贅沢品・高級品だった「バナナ」
少し前、柿やリンゴについて取り上げましたが、今回は「バナナ」についてです。
バナナは、一昔前までの日本では極めて高級品で、お歳暮などのギフトやお見舞いの差し入れのような、大きな物事があった際に食べる果物でした。
昭和30年頃までは、今の価格で言うと一房で7500円ほどだったとされています。
今ではほぼ年中お店に並んでおり、老若男女問わず人気のある果物ですが、今回はこのバナナについて詳しくご紹介していきたいと思います。
戦国時代、イエスズ会が織田信長に献上した説
一番最初に日本にバナナが入って来たのは、1569年、イエスズ会というキリスト教宣教師の会のある人が、織田信長に献上したのが始まりとされています。
ちなみにバナナは和名で「実芭蕉」となっており、松尾芭蕉の芭蕉と同じ字ですが、これは松尾芭蕉はいわゆるペンネームで、庭に観賞用として芭蕉を植えていたことから、松尾芭蕉とつけたとされています。
現在、日本の果物の消費量で、バナナは1999年から現在でも一位をキープしており、2位にリンゴ、3位ミカンと続きますが、2位のリンゴよりも1.8倍ほど多く消費されています。
糖質と食物繊維に優れる栄養食品
バナナは栄養価も非常に高く、中でも突出して多いのが糖質です。
バナナの糖質部分には食物繊維も非常に多いため、豊富な糖質がゆっくりと吸収されていくため、腹持ちが良く、ダイエット効果に優れています。
またバナナの食物繊維は腸内細菌にとって良いエサになるものも多く、さらに同時に消化酵素も含まれているため、食べ物の消化を助ける効果があります。
つまり糖質はゆっくり吸収されるものの、その他の栄養素は胃腸に負担にならずに素早く吸収できる、という効果が得られるのです。
このことから、病後の回復食として用いられたり、運動後の疲労回復としても昔から重宝されてきたのです。
またバナナにはカリウムも多く、余分な塩分を排出してむくみをとる効果があるため、血圧を下げることにも繋がります。
さらに、具体的な理由は未だ不明ですが、様々な果物のジュースをマウスの血液の中に入れて、どれほど免疫力が高まるかという実験の際、バナナが最も免疫力を高めた、ということも明らかになっています。
これはあくまでもマウスを使った実験で、このメカニズムはまだ解明されていませんが、特に免疫力を高める果物という可能性もあるのがバナナです。
食べ過ぎないこと
柿やリンゴの回でもお伝えしましたが、やはりバナナも食べ過ぎると太る原因になります。
カロリー量で言うと、バナナは1本でおよそ112キロカロリーになるため、1日1本で充分であり、小さめのものでも2本にとどめてください。
また、バナナにはシュウ酸が含まれているため、食べ過ぎると尿路結石の原因にもなります。
さらにバナナのような南国の果物は、どちらかと言うと体を冷やす作用があるため内臓が冷えるとか、むくみはとれやすいものの冷え性を悪化させることに繋がる恐れがあります。
1日1本であれば問題無いですので、ダイエット食や運動の前後の栄養補給に、是非活用してみてください。