今まさに増加中!インフルエンザに気をつけて!#940

インフルエンザ流行の兆しが

最近、インフルエンザの流行が目立ってきています。

少し早いように思えますが、11月頃から流行するのは、実は新型コロナ以前の時期と同じです。

11月ごろから患者が増え始め、12月に注意報や警報レベルとなり、年末年始や成人の日あたりに感染者数のピークを迎える、という流れが一般的でした。

ただ、今年は10月下旬から全国の報告数が急激に増え、11月初めの時点で全国平均14.9と、すでに警報レベルを超える地域が25都道府県に達しています。

つまり、単純計算で11月下旬から12月初めごろにピークを迎える可能性が高いということです。

今回は、今から気を付けていきたい、インフルエンザについてのお話です。

発熱や関節痛はインフルエンザのサインかも

インフルエンザの典型的な症状としては、38℃以上の突然の高熱、関節の痛み、全身のだるさなどです。

ポイントとしては、咳や鼻水よりも、体全体のだるさが目立つのが特徴です。

ただし、インフルエンザは感染、発熱してからすぐに病院に行っても、検査では陽性が出ないことがあります。

これは体内でウイルスが増殖して検出されるまで、発熱からよそ12時間ほどかかるためで、症状が出てから8〜12時間ほど経ってから受診する方が、インフルエンザかどうかがより正確に分かります。

ただし、高齢者やお子さん、妊婦さんなど急な高熱だと危険な事態に陥る可能性が高い場合は、すぐにインフルエンザのお薬を使用したほうが安全ですので、その場合は待たずにすぐに受診してください。

インフルエンザのお薬は使用が少し難しく、一般的な抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に使うことが効果があり、熱の下がる時期を1日ほど早めることができる、というものです。

言い換えれば、きちんと栄養と睡眠をとり、時間をかけて休めば、ほとんどのケースでは治っていきます。

ただ、例えば同居している家族や、会社や学校で近い方でインフルエンザの方が居て、自分が発熱した場合は、お医者さんの判断で検査を待たずに、すぐにインフルエンザのお薬を出してくれる、というケースもあります。

ちなみに発熱と同時に胸の痛みが不自然に強いとか、呼吸が浅くて早くなっている場合は、肺炎の可能性があり、首や頭などの痛みが強い場合は髄膜炎の疑いがありますので、おかしいと感じたらすぐにお医者さんに相談していただければと思います。

重症化リスクがある場合はワクチン接種を

インフルエンザの重症化を防ぐため、最初に考えられるのは、ワクチン接種だと思います。

高齢者やお子さん、糖尿病や高血圧などの基礎疾患を持つ方は、インフルエンザにかかると重症化しやすいため接種をおすすめしますが、逆に言うと重症化リスクがあまりない、一般的な健康な方であれば、無理に接種する必要はないとも思います。

タイミングとしては、例年であれば10月上旬までに接種するのがベストですが、今からでも年明けごろに備える効果はありますので、検討してみてください。

日常の感染対策を徹底して行うように

そしてやはり、普段から行う感染対策の基本はとても大切です。

できるだけ換気をこまめに行って、人が密集する場所ではマスク着用、外出後の手洗い・手指消毒を欠かさず行ってください。

この時期はノロウイルス対策もありますので、次亜塩素酸などの有効成分入りの消毒剤を常備しておくと安心です。

湿度は50〜60%に保つと、ウイルスの活動を大幅に抑えられますので、換気と同時に保湿も充分意識して、対策していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属