Voicy更新しましたっ!
今回は前回に引き続いて、温泉の詳しいお話
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何をもって「温泉」なの?・ダメなことは?
前回は温泉が持つ効能についてのお話で、街のスーパー銭湯もざっくりと含めたお話でした。
今回はこの「温泉」のはっきりとした定義や、逆に危険なこと、入るのが望ましくない方といった、詳しいことについて深く触れて行きます。
温泉の定義は「25℃以上のお湯が出ている・1kg中に一定量の成分が含まれている」
公式に「温泉」となる定義は、25℃以上のお湯が出ていて、そのお湯1kg中に一定量の成分が含まれていること、となります。
一定量の成分とは、二酸化炭素や鉄など、19種類の決められた成分の事をさします。
それらのどれかが含まれていて、なおかつ源泉が25℃以上の温度であれば、温泉と認められます。
そしてさらに、温泉の中に「療養泉」という種類があります。
これはその19種類の成分の中でも特に治療効果が高いと認められている、8つの成分が含まれている温泉のことです。
例えば硫黄泉、単純温泉のように、単に天然温泉というのではなく、なんとか泉と成分名が入っているものは、療養泉になります。
普通の温泉でも、脱衣所内の洗面台やトイレ付近の壁、もしくは待合ロビーなどの施設内には、必ず「成分表」が書かれています。
含まれる成分や効能が事細かに書かれていますので、是非見てみてください。
温泉のNGは「禁忌症」と言う
温泉のNGについてですが、これは正式には「禁忌症(きんきしょう)」と言います。
これらの症状をお持ちの方は、この温泉には入らないように、という意味を持ちます。
まずほぼ全てに共通しているのが、風邪やインフルエンザなどの感染症で、熱が非常に高い時、結核のような重い病気で症状が活発な時、つまり咳がひどい時が該当します。
他には非常に重度の貧血や、入院の必要があるというレベルで衰弱しているとか、少し動いただけで激しく息切れして動悸が出るような、心臓や肺の病気がある時も、温泉は適しません。
病の症状が活発な時、いわゆる「急性増悪期」の時の温泉はNGと考えてください。
どれも温泉どころではない症状なので、あまり無いとは思いますが、こうしたことがある時は禁忌症になり、温泉に入らないように、と定められています。
あと分かりやすいのが、目に見える出血がある時も入れません。
衛生的な問題もあるので当然と言えばそうですが、たまに「傷の湯」という温泉があって、傷が早く回復する効能がある、と言われているところもありますが、そうしたところに入る場合でも、ひとまず血がとまって落ち着いてから入ってください。
どうしても、ある程度の体力は使うため、免疫力や体力が低い場合は逆に悪化する危険性があります。
なので、必ずある程度回復して、問題なく動けるようになってから、入るようにしてください。
そしてもう一つ、温泉で注意して欲しい方が、妊婦さんです。
妊娠中は温泉に入っても良い?
「妊娠中の方」というのは、実は温泉においては、前項の「禁忌症」に入っていたことがあります。
つまり、妊娠している時は温泉に入らないように、と言われていた時代があります。
様々な理由がありますが、やはり、赤ちゃんに栄養を与えるため、体力や免疫力が健康な状態よりも低くなることが挙げられ、感染症のリスクも高かったためです。
しかし、研究や調査を重ねた結果、清潔な温泉施設が大半になった現在は、妊婦さんでも問題なく温泉に入れるという事が認められ、2014年に正式に禁忌症から外れました。
とは言え、大きな負担になることは変わりませんので、注意は必要です。
例えば温泉に入りに行くと言えば、それなりに長旅になると思います。
長距離の移動をしてから温泉に浸かるのは、激しく体力を消耗します。
なので、できるだけ近場の温泉に行くとか、1泊か2泊して体に無理がかからないような日程で行くようにしてください。
あと入浴には水分補給が大切ですが、妊婦さんは特にこまめに補給してください。
なぜかというと妊娠中は、簡単に言うと血が固まりやすくなっている状態ですので、脱水すると別の病を起こしやすい可能性があります。
特に、長湯をしたら水分がどんどん抜けますので、大体10分を一つの区切りにして、水分をとったり、上がったりして調節してください。
また温泉のお湯は含まれる成分によって、普通のお湯のお風呂場よりも滑りやすくなっていて、転倒のリスクもありますので、動きにくくなっている状態でお風呂に入る場合は、充分注意してください。
気心知れた家族や知人とともに入るのが、良い気分転換にもなるので、おすすめです。できるだけ母子手帳も持って行くと、万一何かあった時でも安心です。
「万病の湯」も
ちなみに、前回の最後に、心臓の湯というものをご紹介しましたが、実は「万病の湯」という物もあります。
主成分は「ラドン」という成分で、三重県の湯の山温泉や鳥取の三朝温泉などにはラドン温泉があります。
ラドンは平たく言うと「放射能物質」で、いわば放射能の温泉です。昔から様々な病何にでも効果があると言われていて、「万病の湯」とも評されています。
放射能と言えば、万病に効くどころか万病の元と言われるぐらい、様々な悪影響を及ぼすものと思われがちで、例えばガンのリスクが高まるとも言われていると思います。
しかし、日ごろからラドン泉に入っている、三朝温泉周辺の方のガン発症率を調べたデータでは、放射能量はもちろん他の地域よりも高いですが、ガンでの死亡率はその地域よりも低かった、ということがあります。
このデータのとり方に問題があるのでは、という指摘もありますが、信頼性は高く、少なくとも、特別その地域でガンの発症率が上がっているという事は無いのは、確かなのです。
そして、万病に効くかは実際には不明ですが、痛みへの効果は、他の温泉と比べると強い、という事も確かです。
例えばリュウマチ、神経痛のようななかなか取れない痛み、腰痛など慢性的な痛みには、他の温泉よりも確実に効きます。
これは4ヶ月間の実証実験も行われていて、ラドンの温泉に入った群と、普通のお風呂に入った群で分かれて、ラドンの温泉に入った方の痛みは、普通のお風呂に入った方と比べて痛みが和らいだ、というものです。
ただし、一つ否定されているのが、「飲むことで痛風が和らぐ」ということです。
ラドンの温泉を飲むと痛風に効くと言われていましたが、これも実験が行われた結果、否定されました。
痛風の原因は尿酸値が大きいですが、ラドン泉を飲むことで痛風が和らぐということはありませんでした。
万病に、何でも治るということはありませんが、痛みへの効果は強いので、興味があれば一度行ってみてください。