秋太りにご注意!太りづらい食べ方#543

Voicy更新しましたっ!

今回は久々に趣向を大きく変えて、味覚の秋に気を付けたいあれこれについて

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今こそ知っておきたい「太りづらい食べ方」

しばらくcovid-19関連が続いてしまったので、今回は久々にガラッと話題を変えて、「秋太り」のお話です。

こうした話は、voicyでもこれまで何度も取り上げておりますが、今回は少し踏み込んで「太りづらい食べ方」や「太りやすい食べ方」といったことにも詳しく触れて行きますので、是非ご覧いただければ幸いです。

9月に入って気温が下がってくる今、そして味覚の秋の今こそ、健康に気を付けて行きましょう。

単純そうで、単純ではないメカニズム

まず前提として、「太る」という言葉の意味ですが、具体的に説明すると「食べたエネルギーの方が、動くことで消費するエネルギーと基礎代謝で消費するエネルギーより多い」ときに太ります。

この逆に、食べたエネルギーの方が、動くことで消費するエネルギーと基礎代謝で消費するエネルギーより少ない」と痩せて行きます。

極めて単純ですが、消費カロリーと摂取カロリーの計算が大切、としばしば言われるように、太るメカニズムとは実際この通りになっています。

しかし、例えば食べ方などによって、同じカロリー量を摂取したのに太りやすい、太りにくいといったこともあると思います。

例えば1日の摂取カロリーが同じでも、朝食を抜いての場合と朝食で多めにとった場合とでは太りやすさが変わる、とか、1日3食ではなく2食にしたら太りやすい、といったことが言われていると思います。

朝食を抜いたら太りやすい理由

まず、寝起きの朝というタイミングは、体に貯めてある糖質が大きく減っている状態にあります。

脳は糖質を最大のエネルギー源として働きますので、糖質の量が減っているときはいわば「省エネモード」のように、セーブして働きます。

つまり、脳はエネルギー不足ということを全身に伝えて、少ないエネルギーで活動を維持できるようにしている、という状態です。

ある意味エコで、合理的に思えそうですが、この省エネモードの時は、筋肉量が落ちるという大きなデメリットがあります。

筋肉量が落ちるということは、基礎代謝という普段の活動で消費できるエネルギーの量が減ってしまうことにつながります。

そして、この状態の時の体は、いわばエネルギーを使わない状態と言えますので、この時に普通の時と同じだけのカロリーをとれば、余分なエネルギーが多くなる、という状態になります。

