今年のインフルエンザはどうなる?ワクチンは?#552

Voicy更新しましたっ!

今回は、今年もやってきたインフルエンザシーズンについて

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今年もインフルエンザの季節が

東京ではcovid-19の感染者数が100人を切ったという日もあり、ワクチンパスポートやgoto再開の議論も本格化してきている今ですが、インフルエンザのウイルスも活動が徐々に始まりつつあります。

去年、当薬局ではインフルエンザの患者さんが0人という前代未聞の事態でしたが、今年は個人的にはそこまででは無い、と思っています。

これから秋、冬を迎えるにあたって、一層念入りに感染対策をしていきましょう。

インフルエンザウイルスの流行の仕組み

インフルエンザについてはvoicyでも何度も触れていますが、簡単におさらいすると、北半球と南半球で流行するウイルスが違う、という特徴があります。

日本での夏場、つまり北半球が夏だった時に、南半球にあるオーストラリアやニュージーランドなどの国ではどのように流行っていたか、というのが一つのポイントですが、今年も去年に引き続いて人の動きが極めて少なく、一部の国ではロックダウンされていた時期もあり、流行は非常に抑えられています。

ただし、中国の一部や東南アジアなど、去年よりは人の動きが増えているという国も存在します。

特に、日本へやってくる人はビジネス目的等があるため、アジアの人が多く、アジア圏の人流があるということは、去年よりもインフルエンザが流行る可能性は少なからずあるといえます。

また、今年はRSウイルスという、特にお子さんに対して厄介なウイルスが流行しました。

呼吸器の感染症でおよそ2歳の小さいお子さんにかかることが多く、症状が進むと気管支喘息のようになり、重症化すると肺炎を起こすなど、非常に危険なウイルスですが、これがお子さんの間で流行したという経緯があります。

感染対策が去年よりもわずかながら、ゆるみがあったため流行したと見られています。

さらにその上、現状ではcovid-19の感染者数が落ち着いており、緊急事態宣言も全国で解除されているため、より流行するリスクは高いといえます。

そして、前項のRSウイルスがお子さんを中心に広がった説の一つに、「去年流行らなかったからこそ、今年免疫を持っていない子が感染してしまった」という説があります。

つまり、本来であれば去年感染していたはずの子が、今年になってかかってしまい、感染者数が増えた、という見方です。

去年流行っていなかったのはインフルエンザのウイルスも同じですので、この流れと同じことが、これからインフルエンザにおいて発生するという可能性があるのです。

インフルエンザのワクチンはどうする?

これを踏まえて、インフルエンザのワクチンを打つかどうかですが、個人的には「重症化のリスクがある人・お年寄りの方・お子さん」は打った方が良い、と思います。

インフルエンザのワクチンも、covid-19と同じように重症化を防ぐというのが大きな効果ですので、例えば何らかの疾患を抱えている人、特に慢性的な呼吸器の病や心臓、腎臓、肝臓の病がある人は、ワクチンはとても効果的です。

そして一般的な生活習慣病がある方も当然、インフルエンザは極めて危険ですので、できるだけワクチンを打つのがおすすめです。

免疫機能が低下しがちの方や、先天性の病がある方、重い精神疾患がある方も同様です。

ちなみに一般的な生活習慣病はどれも危険ですので、言ってしまえば肥満の方、肥満傾向のある方は重症化しやすいですので、注意してください。

ただ、去年に引き続いて、今年もワクチンの確保の問題はあります。

今年もインフルエンザワクチンの供給に時間が

今年10月のインフルエンザワクチンの供給量が、去年足りなかった時の6割程度と、去年より一層不足しているという報道がすでに一部であります。

ですが、その報道でも11月になると供給が元に戻ると書いてあり、実際に現場でも11月には大丈夫と聞いているので、全く足りなくなるということは無い見通しです。

これも以前触れましたが、ワクチンの効果は打ってからおよそ2週間後から4か月間ほどですので、インフルエンザウイルスの活動が落ちる前にワクチンの効果が切れてしまう、ということが起こり得ます。

これを踏まえると、11月以降の予約で充分問題ないと考えられます。

covid-19のワクチンを打っているけど、インフルエンザのワクチンを打っても良いの?

去年との決定的な違いが「covid-19のワクチン」にあります。

前回の配信でも触れたように、日本の人口の半分が2回目の接種を終えるというところまで来ています。

covid-19とインフルエンザのワクチンを同時に打っても良いのか、という問題があると思いますが、日本ではcovid-19のワクチンを打ってから14日後以降であれば、どんなワクチンを打っても大丈夫、と定められています。

14日という制限は念のためで、アメリカではすでに同時接種も認めており、おそらく日本でも将来的に同時接種が認められる可能性はあります。

ワクチンと言えばインフルエンザ以外にも様々ありますが、日本ではもともと小さいころから様々な種類のワクチンを打ってきており、ワクチン同士の相互作用は確認されていません。

ですので、インフルエンザのワクチンとcovid-19のワクチンで何かがある、ということは極めて考えにくいので、特に心配しなくて大丈夫です。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属