口が痛い!手足にブツブツ?手足口病の見分け方#998

手足口病が流行している恐れが

厚労省が出している週報にて、手足口病の定点あたりの報告数が3週連続で増加しています。

手足口病とは、毎年夏にかけて流行しやすくなる、代表的な夏風邪のひとつです。

時期としてはまだ6月中旬ですので、もしかしたら今年は例年よりも早い早期にピークを迎える可能性がありますので、是非今のうちから気を付けていただければと思います。

手足口病とは

手足口病は折に触れてvoicyでもご紹介しておりますが、簡単におさらいするとその名前の通り、手、足、口に症状が出る感染症で、原因となるのはエンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどのウイルスです。

乳幼児や小さな子どもに多くみられますが、大人でも体力や免疫が落ちている時には感染することがあり、感染から症状が出るまでには3日から5日ほどの潜伏期間があります。

初期症状としては、なぜか口が痛いといったものもあり、言葉で症状を伝えられない乳幼児期の年齢では、よだれが増えるとか、不自然に機嫌が悪い、なぜか食事を嫌がるなどが感染のサインになることもあります。

そして、手のひらや足の裏、口の中に小さな赤い発疹や水ぶくれが現れるのが大きな特徴です。

手足口病で最も辛いのが口の中の水疱で、強くしみることで飲食がつらくなりやすく、少し味の濃いものや酸味のあるものだと非常に痛みが強くなるため、お子さんだと水分補給すら嫌がることもあります。

飲食が難しくなると、当然その分体力も回復しづらく、治りにくくなるため意外と厄介な病になります。

また発熱も症状の一つで、およそ38度前後まで上がることがありますが、それほど高熱にならない場合も多いです。

ちなみに、口の中の水疱はヘルパンギーナなど、手足口病以外の夏風邪もあるため、家庭で完全に見分けるのは難しいですので、もし疑いがある時は内科や小児科で診察を受けてください。

治療は免疫力で行う

もし手足口病と診断されたとしても、実は手足口病にはウイルスを直接殺すお薬はありません。

水ぼうそうや帯状疱疹と同じく、ウイルスの増殖を抑えるためのお薬を使って、体が回復して免疫力が戦うのを待って治療していきます。

ですのでやはり、水分をしっかり摂れる状態を保つことが最も大切になります。

小さいお子さんの場合だと、尿の回数が減るとか、口の中が不自然に乾く、泣いているのに涙が明らかに少ない、ぐったりしている場合は脱水症状の可能性があります。

指の爪を押して白くなったところから離してみて、すぐに元のピンク色に戻らない場合も、循環不良の目安になりますので試してみてください。

小さいお子さんの場合で脱水が疑われる場合は、すぐに病院に来て処置を受けていただければと思います。

水分補給を最優先に

食事についてですが、無理にたくさん食べさせる必要はありませんので、とにかく水分補給を最優先にしてください。

食事を摂る場合は、できるだけ刺激が少なく、飲み込みやすいものを選んで、少量ずつ何回にも分けて与えることがポイントです。

例を挙げると、冷ましたスープ、やわらかいうどん、豆腐、茶碗蒸し、ゼリー、ヨーグルトのような、口当たりの良いものが最適です。

反対に、オレンジのジュースのような柑橘系の飲料、炭酸飲料、熱い汁物などは強い刺激になり、痛みを悪化させることがありますので避けてください。

例えば、口内炎にはビタミンが良いから、とオレンジやレモンの柑橘ジュースを飲ませると、逆につらくなることもありますので注意が必要です。

ちなみに、保育園や幼稚園、学校への登園や登校については、解熱後から何日という明確な基準はありません。

手足口病については、症状が落ち着いた後もしばらくは便の中にウイルスが排出されるため、熱がなくなって元気があり、水分や食事が普段通り摂れていることが目安になります。

普段の生活から感染対策を

最後に予防についてですが、手足口病については現時点で一般的な有効ワクチンはなく、基本は日常的な感染対策になります。

空気感染はせず、飛沫感染と接触感染が主ですので、やはり普通の手洗いとアルコール消毒が大切で、特に食事前の手洗いは重要になるほか、家族間でのタオルの使い回しも注意が必要です。

そしてもう一つ手足口病の感染経路で特徴的なのが、糞交感染というもので、前述のように手足口病のウイルスは便の中にも排出されるため、トイレのあとはもちろんですが、お子さんのおむつ交換後の手洗いも大きな感染予防になります。

手洗いは石鹸と流水でしっかり洗うことが基本で、帰宅後、食事前、トイレ後といったタイミングで丁寧な手洗いを習慣にすることが感染予防につながります。

また、タオルだけではなく、コップ、食器の共有も避けるとより予防になります。

ちなみに、手足口病の原因ウイルスの一部には、アルコール消毒が効きにくいタイプも存在します。

そのため、アルコールだけでは不十分な場合もありますが、基本的には石鹸による手洗いと流水でしっかり洗い流すことが、最大の感染予防になりますので、是非普段から意識していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属