Voicy更新しましたっ!
今回も頂いたコメントから、「持病によって飲めないお薬」のお話
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ある病にかかっていると、飲めないお薬
前回のコメントにて「白内障、緑内障に反応するかもしれないから薬でステロイドを摂取しないように言われてました」と頂きました。
緑内障は症状からして特殊な病で、様々なお薬に制限がかかる病気になります。
実際、緑内障で治療中の方は、ステロイド等いくつかのお薬を、摂取しないようにとお医者さんから強く言われると思います。
今回はこのような「ある病にかかっている時は飲めないお薬」ということについて、前回のステロイドにも関連しながら、触れていきたいと思います。
緑内障・前立腺肥大症が代表例
このような、飲めないお薬がある病は、緑内障と前立腺肥大症がその代表になります。この二つについては、病院さんや薬局で書く問診票、アンケートではほぼ必ず聞かれると思います。
まずコメントにもあった緑内障ですが、こちらは割と有名な病で、目の視野が徐々に狭くなっていくという病です。
目で見たものを脳に伝える、視神経と言う神経に何らかの障害が起きるというもので、非常にゆっくりと進んでいくため、気付いたころには大きく視野が失われている、という事もある、とても怖い病です。
調べる手段としては、眼科さんに行くと必ず測る眼圧という、目の圧力を測ります。
これはいわば目の血圧のようなもので、非常に重要な要素になります。
この数字が高いと、眼圧が高いということになり、視神経を圧迫しやすく、緑内障のリスクが高いとなります。
ただし、正常な範囲の眼圧でも緑内障になるケースは充分あり、確実な原因は未だに分かっていません。
この緑内障は男女問わず40代以上の方であれば、およそ6%の方に起こる可能性がある病ですので、割と様々な方がなることがあります。
ちなみに緑内障と言うと必ず失明すると思われそうですが、お薬で充分コントロールできますので、今ではそれほど恐れる必要はありません。
男性は要注意な「前立腺肥大症」
前立腺は男性の精液を作る機関で、これが加齢とともに徐々に大きくなっていくというのが前立腺肥大症です。
男性であれば結構な割合の方で見られる病で、50歳代で3割程度なのが、60歳になると6割、70歳で8割、80歳だと9割もの方で、前立腺肥大の傾向がみられる、とされています。
ほとんどの男性が多かれ少なかれ、年を取るにつれて前立腺が大きくなっていくということですので、全てに治療が必要と言うわけではありません。
ただ、前立腺が肥大することで、尿道や膀胱が圧迫されてしまい、トイレが近くなるとか夜中に何度も目が覚めてトイレに行く、といったことが起き、生活に支障が出てくることがあります。
そのときに、治療をするという選択が出ます。
この緑内障と前立腺肥大症は、かかっている時に飲んではいけない薬、飲めないお薬がありますが、一つはどちらも共通して飲めないお薬、というものがあります。
これらにかかっている時に飲んではいけないお薬
まず緑内障と前立腺肥大症、どちらも共通して飲めないものが「古いタイプの鼻水止め・アレルギーのお薬」「内臓の痛み止め」です。
まず古いタイプの鼻水止め・アレルギーのお薬ですが、これは今でもわずかに市販されている、古いタイプの鼻炎カプセルなどのことで、ポイントになるが新しいタイプの鼻水止め、花粉症用とかアレルギーのお薬には入っていないという点です。
もう一つの内臓の痛み止めですが、例えば市販のおなかの痛み止めの一部の製品も、どちらも共通して飲めないお薬です。
これに関連して、最初にコメントに頂いた「ステロイド」のお薬も、実際に緑内障であれば使ってはいけないお薬の一つですが、これはステロイドの「飲み薬」も同様です。
なぜこういったお薬がダメかというと、緑内障であれば眼圧が上がる可能性が、前立腺肥大症であればおしっこが出なくなる可能性があるためです。
例えば緑内障の時にステロイドのお薬をとると、場合によっては急激に眼圧が上がって、頭痛や目の痛み、吐き気も現れる急性緑内障発作を起こすことがあります。
もう一つの前立腺肥大症の時に、こういったお薬を飲んでしまうと、すごく尿意を感じて、トイレに行きたい感じがするのに、実際に行っても全く出ないということになります。当然、おしっこ自体は膀胱にどんどんたまっているので、進行するとおなかの痛み、膀胱の痛みとして出てきます。
これらを防ぐために、病院や薬局でアンケートを必ず取って、飲めるお薬・飲めないお薬を判断していきます。
ドラッグストアなどでも、お薬を買う時には緑内障ですとか、前立腺肥大症でお薬を使ってる最中ですという風に、出来るだけ伝えると、より安全に市販薬を買えるので、とてもおすすめです。
緑内障でも特に何も言われないケース
ただし、緑内障を治療中の方で、眼科さんで特に何も言われなかった、というケースがあります。
特に眼科のお医者さんにステロイドがどうとか、お薬に注意、と言ったことを言われないというケースは、別の種類の緑内障なためです。
実は緑内障には3種類あり、正式名で難しいですが「原発閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)」「原発開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)」「続発緑内障」の3つです。
このうち、2番目の原発開放隅角緑内障が、緑内障の患者さんの8割の方で見られるもので、これは先述の急性緑内障発作を起こさないタイプとなり、お薬に関してそれほど注意することは無いタイプ、となるのです。
とは言え緑内障であり、眼圧については充分な注意が必要ですので、問診やアンケートでは、これであっても必ずチェックをつけてください。
また、緑内障という時は、この3つのどれになるのかをお医者さんに聞いて、知っておくのもおすすめです。
併用薬や既往歴で「緑内障」とみると、疑義照会をしてお医者さんの方に確認して、お薬が大丈夫かどうかを確認してからお渡しする、という事をします。
これだとどうしても時間がかかるので、事前にお医者さんに確認して、自分の緑内障のタイプを知っておいて、薬局で薬剤師にそれを伝えると、スムーズに素早く処方ができますので、便利です。
覚えるのはかなり難しいので、出来れば受診中にお医者さんから聞いた時に、すぐにおくすり手帳とかにメモをして、薬局の薬剤師やドラッグストアの店員さんに伝えると確実ですので、もし緑内障で眼科さんにかかった時は、試してみてください。