新しいインフルエンザのワクチンが登場
そろそろ11月になり、インフルエンザのシーズンが徐々に始まる時期になりました。
各地の病院ではインフルエンザワクチンの予約が開始されています。
コロナも含めて引き続き、感染対策は大切ですが、そのなかで一つ、新しいニュースとなるのが「新しいインフルエンザワクチン」です。
製品名はフルミストと言い、従来のような注射式のワクチンではなく、点鼻式ですので、耳鼻科で受けられるのが特徴ですが、8000円とコストが高いのがデメリットとなっています。
先日のコメントにも、フルミストのお話をと頂きましたのでだきましたので、今回はこのフルミストに焦点を当てて、ご紹介していきたいと思います。
鼻から吸引して免疫を付けるワクチン
フルミストは点鼻薬のように、鼻の粘膜につけるワクチンです。
仕組みとしては、いわゆる生ワクチンになり、生きているインフルエンザのウイルスを注射するというものです。
ウイルスは弱毒化されておりますので、温度が低いところでのみ増殖するように作られています。
つまり、外の冷たい空気に触れる鼻の粘膜でしか増殖できないため、鼻の粘膜の免疫が刺激され、活発になることで感染を防ぐということです。
お子さんも含めて、注射が苦手な方には非常に便利なワクチンで、仕組みからして自然感染に近く、体に負担無く免疫を獲得できる方法として人気を集めています。
従来の注射のワクチンは、具体的には不活化ワクチンと言い、平たく言えば死んでいるウイルスを用いて作製されているという特徴があります。
免疫には粘膜と血液の二つの種類があり、前述のフルミストは粘膜に免疫を、注射式は血中にウイルスを入れて免疫を付けていきます。
注射のタイプは副反応が少ない代わりに、定着力が弱いという欠点があるため、お子さんは年に2回打つ必要がありましたが、フルミストは1度使用すると1年近くはインフルエンザウイルスへの免疫力を高めることが分かっています。
ただ厳密には、フルミストは新しいワクチンであるため、確実に高い感染予防効果があるとは認められていない部分もあります。
またちなみに、過去にインフルエンザは年ごとに流行する型が変わり、ワクチンと型が違った場合は効果が弱くなるなどの欠点がありますが、フルミストは生のウイルスによって粘膜を強化するため、違う型が流行したとしても軽い症状で抑えられる、とされています。
他の人に感染させる疑いが
そして、フルミストは弱毒化しているとはいえ生きているウイルスを粘膜に置くため、実は他人に感染させる可能性がある、とされています。
フルミストを使用してから、1週間か2週間ほどの間は鼻の粘膜でウイルスが活動して、免疫が戦いますが、そのタイミングで、副反応などによって鼻水やくしゃみと言った症状が出てしまうと、その飛沫によってインフルエンザにかかる恐れがあるということです。
もちろん、普通のインフルエンザウイルスよりも弱いウイルスではありますが、もし身近に持病がある方や高齢者の方など、免疫力が下がっている方が居る場合は、インフルエンザにかかってしまうリスクがあるのです。
それに関連しているのか、日本ではフルミストが使用できるのが2歳から18歳までと定められています。
そしてもう一つ、フルミストの大きなデメリットであり、特徴となるのが、接種前の1か月ほど、そして接種後2か月は妊娠をしないように、と定められていることです。
ワクチン内のウイルスが胎児に影響を与える可能性があるため、女性の方は充分注意してください。