さむくなると気になる乾燥肌!原因と対策は?#865

乾燥肌の患者さんが増加

もう1月も終わりにさしかかりました。冬になるとインフルエンザなどの感染症も増えますが、最近は乾燥肌の患者さんも増えています。

乾燥肌とは、簡単に言うと皮膚が水分や油分を十分に保持できない状態のことを指します。

季節の変化や環境要因によってかゆみが出たり、肌の触り心地や見た目が乾いたようになります。乾燥は特に肌が柔らかく薄い部分で顕著に起きます。

今回はこの乾燥肌について、今一度気を付けていただければと思います。

季節や生活習慣が与える肌へのダメージ

乾燥肌の本質は、肌の最外層である角質層が弱まることにあります。

角質層は外部刺激から体を守るバリア機能を持つ一方、内部の水分や油分が外に逃げないようにする役割も果たしています。

しかし、冬特有の空気の乾燥や生活習慣の影響により、この層が弱まると、肌内部の水分が失われやすくなります。

これによって、肌が乾燥したり、かゆみが出るなどの症状が現れます。

乾燥肌の原因としては、特に冬の乾燥した空気やエアコン暖房の使用が挙げられます。

これらの環境要因が肌の水分を奪い、角質層を脆弱にしてしまうのです。

そして紫外線も肌に悪影響ですが、実は夏だけでなく、冬場でも紫外線の強度はそれほど変わらず、肌のダメージを蓄積させる大きな要因となります。

その他、石鹸やボディソープを頻繁に使用したり、肌を強くこすることでも角質層が傷つき、水分保持能力が低下します。

栄養で言うとビタミンB群が不足していると、肌のターンオーバーが正常に行われなくなり、乾燥肌を引き起こす原因となります。

また当然、加齢によって皮脂が減るのも一つの要因です。

乾燥肌の予防と改善方法

乾燥肌を防ぐには、保湿が最も重要です。

保湿アイテムを使うのはもちろんですが、環境そのものを整えることも大切です。

例えば、加湿器を使うとか、濡れたタオルを干すだけでも効果的です。冬場でも紫外線対策を怠らず、日焼け止めを使用することも必要です。

また、お風呂では石鹸やボディソープを使い過ぎないこと、そして肌を優しく洗うのも予防になります。

石鹸を泡立ててタオルにのせて伸ばして優しく洗うとか、タモリ式入浴法として知られる、お肌をこすり洗いせずに低温のお湯に10分ほど浸かるという入浴法も有効です。

ボディソープや石鹸も体質によって合わないことがあるため、もし不安がある方は是非試してみてください。

保湿のタイミングとしては、お風呂上りが最も水分が抜けて行くタイミングですので、お風呂上りすぐにローションやクリームを使って保湿してください。

ちなみに冬場は油分が多いクリーム、夏場はさっぱりしたローションと季節によって使い分けるのも便利です。

乾燥肌になった、かゆみが起こった場合は塗り薬を

最後に、もし乾燥肌になってしまった場合についてのケアですが、まず炎症が起きてかゆみがある場合はステロイド系の塗り薬が効果的です。

使う場合は、短期間で使用をやめずに、触っても違和感がなくなるまでしっかりと長期間塗り続けることが重要です。

見た目が改善しても、肌の奥に炎症が残っている可能性がありますので、治ったと思っても出来るだけ長期間塗り続けてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属