これから旬を迎える「みかん」
先日、和歌山県の学術大会に参加してきました。
和歌山の名産と言えば有田みかんですが、実はみかんは10月から旬を迎える果物です。
有田みかんはブランド名で、正式な品種の名前で言うと「温州みかん」という種類のみかんになります。
今回は、前回のサンマに続いて、みかんについてご紹介したいと思います。
絶大なビタミンC効果が
みかんに限ったことではありませんが、含まれる栄養素の中でも特筆すべき部分が、ビタミンCです。
もはや説明不要なほど有名で、voicyでも何度もご紹介していますが、特にみかんにはビタミンCが非常に豊富に含まれており、ストレスや風邪といったものに効果的な抗酸化作用や、美容で言えばお肌のところのコラーゲンを作る際にも必要になります。
みかん特有の成分だと、βクリプトキサチンというものがあります。
これもビタミンCのように抗酸化作用に優れている成分ですが、骨を強くするという作用もあります。
βクリプトキサンチンは、みかんの皮や実の表面についている、白い筋のような繊維状のものがあると思いますが、そこに豊富に含まれています。
また、ペクチンという水溶性の食物繊維が、みかんの水分の中に非常に多く含まれており、便秘改善の効果など、整腸の効果が大いに期待できます。
みかんの適切なサイズ・効率の良い食べ方
みかんというと、Sサイズ、Mサイズなどとサイズで分けられていると思いますが、厚労省が定める1日の果物摂取量が200グラムとなっています。
これに合わせると、Sサイズだと3個、Mサイズなら2個となります。
一番効率の良い食べ方としては、まとめて食べるのではなくSサイズであれば朝昼晩のように、一食で1個にするのがおすすめです。
みかんにも糖分があるため、食べ過ぎると糖尿病になるのでは思われそうですが、カロリーとしてはそれほど高くなく、100グラム当たりで49キロカロリーですので、ダイエット中にも便利です。
ただ当然、たくさん食べればカロリー過多ですので、食べ過ぎはしないでください。
ちなみに、みかんをたくさん食べると、柑皮症(かんぴしょう)という、手のひらや足の裏といった部分が黄色くなる症状が起こることがあります。
これは手のひらや足の裏が少し黄色くなるぐらいで、特にそのほかで健康被害は起きませんが、みかんを食べすぎると食物繊維を摂りすぎることになるため、下痢しやすくなるため注意してください。
酸っぱいみかんを甘くする方法
みかんというと、甘いものだけではなく、中には酸味が強く、酸っぱいものもあると思います。
酸っぱいほうはクエン酸が多く、疲労回復効果が甘いほうよりも若干高いため、酸っぱいのももちろん健康には良いですが、どちらかというと甘いもののほうが好きな人は多いと思います。
実は、クエン酸を減らせれば、酸っぱいみかんでも甘くなるのです。
クエン酸を分解させるという方法ですが、まずは刺激を与えたり傷をつけると、その傷を治そうとしてクエン酸が消費されていくため、酸味が減って行きます。
直接切り込みを入れるのはもちろん、お手玉のように少し叩くような衝撃を与えるのも手です。
また、熱を加えるとクエン酸が分解されるため、甘くなります。
和歌山ではストーブの上にアルミホイルを敷いて、その上に皮が付いたままのみかんを乗せて熱を通して食べるということもしているそうです。
もちろんオーブントースターなどでも可能で、こうすることで皮ごと食べれるようになるため、さらに余すことなく栄養を摂って行くことができます。
みかんの皮は陳皮と呼ばれ、漢方薬でも非常に重要な役割を持つ生薬として使われており、特に炎症を抑えるヘスペリジンという成分や、脂質を抑えるナリンジン、さらには認知症予防の効果もあるノビレチンといった成分も含まれています。
熱が入ったものを食べるのは少し抵抗があるという方は、一番簡単なのは皮にわずかに切り込みを入れて傷をつけたあと、電子レンジで30秒温めて、それを冷やして食べるともの凄く甘いみかんになるので、もし気になる方は試してみてください。