Voicy更新しましたっ!
今回は前回に続いて、重大な場合の下痢について
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治りにくく、長引いてる下痢の時
前回は下痢止めや整腸剤のお話で、言ってしまえば「安静にしていると治る」タイプの下痢についてのお話でした。
今回は食中毒や大腸炎など、重大な病によって起きている下痢、受診の必要がある場合について、触れていきます。
食事をとらずに水分だけ補給してみるとか、整腸剤を飲んで腸内環境を整えるなどで治れば良いですが、まれに「食事をとっていないのに下痢が出続ける」とか、便に血が混ざる、強い腹痛が絶え間なく来る、ということがあります。
もしそう言った事態の時は、遠慮せずにお医者さんに診てもらってください。
海外に渡航した直後は要注意
受診が必要な下痢とは、前回でも前項でも触れている、食事をとっていないのに下痢が出るとか、血が混ざるケースもそうですが、海外から帰ってきて原因不明の下痢になった、というような時も、お医者さんに診てもらうのがおすすめです。
他には下痢の症状があるけど、口が渇くとか尿があまり出ない、といった場合は「脱水」の症状ですので、OS-1のような経口補水液ですぐ水分補給をしてください。
これらのような重大なケースは具体的には、前回お話したものと種類が違う下痢となり、市販薬を使って安静にしているだけでは、治すのが難しい場合があります。
正式名では「分泌性下痢」と「滲出性下痢」がその代表格になります。
分泌性の下痢・滲出性の下痢
分泌性の下痢は、消化酵素などの消化に使うものが大量に出てしまい、下痢となるものです。
腸は食べ物から栄養を取り出し、消化するために「消化酵素」を出します。
この消化酵素が、何らかの菌やウイルス、もしくは体のホルモンの影響で必要以上に分泌されてしまい、それが余分な水分となって下痢になり、出ているというタイプです。消化酵素そのものが下痢となって、延々出ることもあります。
もう一つの滲出性の下痢は、これは腸内のどこかで起きている「炎症」によるものです。
炎症を抑えるために、体は「滲出液」という液を出して炎症を鎮めようとしますが、この液が出すぎることで余分な水分となって、下痢になるというタイプです。
腸内の炎症ですので、いわゆる「大腸炎」になり、潰瘍性大腸炎とかクローン病という重い病の疑いがあります。
万が一それらの病気であれば、専門的な病院での処置が必要なため、すぐにお医者さんに診てもらってください。
食中毒による下痢は分泌性下痢
食中毒の菌による下痢は、分泌性下痢が多いため、市販の下痢止めでは治りません。
なので、腹痛と下痢と同時に、発熱や嘔吐の症状も現れます。
また以前、食中毒の回でお話しましたが、無理に下痢止めを飲んで止めてしまうと、治るのが遅くなり、余計に悪化することになります。
なので食中毒の時は決して下痢止めを飲まず、お水や経口補水液で、少しずつ水分補給をしながら、菌を体外に出してください。
そして食中毒では、体の水分が多大に失われて行きます。
辛いから病院で点滴で水分をとる、というのではなく、家にいる時から、また病院で待ってるときも含めて、こまめに水分をとってください。
お水を飲んでもすぐ戻してしまうような時は、経口補水液を使って、ペットボトルキャップで1杯分を、15分に1回のペースで飲んでください。
逆に、ある程度水分が受け付けられる場合は、経口補水液ではなくポカリスエットのようなスポーツドリンクがおすすめです。
炎症によっておこる滲出性の下痢
もう一つの滲出性の下痢ですが、前述したようにクローン病や潰瘍性大腸炎などで起きるタイプの下痢です。
特にクローン病は消化管全体に炎症が起きるもので、小腸にもポリープが現れます。
なので、そもそも体に栄養を吸収するのが非常に難しい病となります。
さらに現在では効果的な治療法も確立されておらず、専門のお医者さんと一緒に、少しずつ治療していく他ありません。
クローン病は消化管の中にポリープが出来るものですので、大腸カメラや内視鏡で確認できますが、普通の会社や学校での健康診断ではなかなか行わないと思います。
発見の大きなきっかけとなるのは、検便の「便潜血」の項目です。
便潜血が陽性になっていれば、何らかの原因で便に血が混ざっていることになります。また下痢だけが頻繁に起こるとか、下痢が続くという時も同じく何かが起きている表れです。
こうしたことがあったら、おそらくお医者さんから一度大腸を見た方が良いと言われるはずですので、そこで見て確認するのが良いと思います。