南海トラフ地震が起きるのは30年以内に80%以上!大地震への備えとは?#876

南海トラフ地震への備えを

先日、東日本大震災発生から14年となりました。

全国的に防災について考える大きなきっかけとなりましたが、中でも直近の問題として取りざたされているのが南海トラフ地震です。

南海トラフ地震とは、日本の太平洋沿岸で発生が予測されている巨大地震のことです。

政府の最新の予測では、以前までは70%~80%ぐらいとされていたのが最近になって、今後30年以内にマグニチュード8から9クラスの大地震が発生する確率は80%以上とさらに上げており、日本全体にとってとても重要な防災課題となっています。

今回はこの南海トラフ地震とその備えについて、今一度考えていきたいと思います。

南海トラフ地震がもたらす影響

南海トラフ地震とは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界である、南海トラフと呼ばれる海底の溝で発生すると考えられているものです。

歴史的に見ると1854年の安政南海地震、1946年の昭和南海地震などで、およそ100年から150年の周期で繰り返し発生していることがわかっており、丁度現在に発生する可能性が高いのでは、と言われているのです。

地震が発生した場合、震度6強以上の激しい揺れが広範囲で発生するとされ、特に四国、九州、東海地方といった西日本の広範囲が影響を受ける可能性があります。

もう一つの大きな特徴が津波の早い到達で、最短でおよそ数分から10分程度で大きな津波が到達するとされています。

これに備え、日本政府は「南海トラフ地震臨時情報」の発信を開始し、異常な地殻変動を検知した際には警戒を呼びかける仕組みを整えています。

地震の発生そのものを防ぐことはできないため、個々の防災意識と備えが、何よりも命を守る鍵となります。

地震への具体的な備え

南海トラフ地震への備えとして、まず重要なのは非常用持ち出し袋、常備品の準備です。

最低でも1日1人2Lを目安に、3日分の飲料水と保存食、そして常備薬がある人は医薬品も必ず備えておいてください。

あると便利なのは懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリーなどで、トイレも発生直後や避難直後は混みあい、使いにくくなりますので、非常用トイレと目隠し用具があると良いかと思います。

特に、手動発電機付きのラジオやスマートフォン充電器は、緊急の充電手段や情報収集に役立ちます。

そして家の中で出来る防災としては、家具の転倒防止対策も大切です。本棚や冷蔵庫などの大型家具は固定して、落下すると危険な物を高い場所に置かないようにする工夫もおすすめです。

また、外部にいる家族との連絡手段として、災害用伝言ダイヤル(171)やスマートフォンアプリを活用して、普段から知っておくことも大切になります。

そのほかだと、自家用車がある方は普段からガソリンを半分以上入れておく、というのも一つの防災になります。

地震発生時の行動と避難のポイント

地震発生時は、まず頭を守ることが最優先です。

机の下に隠れる、頑丈な家具のそばに身を寄せるなどして、落下物や倒壊の危険から身を守ります。

揺れが一旦収まったら避難経路を確保して、速やかに安全な場所へ移動します。

もし余裕があれば、コンロやストーブ、電気ブレーカーなどの火元を見てから避難すると、火事を防げるのでおすすめです。

津波の恐れがある地域では高台への避難が最優先ですので、普段から避難場所の確認、把握は大切になります。

移動はできるだけ徒歩での移動が望ましいですが、避難場所が遠い場合もあるため、駐車場の位置を把握しておくとか、車の移動計画を作っておくなど、地域の特性に応じたものにするのも大切です。

そして、注意が必要なのが余震で、再度突然揺れる可能性もあるため、崩落の危険がある場所には近づかないようにしましょう。

地震が発生した際にどう行動するかを普段から考えて、実践できるようにしておくと、より安全に身を守れると思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属