありますが、国内で未承認のお薬は補償はなく、リスクが非常に高いですので、使用は望ましくないと思います。
