朝に動悸が起きて心配になった患者さんが
先日、高齢者とまではいかないある患者さんが、寒さのせいか朝にドキドキとしてなんか心配になった、とお話されていました。
その方は実際に、すでに心臓のお薬などを飲んでいて治療中で、あまり心配はなさそうでしたが、もし続くようでしたら早めにもう一回受診してください、と伝えました。
冬場はやはり、寒さによって動悸が起きやすい時期になりますので、不安がある方は是非対策していただければと思います。
今回はこの方から、動悸、不整脈といった症状についてまとめて行きたいと思います。
動悸・不整脈とは
人間の心臓という臓器は筋肉のかたまりで、心臓特有のポンプの働きとは、微弱な電気の合図によって収縮と拡張を繰り返しています。
この電気の流れが乱れることで、心拍のリズムが乱れ、不整脈となって現れます。
不整脈の原因は大きく分けて、心臓そのものに問題がある場合と、心臓以外に原因がある場合があります。
心臓以外では、例えば貧血状態で酸素を十分に運べず、働きが激しくなって動悸が起こりやすくなっているとか、甲状腺の異常やストレス、カフェインの摂取なども動悸や不整脈のきっかけになります。
よく見られる不整脈と注意が必要なタイプ
日常的によくみられる不整脈の一つが期外収縮というもので、脈が一拍飛んだように感じるものです。
これは疲労や寝不足、ストレス、カフェインなどで増えやすく、多くの場合は命に関わるものではありません。
もう一つ、年齢とともに増えてくるタイプが心房細動で、脈がバラバラになりやすく、特に同年代では男性に多い傾向があります。
心房細動は加齢で自然と増える側面もありますが、慢性的に続くと血液が心臓内でよどみやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓ができやすくなるため、注意が必要な不整脈になります。
冬は心臓に負担がかかりやすい季節
今回の本題ですが、実は冬という季節は、動悸や不整脈が起こりやすい環境がそろっています。
寒さによって血管が収縮すると血圧が上がり、心臓にはより強い負担がかかります。
また、暖かい部屋から寒い廊下やトイレへ移動したり、冷えた体で急に熱いお風呂に入ったりすることで、急激な温度変化が起こり、いわゆるヒートショックと呼ばれる状態で、血圧が大きく変動し、心臓に負担が集中します。
さらに、冬は喉の渇きを感じにくく水分が不足しがちで、血液がドロドロになりやすくなることも、動悸を起こしやすくする要因の一つです。
病院を受診すべき目安と予防のポイント
もし、動悸に加えて強い胸痛や冷や汗、息苦しさ、意識が遠のくような症状がある場合は、迷わずに救急車を呼んでください。
また、動悸や不整脈が急に始まったり、何度も繰り返して生活に支障が出る場合も、急を要する事態ですので、すぐに医療機関を受診してください。
病院では心電図や血液検査を行い、心臓が原因か、それ以外が原因かを調べます。
ちなみに心電図の検査は、病院に行った際に必ずしも動悸や不整脈が起こるわけではないため、心電図によって原因が分かることはあまりありません。
ですので、普通の健康診断のようなものではなく、24時間心電図をとってみるのがベストです。
そして、期外収縮が原因で動悸が起きている場合は脈を整えるお薬を使いますが、心室細動の場合は血液が滞りやすく、固まりやすい状況ですので脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いため、血を固まりにくくするお薬を使います。
また、血液検査の結果、甲状腺や貧血の問題がある場合は、それの治療を始めます。
最後に冬場の予防としては、やはりヒートショックや温度差の解消と水分補給がカギになります。
家の中の温度差を減らすとか、夏場よりはぬるめのお風呂にすること、こまめな水分摂取が重要です。
できれば、朝昼晩とコップ1杯ずつで、飲む量としては1日1リットルほどで、その他は野菜や果物、汁物の食事からとるのがベストです。
また、睡眠不足を避けて、カフェインやアルコールを控えめにすることも、心臓を守るポイントになります。
特に睡眠不足は脈を乱す原因になりやすく、また睡眠時無呼吸症候群が起きている可能性がありますので注意してください。
日常生活でも、自分で手を当てて脈を測るとか、血圧計やパルスオキシメーターを使って普段から測って記録しておくととても良いかと思います。目安としては安静時に60から100の間であれば問題ありませんので、参考にしてみてください。