余分なエネルギーが多いということは、「脂肪」として体に蓄えられることになります。

この結果として「太る」ことになり、高血圧や糖尿などの生活習慣病に直結します。

早食いが太る原因になる理由

もう一つ、同じカロリー量でも太りやすさが変わってくる要素が「早食い」です。

早食いが太る原因になるのは、ただ一つ「糖質」にあります。

食べ物を食べたときに最も早く消化されるのは「糖質」で、一番最初に体内に吸収されます。すると、血中の糖質が一気に濃くなります。

これがいわゆる「血糖値」です。

血糖値は上がり過ぎると危険なため、これを下げるためにインスリンというホルモンを分泌させます。

インスリンが、血中にある糖質を脂肪に変えて、糖質の濃度を下げます。

これは当然、文字通りの脂肪ですので、太ることにつながるのです。

不必要に「省エネモード」にしないこと

以上を踏まえて、太りづらい食べ方についてですが、まずは最初の「省エネモード」にしないようにする、ということが大切です。

そのために必要なのが、食事を不用意に抜かないこと、そして3食規則的にとる、ということです。

有名なことで、これをきちんとするのが難しいのはわかりますが、やはりこれが非常に重要です。

例えばスペインの研究では、お昼ご飯を午後3時以降に食べる人は痩せづらい、ということが分かっています。

生活習慣の違いはありますが、朝に比べてお昼ご飯が遅いということは、必然的に夕食も遅くになってしまうことになり、食事の間が空くことになります。

またこれは、カロリーの取り方を考えるという言い方もできます。

お昼ご飯のカロリー数を、1日の半分ほどの量をまとめてとって、その分、朝と夕食のカロリー量をそれぞれ4分の1ほどに減らすと痩せやすい、ということが分かっています。

夕食は、痩せるということを考えれば、消化しやすくおなかに優しくて、カロリーが軽い方が痩せやすいということになります。

血糖値を不用意に上げないこと

そしてもう一つ、血糖値を不用意に上げないことも重要です。

単純に早食いせず、よく噛んで食べることが一番の対策になりますが、ポイントとしては「いつもより5回、噛む回数を増やす」ということです。

一口が大きいと、当然ながら1回で体内に入る量も増えるため、その分血糖値が上がることになります。

また自炊で調理する方であれば、食材を大きめに切って、一口でたくさん入らないようにするといった対策も出来ると思います。

とはいえ、そういったものばかりではないので、難しいと思いますが、そこで役立つのが「普段、この辺で飲み込むと思った回数よりも、5回、噛む回数を増やしてみ」ということです。

よく噛んで食べる、ということはご存じだと思いますが、具体的にどうするのがベストかはあまり考えたことが無いと思います。

ですので具体的に、普段よりも5回多く噛んでみる、という風に意識することで、血糖値の上がり方が緩やかになり、またおなかにも優しくなるので、非常におすすめです。

そしてこちらも有名かと思いますが、食べる順番を意識することも、血糖値の上昇を抑えることにつながります。

野菜や繊維質を先に食べるのは、血糖値の上昇を抑える、と言われますが、これは繊維類が先に体内に入ることで、糖質の吸収を邪魔するため、この後に炭水化物が入ってきても一気に吸収されないようになるためです。

どうしても夜食が食べたいとき・深い時間にお酒を飲んでしまったとき

以上を気を付けることが、太ることを防ぐ大きな要因ですが、そうは言ってもなかなか難しい場合もあると思います。

例えば、仕事の都合やライフスタイル的に、どうしても夕食が遅くなってしまう、というときには、分割して食べるという手があります。

ご飯がかなり遅くなりそう、というときには、夕方6時前後におにぎり1個程度ぐらいのカロリーをさっと食べてしまって、それからゆっくりご飯を食べるという形で大丈夫です。

ただ、おにぎりだと炭水化物、糖質部分はすでに食べているので、後で食べるご飯の時は糖質を大きく減らして、おかずだけを多めに食べる、という風に調節するのがベストです。

このように分割できれば、遅い時間に普通の量の夕食を食べるのよりは、健康に良くなります。

そして、夜中にどうしてもおなかが減って何か食べたいとき、おなかが減り過ぎて眠れないというレベルの時には、タンパク質が多いものを食べるのがおすすめです。

豆腐やサラダチキンはもちろんですが、ヨーグルトも非常に便利です。

ヨーグルトは砂糖の入ったものではなく、プレーンのものだと乳製品のタンパク質がとれるので、とてもおすすめです。カロリーで言うと、200キロカロリー程度を目安にとってください。

ただ、夜中にそれほどまでにおなかが空くのは、食事のリズムがあまりよくないということの現れでもあります。

ですので、1回の食事の量を逆に少し増やして、夜中におなかが空かないようにすると、夜食をとるよりも太りづらくなりますので、試してみてください。

最後にお酒についてですが、これはとにかく量を考えることと、おつまみを工夫して糖質を抑える、ということに尽きます。

例えばこれも豆腐やサラダチキン、枝豆のような、タンパク質中心でカロリーの軽いものだと、不必要に糖質が体内に貯まることを防げますので、おすすめです。

とはいえ、お酒の量が多かったり、夜遅い時間だと当然太る原因になりますので、しっかりと考えて、決めていくようにしましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属