おせちの後にとてもおすすめな「七草がゆ」
2023年を迎え、一回目の配信となります。未だcovid-19の脅威があり、またインフルエンザの流行も全国的に広がってきていますので、これからも引き続き、しっかりと感染対策していってください。
新年一回目のお題は、「七草がゆ」についてです。
前々回のおせち、前回のお雑煮に続く、季節ものの料理ですが、七草がゆはお餅やおせち料理などの後にとってもおすすめしたい、ヘルシーな料理の一つです。
「旬」でもある料理ですので、是非食べてみてください。
中国で食べられていた「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」
古来の中国では、毎年1月7日に、官吏という役人の昇進を決めていたという風習があり、その席で出されていた料理を「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」と言います。
文字通り7種類の野菜を入れた、とろみのある汁物料理ですが、これにはお米は入っておらず、いわゆるおかゆではありません。
この風習をもとに、立身出世をの願いを込めて、七種菜羹を新年に食べるというのが中国での習わしの一つとなりました。
一方の古来の日本では、若菜摘みという習慣があり、年の初めに雪の間から出た芽を摘むということをしていました。
これは百人一首の一つにもなっており、新春に若菜を食べることで邪気を払う、ということから、1年の無病息災を願って新春に食べる習慣が出来ました。
これが、前述の七種菜羹と混ざり、鎌倉時代ごろ、1月7日に摘んだ若菜を食べることに決まったというのが、現在の七草がゆの始まりとされています。
ちなみに百人一首では「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」とあり、鎌倉時代に決まった七草を歌った和歌が「せり なずな おぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞななくさ」です。
この7つの野菜こそが七草がゆに入る野菜となり、いずれもかなり早い時期に芽吹く野菜です。
江戸時代ごろには、1月7日は人日の節句と定められ、庶民の間でも七草がゆが食べられるようになり、現在に至ります。
胃腸の調子を整える効果に優れている七つの野菜
七草はそれぞれに意味があり、縁起を担ぐという意味もありますが、何よりも胃腸を整える効果が非常に優れているという特徴があります。
まず最初の「せり」ですが、争いや競争に「競り勝つ」という言葉から、勝負事の縁起を担ぐ意味もあります。栄養素で言うとビタミンCやミネラル、鉄分、食物繊維が豊富です。
七草はどれも野菜なため、基本的にはいずれも食物繊維が豊富ですが、併せてミネラルや鉄分も多いのはせりの大きな特徴になり、貧血や便秘の解消に役立ちます。
次のなずなは、撫ぜるというところから来ており、昔は撫ぜることでけがれを祓う意味もあったようです。
なずなは体内の余分な水分を出しやすくして、むくみをとるという効果が期待できます。正月料理は塩分が多くなりがちで、季節柄もあってむくみやすいため、なずなもとても便利な野菜の一つになります。
次のおぎょうは、仏様を表している縁起物の一つとされており、喉の咳を鎮めたり、痰を出しやすくするなどの効果があり、呼吸器にいい影響があるため軽い風邪の際にはおすすめな野菜です。
次のはこべらですが、「はこべ」と呼ばれることもあり、繁栄がはびこるという意味を込めて、子孫繁栄や繁盛の意味で入れられたという説があります。
はこべらも野菜の一種ですが、七草の中ではタンパク質が豊富という特徴があり、さらにミネラルもせりに負けないぐらい豊富で、歯茎や歯槽膿漏などの病に非常に効果がある、とされています。
江戸時代など古来の日本では、今ほどは歯の健康が重視されておらず、歯磨きの習慣等も発達していませんでしたが、はこべらが歯痛や歯の病に効果があることがわかり、薬草として大変重宝されていたようです。
次のほとけのざですが、名前の通り葉っぱの様子が仏様が座っているように見えることから、ほとけのざという名前が付き、胃腸をしっかり動かすとか、血圧を下げるという効果に優れています。
次のすずなは、神様を呼ぶ鈴のことも「すずな」と言いますが、これは実は現在でも全国的に売られている野菜の「カブ」になります。
漬物などにも使われるカブで、消化酵素に優れているため胃もたれなどにも良い影響があったり、胃腸を温める作用もあるので腹痛を和らげるのにも便利です。
最後のすずしろは、清らかでけがれのないことを指す言葉というところからきており、美容効果もあるとされていますが、実はすずしろは大根のことを指します。、
前のすずな、カブと同じく大根も消化酵素に優れた野菜ですが、七草の中だとビタミンCが特に多く、美容効果はもちろん風邪予防にもかなり役立ちます。
以上が七草がゆの、七つの野菜です。お正月で胃腸を酷使したりしていたら、是非七草がゆを食べて体調を整えてください。