ドロドロ血で命ハラハラ?その原因と対策は?#429

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今回は日頃から気を付けていきたいドロドロ血液、生活習慣病のお話

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「ドロドロ血液」って、なに?

ステイホームとかお家時間、在宅でのテレワークによる運動不足で、生活習慣病のリスクが上がった方も多いと思います。

今回はその生活習慣病、中でも特に目立ちやすい「ドロドロ血液」を中心にお話していきたいと思います。

 

血液の質が変わる

ドロドロ血液と言うと、血液に何かが入って来て流れが悪くなっているように見えますが、実はそうではなく、血液の中の成分の量が変わったために、起こっていることです。

以前、血液の回でもお伝えしたように、赤血球、白血球、血小板、血漿と言ったもので構成されていますが、これのバランスや質が悪くなって、ドロドロとした流れが悪い血液になります。

原因としてはまず、水分不足があります。

血液に限らず、液体というものは基本的には、濃くなっているものほど流れが悪くなります。特に夏場は汗で水分が失われることで、ドロドロ血液になることもあります。

水分不足の次に、赤血球が固くなることで、ドロドロ血液になることがあります。

これは生活習慣病の中でも、糖尿病が進むと起こることがあるケースで、赤血球の膜が固くなり、それによって血液の流れが悪くなり、細い血管が通りにくくなるという事です。

 

血小板・白血球の影響

赤血球ではなく、血小板や白血球のトラブルによることでも起きます。

例えば血小板は、血を固める成分で、怪我をしたときに出来るかさぶたの素となるものです。

お酒や中性脂肪、水分不足と言った要素が重なると、普段は集まらないのに、血管内で血小板が集まってしまって、一つの塊のようになり、それによって血液の流れを阻害してしまいます。

この血小板によるドロドロ血液は少し危険で、命にかかわる病気の可能性もあるので注意してください。

また白血球は、風邪や炎症と言ったトラブルが起きると、ねばねばとして他の成分をくっつかせる働きを持ちます。

それによって体内にある異物を取り除こうとする働きですが、風邪や炎症が無くても何らかの原因で突然ねばねばとさせてしまい、結果的にドロドロ血液になる、という事もまれにあります。

その原因としては過度なストレス、たばこが挙げられます。

こまめな水分補給、お酒中性脂肪に気を付ける、そしてたばこを控えると意識していけば、充分な予防になります。

 

ドロドロ血液は何が問題なの?

ドロドロ血液になることで起こることは、まず有名ですが体の隅々まで栄養や酸素が行き渡りにくくなり、逆に老廃物も流すことが出来ず、肩こりやむくみ、疲れやすさと言った症状に繋がります。

ただし、注意するのは、そういう症状が出るのはドロドロ血液に限ったことではない上に、そういった症状が出ない人も存在します。

つまり、自分の血液の状態がどうなっているのかは、血液検査しない限り自分で知るのは非常に難しく、ほぼ不可能です。

一般的には、血液検査の数値でLDLという、コレステロール値がありますが、これが高いとドロドロ血液の可能性が高いと思って差し支えありません。

ちなみに、具体的にドロドロ血液がどう言う事を起こすかというと、まず流れが悪くなることで血管に負担がかかり、血圧が上がります。

血管に傷が出来やすくなり、そのとき、その血管を治すために悪玉コレステロールが集まります。

万が一、悪玉コレステロールの量が多いと、大量の悪玉コレステロールが集まってしまい、血管そのものが固くなります。これがいわゆる「動脈硬化」の状態です。

余剰に悪玉コレステロールが集まってしまったので、血液が通る道も狭くなり、余計流れが悪くなります。もしこうしたことが心臓の血管で起こると狭心症となります。

さらに、悪玉コレステロールが集まることで行き場を失った血液が詰まり、そこで破れると血小板も集まります。そして先述したように固まって詰まり、血液が完全に通れなくなることもあります。これが心臓の血管で起こると、心筋梗塞となります。

他には、血小板の塊が末端の静脈で出来た場合、静脈から心臓に戻りますので、そのまま血液の流れに乗って肺の血管に行き、肺が詰まることがあります。

これが肺塞栓と言い、いわゆる「エコノミークラス症候群」です。

 

まずは水分補給が一番

血液をサラサラにするために必要なことは、昔から様々なメディアで取り上げられていて、ご存知の方も多いと思います。

まず大前提として、一番確実で簡単にできるのが水分補給です。特に今の時期は熱中症対策としても、非常にこまめな水分補給が必要になりますので、ドロドロ血液に関係なく、是非とってください。

水分は必ずとるとして、次におすすめな食事についてですが、覚えやすい言葉があります。

俗に言う「料理のさしすせそ」、のような言葉ですが、「おさかなすきやね」という言葉があります。

 

血液をサラサラにする「おさかなすきやね」

これは血液をサラサラにする食べ物の頭文字を集めた言葉で、一つ一つ解説していくと、まず「お」はお茶です。

お茶に含まれるカテキンが体にいいのは何度かお伝えした通りですが、血液をサラサラにするのにも役立ちますので、おすすめです。ただし水分補給には、スポーツドリンクや普通のお水がベストです。

次の「さかな」ですが、これは一つ一つ頭文字になっていて「さ」は魚、「か」は海藻、「な」は納豆になります。

魚と海藻はご存知の通り、特に青魚にEPAやDHAが入っていて血液に非常に良い効果があり、海藻は食物繊維が豊富なので余分な脂分を吸収しないようにするとか、糖分の吸収を穏やかにする働きがあります。

納豆も有名ですが、ナットウキナーゼという成分がとても良い働きをします。ナットウキナーゼは固まった余分な血小板を溶かすことが出来ます。

後半の「す」はお酢、「き」はきのこ、「や」は食物繊維が豊富な野菜類全般で、「ね」は玉ねぎなどの、ネギ類の野菜です。

いずれも血液をサラサラにするもので有名ですが、まずお酢の酢酸、クエン酸と言った成分は、前述の膜が固くなった赤血球を柔らかくする働きがあります。

き、や、ね、は全て野菜の事です。

きのこ類は野菜類の中でも特に食物繊維が豊富として知られていますが、キノコにはベータグルカンという成分があり、海藻類とともに非常に便利な野菜です。

そして最後はネギの「ね」です。玉ねぎが良いのは有名ですが、ニンニクもおすすめです。玉ねぎやニンニクに含まれるアリシンという成分が、血管の中で血小板が集まらないようにしてくれて、ドロドロ血液の予防ができます。

ちなみにサプリメントについてですが、以前少し触れたように、EPAやDHAのはもちろんありますが、前述のナットウキナーゼもサプリメントがあるので、納豆嫌いの方でも簡単に補給できるようになっています。

まずは水分補給と、適度な運動を意識して、ドロドロ血液を解消していきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属