市販の胃薬はどう選ぶ?#374

Voicy更新しましたっ!

今回は前回の風邪薬とは違う、市販の「胃薬」のお話

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市販の胃薬の選び方

前回のシリーズに続いて、今回は胃薬に限定してお話していきます。

市販薬と言えば、風邪薬と並んで胃薬も充分選択肢に入ると思いますが、実際にある数で言うと、風邪薬よりは少ないです。

このシリーズ最初に出た「パンシロン」が一番代表的で、数も多いですので、今回はそのパンシロンをおさらいしながら、市販の胃薬の選び方について詳しくご紹介していきます。

 

胃酸が多い時に効くタイプ

胃薬は大まかに、胃痛や吐き気に効くものと、胸やけや胃もたれと言った消化に作用するものに分けられます。

まず胃酸が多い時効くものですが、例えば胃酸が上がってくる感じで吐き気がする、酸っぱい感じがするのが分かる、という時は胃酸が出すぎている証拠ですので、胃酸の分泌を一旦止める必要があります。

一番有名なのは、割と昔からある「ガスター10」だと思います。

CMでもかなり流れていて、聞いたことがある方も多いと思いますが、実はロキソニンのように、薬剤師がいるところでないと買えないお薬の一つで、薬局かドラッグストアでしか買えません。

急なことで手に入れるのが難しい時は、パンシロンシリーズの「パンシロンキュア」が、同じような効果を持っていて、おすすめです。

ガスター10とは違う成分ですが、効かせる仕組みも変わっていて、胃酸を止めて胃の粘膜を保護することが出来ます。

ちなみに万が一、ものすごく症状が酷い時は、このパンシロンキュアとガスター10を一緒に使う、という事も可能です。

お医者さんの診察から処方される医療用では、そう言った胃薬の使い方もたまにします。

ただもの凄く酷い場合ですので、やはりできるだけ病院にかかって、お医者さんに診てもらってください。

 

ストレスからの痛み・吐き気に効くタイプ

胃酸の酸っぱさは感じないけど、緊張やストレスで吐き気が多く出るとか、胃が痛むときは漢方薬系がベストです。

中でも「安中散(あんちゅうさん)」という漢方を用いたお薬がおすすめです。

商品名では「ストレージタイプi」と言いますが、これは顆粒で、苦手な人には飲みづらいという特徴があります。

なので難しい時は、こちらも有名な「タケダ漢方胃腸薬A」がおすすめです。

ストレージタイプiと同じく、武田製薬のお薬ですが、実は内容は同じ安中散なのに錠剤になったもので構成されています。

粉タイプよりも遥かに飲みやすいですが、それでも漢方薬は胃の中で溶けたときに、独特の香り、味が分かるほど強烈なものですので、それすら嫌な場合は「パンシロンソフトベール」が効果的です。

これは漢方ではないため独特のにおいがありません。

タイプはソフトカプセルで、神経系の胃痛に非常に効果があり、緊張からくるような胃痛、吐き気にとても有効です。

そしてもう一つ、先日も触れましたが急激おなかの痛み、差し込みの痛みにはブスコパンが一番おすすめです。

 

食べ飲みすぎの「胃もたれ」に効くタイプ

続いて、おなかの一番の役割とも言える「消化」のトラブルに効くお薬です。

いわゆる「胃もたれ」に効くものですが、胃もたれと言えば一番の原因は脂っこいものを食べたときだと思います。

胃もたれは総合的な市販の胃薬はほとんど効果があります。

こちらも古くからあって有名な「パンシロン01プラス」がおすすめですが、実はこれらほとんどに生薬が入っています。

漢方薬とは若干違いますが、生薬と消化酵素が配合されていて、荒れて疲れた胃をスッと整えていきます。

また胃もたれに合わせて下痢をしてしまう、腸にも負担がかかるという方は、胃薬と整腸剤が合わさったものが便利です。

これは現在でも頻繁にCMが流れている「第一三共胃腸薬プラス」が代表的で、CMでも「胃と腸を元気に」と言うように、どちらも同時に整えてくれます。

あとビオフェルミン健胃消化薬錠も同じように、整腸剤が入っていて胃腸両方に効きます。

ただ、どちらも共通しているのが、調子が悪くなってきて症状が出始めてから飲む薬という点です。

もともと胃が強くないというか、慢性的に消化があまり良くないという方は、普段から消化酵素が入っているものをとると、消化がある程度良くなることがあります。

例えば「エビオス」を常備しておいて、毎食後に飲んで消化を助けることで、胃もたれの予防になります。

これらは医薬品のくくりではないですが、サプリメントのような健康食品よりは効果が高いのでおすすめです。

 

改善されない場合はお医者さんへ

前回の風邪薬も同じでしたが、やはり市販薬で改善されない時は病院で診てもらいましょう。

目安も風邪薬と同じく3日で、3日間飲んでもどれも全く効果がない時は必ず病院に行ってください。

良くなっている感じがあれば大丈夫ですが、全く効いている気がしない時は危険ですのでお医者さんの診察を受けてください。そしてそのときに、これらの薬を試してみたと、お医者さんに伝えるのも忘れずにしましょう。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属