今知っておくべきcovid-19のこと#393

Voicy更新しましたっ!

今回は正式名が決まった新型コロナウイルス「covid-19(コービッドナインティーン)のお話

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新型コロナウイルス「covid-19」

WHOは2月11日に、この新型コロナウイルスを「covid-19」と呼称することを決定しました。

今回は情報不足ということもあって、詳しく触れてこなかった、この新型コロナウイルス「covid-19」について、現時点での情報を踏まえて少しまとめて行きたいと思います。

2月で中国で感染者数7万人を超えるcovid-19

2月現在で、新型コロナウイルス「covid-19」の中国での感染者数、そして死者は、公式発表でそれぞれ7万人、1700人を超える数字となっています。

そして、日本でも現在400人以上の方に感染が認められ、中国に次ぐ規模で感染拡大している、というのが現在の状況です。

以前少し触れましたが、今回のはあくまでも肺炎で、軽い風邪のような症状から、重いインフルエンザのような症状までで、重症化してしまう方はどうしても高齢者だったり、肺や呼吸器に何らかの持病がある人が多い、という風になります。

ただし、普通の風邪やインフルエンザと決定的に違うのが、治るまでの日数と、感染力の強さです。

軽い場合だとしても、完全に治るまでは最低1週間ほどはかかると言われています。

そして感染力は、当初はインフルエンザと同程度と言われていましたが、現在ではインフルエンザよりも強い可能性が高い、となっています。

感染経路は接触感染・検査が難しい

そして、こちらはすでに有名ですが、covid-19は接触感染するタイプです。

濃厚接触とか、濃厚接触者という言葉が連日出ているように、同じ空間で近距離で食事をとったとか向かい合って話し合いをした、船や電車内で長時間同じ空間にいた、といったことで、感染する可能性がある、とされています。

厄介なのが、現在でも普通の病院では検査ができない点です。

同時に、検査結果が出るまでの時間も、インフルエンザなどのようにすぐ見られるものではなく、数時間単位でかかってしまい、日本全国で検査が難航しているのです。

当然ながら治療薬も、一部ではHIVの薬とインフルエンザの薬を一緒に使って軽快したというお話もありますが、まだ確立はされていません。

ただし、治験は既に始まっており、現在進行形で治療薬を開発している最中と思われます。

現在の治療法は、充分安静にして栄養管理を徹底するというような、対処療法だけになります。

covid-19の今後の見通し

このcovid-19ですが、一先ず今後に起きそうなこととしては、まず現時点では日本の国立感染症研究所で、ウイルスの分離に成功したため、ワクチンが作れるようになりました。

ですのでこれを基に、治療法も確立されて行くとは思われますが、最短でも1年から1年半は必要で、具体的にどれほどで完成できるかは不明です。

さらに、前回も触れた、症状が無くても感染しているというケースで、さらに全体に広まる可能性も充分あります。

もし、ゆっくりと広まったとしたら、徐々に日本全体にcovid-19の免疫が広まって、収まっていくと考えられます。

2009年の新型インフルエンザの時も新型のウイルスで非常に恐れられており、今回のように水際対策も行いましたが、やはり不十分で日本全国で発症が見られた、という事がありました。

しかし、現在では毎年流行るインフルエンザと同じレベルになっていて、このcovid-19も同じような経過をたどる可能性が高い、と言われています。

ただし、パンデミックだけは防ぐ必要があります。

急激に、大規模に流行してしまうと、入院に必要なベッド、管理にあたるお医者さんや看護師さん、そして何よりお薬も大量に不足することになります。

これでは、従来のお薬や栄養管理できちんと対処していれば大丈夫だった方でも、物資が不足してしまうことで最悪亡くなってしまう可能性も充分ある、ということです。

なので、あらゆる策をとって感染拡大を最小限に、できるだけ散発的な流行に収められれば、医療が不足することなく対応でき、免疫力も高められるため、収束していくのです。

今、日々の暮らしの中で出来ること

さて、日々の暮らしの中で出来ることは、何度もお伝えしているように、こまめに手指を消毒するとか、加湿をしてウイルスを活動させない、と言ったことはもちろんですが、国の発表では「不要不急の外出を控える」とか「会議はスカイプなどで」といったことも出ていると思います。

今必要なことは、パンデミックを防ぐこと、むやみに感染を拡大させないことですので、出来るだけ人ごみに行かないというだけでも、充分予防になると思います。

また、こちらも以前、マスクの回で触れておりますが、もし咳、くしゃみなどの症状がある場合は必ずマスクをつけてください。

これは家の中でも同様で、家の中で家族にうつる可能性は充分ありますので、安静にして、症状がしっかりと収まるまでは、家の中でもマスクをつけてるのがベストです。

そしてやはり、ストレスや睡眠不足で、免疫力が落ちてしまうと、ウイルスにもかかりやすくなり、また症状も出やすくなるので、しっかりと睡眠と栄養をとってください。

万が一、covid-19かもと思ったら

万が一、いくつか症状が出て、不安な場合は、まず各地域の保健所に連絡してみてください。

相談窓口が設けられており、そこで相談してみるのがおすすめですが、前述したように、これは最初は普通の風邪ですので、たとえお医者さんでも一発で見抜くことは不可能と言う現状があります。

また、すぐに病院に行ってしまうと感染拡大の可能性が高まるので、出来るだけ家で安静にしているのがベストです。

実際、政府の発表でも「4日熱が続いた場合、持病がある方は2日熱が続いた場合は病院へ」としており、すぐに病院に行くことはあまり推奨されていません。

しかし、軽い風邪だからと言って、家で安静にしていられるかと言うと、実際には非常に難しいと思います。

これも一つの働き方改革で、軽症の風邪だとしても家で待機できるようになって欲しいと思います。

政府発表の通り、熱が出てから4日ほどはしっかり栄養と水分をとって、家で様子をみるだけでは不安なときに、市販薬を使ってみてください。

例えば、急激に熱が上がって汗が出る間もなく高熱が出たという時は、以前漢方薬の回でも出た「と同時に頭痛にも効くお薬では、タイノレールという病院さんでもたまに使われるお薬が、市販でありますので、試してみてください。

もう一つ有名ですが、風邪の引き始めの、変な寒気、悪寒がするときは「葛根湯(かっこんとう)」が非常に便利です。

こういったものを使いながら、3日、4日間過ごしてみて、それから保健所に相談してみると、確実かと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属